Miyu Fukadaの写真展 “Right place, Right time” がInherit Gallery にて開催
Miyu Fukada Photo Exhibition “Right place, Right time”
11月2日(土) 〜 11月10日(日) 1PM-7PM
at Inherit Gallery
東京都世田谷区下馬 1-48-3
*入場無料 *会期中無休
Instagram:@inheritgallery
Statement(原文ママ)
機内で目覚めるとちょうど空と雲の間に真っ赤な太陽が顔を出しているのが見えた。その景色はこれから始まろうとしている旅が素晴らしいものになると教えてくれているようだった。どこへ行くか、いつ行くか、何で行くか、何を食べるか、旅は選択の連続。その選択の一つ一つが5分後、数時間後、明日、そしてそのずっと先の景色に直結していることを日常より一層強く実感する。直感に従い選んだ道の延長で出会う景色たちがその答え合わせのよう。自分はいるべき場所にいる、全て正解。そんなことを確信させてくれたブラジル、ペルー、メキシコへの3ヶ月の旅。
初めての南米はとても広くて、行きたくても行けない場所もありました。自分が行ける範囲、その時にいる場所を大切にできたら「あーあっち行きたかったな」と思わず、目の前にない現実を羨んだりすることもないのではないか。それなら今自分がいる場所、手の届く範囲で起きていることに集中して写真を撮り続けるしかないと悟った旅でした。SNSで誰がどこにいるか、どこで何が起きているかとすぐ情報が流れてくるここ数年は特に、自分の居場所があっているのか、人と比べたり自分を疑ったり自信がなくなったり様々な感情が溢れ出てくるようになったと思います。でもそんなざわつく自分の内面を落ち着かせ、いるべき場所に自分はいるんだ、これまで自分が歩んできた過去の延長に現在があり、そして未来があるとわかると、自ずとざわつきと心配は消え、今に集中できました。写真はその場にいないと撮れないもの。自分の意識さえ拡張できれば今まで気づきもしなかったすでに目の前にある景色に気づき、尚且つ偶然のような場面に必然的に遭遇しその瞬間を収められるという、とてもシンプルなことを改めて強く確認する旅となりました。 今回展示する写真は全てフィルムで撮影したものです。やり直しのできないフィルムの感覚が好きで、旅にはフィルムカメラと何十本ものネガフィルムを一緒に持っていきます。その一瞬にかけて撮るのでネガを見ても同じ被写体の写真はほぼありません。撮りたいと思っても撮れない写真もあるけど、それはそういうこととして受け入れ、撮れた写真を最大限に使う。この精神はこの展示のタイトル、そして人生にも通じていると感じています。できなかったことを後悔したりするのではなくできることを見つける。そして今自分がいる場所でできる事が何かを考えその状況を最大限に活かす。作為せずそのままを感じ受け入れる。作為せずとも自分の思い込みや不要な概念を手放せば、可能性を見出し自分と、その状況のポテンシャルを最大限に引き出せると信じています。
Miyu Fukada
2012年アメリカ・NYにダンス留学中、ガラクタ市で見つけた$10のフィルムカメラで写真を撮り始める。2015年、東南アジアへ5ヶ月間の旅へ出て、帰国後2016年より毎年写真展を開催。 ヨガインストラクター、通訳、翻訳などの仕事を経て、現在は主にフォトグラファー、ライターとして活動。これまでwarp magazine、anna magazine、Hidden Champion、<X girl(エックスガール)>、<Nike(ナイキ)>、LUMINEといったメディアやブランド、企業への撮影、執筆、クリエイティブディレクションなどを行う。2020年には父の屋号を受け継ぎプロジェクト「Dirt Supply」を始動。飾らない直感的な写真が特徴。
miyufukada.com
Instagram:@miyufukada