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大江マイケル仁が手がけるCOGNOMENが2023年秋冬コレクションをランウェイで発表、テーマは“Fight for”

Feb 14, 2023
過去の出会いと現在の出会いから、新たな人間像を創造し、COGNOMEN=愛称をつけたくなるようなモノづくりを目指す<COGNOMEN(コグノーメン)>が、2023年秋冬コレクション“Fight for”を秩父宮ラクビー場にてランウェイ形式で発表した。

大江マイケル仁が手がけるCOGNOMENが2023年秋冬コレクションをランウェイで発表、テーマは“Fight for”

Feb 14, 2023 - NEWS
過去の出会いと現在の出会いから、新たな人間像を創造し、COGNOMEN=愛称をつけたくなるようなモノづくりを目指す<COGNOMEN(コグノーメン)>が、2023年秋冬コレクション“Fight for”を秩父宮ラクビー場にてランウェイ形式で発表した。

 

AUTUMN/WINTER 2023 “Fight for”

もっとも平和的な戦いに熱狂する老若男女のサッカーサポーターの群像。人々が繋がり、寄り添い、励まし合う光景は、COGNOMENの根本にあるデザイナーの視野をまざまざと物語っています。 “Fight for your glory(己の栄光のために戦え)” というスローガンを、大江マイケル仁は、自身の複合的な出自や生まれ育った環境、世界各地で体感したあらゆるシーンを反芻した、声ならざるステイトメントとしました。

あらゆる文化は単一でなく、ましてや一元化することができない多文化という無国籍のアイデアは、彼にとって極めて自然な、そして、分断の時代にこそ眼差しを向けるべきこととして捉えています。「平和な国に見えても闇はあり、戦争下にある国にも光がある」と大江は言い、「偏狭にならず、さまざまな文化を正確に理解し、自分なりの表現にすること。それが僕にとってもっとも大事なこと」なのだと明言します。そして、2023年秋冬コレクション「Fight for」では、瞬間の高 揚が長い闘いによって生み出されたり、変わらず夜はやってくるが次には太陽が降り注ぐように、「Fightを終わらせるためのFight」に光明をみたのです。ピースマークのグローブが軍用のMA-1とドッキングしたことは、平和へのメッセージなのはもとより、COGNOMENが見出す曖昧な二面性 を象徴しています。

英語やポルトガル語に加え、ナイジェリア・ピジン語などの南半球の国と地域の言語が描かれた シャツコートによるキックオフにあしらわれたのは、幼少よりデザイナーの嗜好の中心にあるフットボールのエッセンス。ブランドの始まり以来、デザインを推し広げる欠かせないフィールドの一つ です。スタジアムを埋め尽くす人々の姿は、カットソーのプリント、ブランドにとってベーシックな コート、ジャケット、トラウザーズとしてジャカード織のデニムファブリックで描かれました。サッカー マフラーをはじめとしたサポーターの服装は、ユーティリティとスポーティなムードを品のあるファッション表現にまで昇華し、勝利の笑顔と惜敗の涙が共有する“眩しさ”は反射する透明の糸 を織り交ぜたニットウェアに宿りました。これまでのコレクションに装飾的な記号として登場してきた「11」というエースナンバーはウェアの構成そのものにまで浸透していき、11色のオリジナルの糸で編み上げたニットシリーズに。特定することも、断定することもできず、人によって認識する色 味が違うことを肯定したアプローチは、外見から内面への、必然的な視点の移行を示しています。 カットソーやシャツの技法からインスパイアされるニット製法の多元的な更新は、COGNOMENの オリジナリティと深く結びついています。

海を渡って日本で眠っていたイタリア製のデッドストックの、なめらかな素材感が特徴のスーツファブリックは、セットアップをベースにしたスーチングシリーズに。ブラックとエンジ、グレーとライトブルーのカラーパレットがおりなすトラッドなピンストライプは、リラックスしたシェイプと拘束感を取り除いたボリュームで仕立てられ、コレクション全体に通じるオプティミスティックなルックスに気品を与えています。共地で作られたキルトスカートは新たにコレクションに加わった “伝統的” なアイデアで、大きくあしらわれたロゼット(円花飾)は「Fight」の先にある世界を飾る、セレブレーションのシンボルです。

ことに大江は、自身がたびたび訪れた南半球のカルチャーに影響を受けていると語ります。同時に、ファッションの潮流が北半球にあることに、長く疑問を持ち続けているのだと言います。地政学 的な違いにとどまらず、ステレオタイプを飛び越えながら、「(多)文化」を正確に見出し、「多文化 に作る」という軽妙な表現は、COGNOMENの永遠のテーマなのです。「大きなスローガンを掲げ、 たくさんの人の目にうつり、それぞれの解釈が生まれてほしかった」と言い、新しい視点の発見、 必要な反抗、意義のある変化が未来に向かっていくえにも連鎖することを期待するように、「それがランウェイショーを決めた一番の理由」なのだと語り添えました。この夜、スタンド席からみえた 光景は、人それぞれ異なっていたに違いありません。

Design: Gene Michael Oe
Show Direction: SHIGE KANEKO CO.,LTD. Styling: Shohei Kashima in W inc.
Casting Direction: Kosuke Kuroyanagi in VOLO Hair Direction: Mikio
Make-Up Direction: Kazuyuki Matsumura Photography: Genki Nishikawa in mild inc. Movie Direction: Genki Nishikawa in mild inc. Music Direction: Early Saisoku
Translation: Patricia Daly Oe
Press: Keitaro Nagasaka in Sakas PR

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