「道 – Abraham David Christian | PHOTO – Gaudenz Signorell」展、YOKOTA TOKYOで7/25(金)まで開催
この二人の作家は、2023年にスイス・クールのグラウビュンデン美術館で開催されたクリスチャンの個展「Jenseits der Sprache (言語の彼方)」で出会い、
クリスチャンの強い希望によりシニョレルは彼の作品撮影を手がけた。その写真は単なる記録にとどまらず、作品の細部から全体に宿る人格にまで、その内奥に迫る印象深いシリーズを制作した。
こうした背景をもとに、彫刻家の作品と、それを見つめる写真家の眼差しが交差する。
またシニョレルにとって日本で初めて作品を紹介する機会でもある。
彫刻と写真、異なる表現手段を用いる二人の作家による、視点と視線の重なりが生み出す静かな対話を、ぜひ会場で体感してほしい。

Abraham David Christian《Untitled》| Gaudez Signorell《Untitled》

Abraham David Christian《Creation of Man》1980

展示風景より

Gaudez Signorell《Untitled》2023
作家紹介
アブラハム・デイヴィッド・クリスチャン (Abraham David Christian: b.1952)
「道」というテーマのもと、世界各地の自然や歴史、文化に触れながら、自身が“正しく生きる”ことを実践する中で得たインスピレーションを彫刻や素描に託し、作品として形にしてきた。その道筋はヨーロッパ、中東、アメリカ、アフリカ、アジアと多岐にわたり、現在は葉山とスイスを拠点に制作活動を行っている。
1972年と1982年にはドクメンタに参加し、1973年にはクンストハレ・デュッセルドルフで初の個展を開催。1978年にはヴィラ・ロマーナ賞を史上最年少で受賞した。以降、ヨーロッパやアメリカ、日本で数多くの展覧会を開催し、主要美術館に作品が収蔵されている。また、日本、中国、アメリカ、ヨーロッパ各地で教鞭を執った経験を持ち、現在もクール(スイス)、葉山、デュッセルドルフを拠点に精力的な制作を続けている。
ガウデンツ・シニョレル (Gaudenz Sgnorell: b.1950)
スイスを拠点とする写真作家で、1970年代より独学で写真表現を探求し続けてきた。写真という媒体を通じて視覚世界の深層に迫り、被写体の全体から細部へと目を向けるまなざしは、現実の再現を超えて対象の本質を浮かび上がらせるようなイメージを生み出す。
1977年よりフリーランスの写真作家として活動を開始。1980年代以降、ザルツブルク夏期芸術アカデミーやローマのスイス学術研究所、パリのシテ・アンテルナシオナール・デ・ザールなどに滞在しながら、ニューヨーク、キューバ、インドなどでも作品制作を行ってきた。1984年にはスイス連邦芸術奨学金を受賞。現在も故郷であるスイス・ドマット/エムスを拠点に活動を続けている。彼の作品は、スイス写真財団(ヴィンタートゥール)やエルツォーク財団(バーゼル)など、スイス各地の美術館や財団に収蔵されており、2018年にはグラウビュンデン美術館で大規模な回顧展も開催された。
展覧会情報
会期:2025年6月30日(月)〜7月25日(金)
時間:11:00〜17:00(※土日祝休)
会場:YOKOTA TOKYO
住所:〒105-0022 東京都港区海岸1-15-1
TEL:03-3433-4479
公式サイト:https://yokotatokyo.com/index.html