GUCCI 2027年春夏コレクション —— GUCCIのブティックでは、なりたい自分になれる。デムナが描いたラグジュアリーの新境地
Images Courtesy of Gucci
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メンズウェアは、身体に沿ったシャツにジャケットを重ね、クロップドパンツに素足でローファーを合わせたスタイルから始まった。続くテーラリングにはストーンウォッシュ加工を施した生地が使われ、肩には鋭く立ち上がるパゴダショルダーが現れた。さらに、丈を短くしたパフ状のアウターには、細身で腰まわりにゆとりを持たせたデニムが組み合わされた。ジャケット、デニム、ローファーという馴染みのあるアイテムも、肩の高さや着丈、ボリュームが変わることで、着る人の印象まで大きく変わっていく。
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ウィメンズウェアでは、乗馬服のニュアンスを持つブルジョワ的な装いから、シャープなパンツスーツやスカートスーツへと進み、メンズライクなシャツ、ラグビートップス、タータンやレザーを使ったAラインスカートが続いた。特に目を引くのが、ラグビートップスとAラインスカートの組み合わせだ。スポーティなトップスとシャープにプリーツを取ったスカートが同じルックに収まり、二つの服が持つ性格が一つのスタイリングの中で交わる。<GUCCI>のブティックに並ぶ服の幅が、そのまま人物の幅へとつながっていた。
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ホースビットやバンブー、ローファーといった<GUCCI>のシグネチャーも、スタイリングの中で大きな役割を担っている。ホースビットはサイズを変えながらベルトやバッグに使われた。腰に大きく連ねれば、ホースビットはジュエリーのような華やかさを持つ。バッグに使えば、端正な装飾として映る。同じモチーフも、大きさや配置によって、そのルックが見せる人物像を変えていく。<GUCCI>が長く受け継いできた要素も、組み合わせ方によって、それぞれ異なる人物像をつくる一部になっていた。
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ここで、「The Store Show」というタイトルが効いてくる。ブティックには、ジャケットもデニムも、ローファーもスティレットも、昼の服も夜のドレスも並ぶ。訪れた人は、その中から服を選び、組み合わせ、自分の身体に重ねる。同じ場所にいながら、選ぶものによってまったく違う姿になれる。
デムナは今回発信されたレターで、<GUCCI>は「アリストクラシーとポップカルチャー、フィレンツェとハリウッド、グッドテイストとバッドテイスト、ヘリテージと大衆的な欲望、帰属と反逆の間を行き来するブランド」だと記している。その言葉を体現するような服が今回のショーには並んでいた。端正なスーツも、デニムも、ラグビートップスも、ランジェリーも、イヴニングドレスもある。その一つひとつが、違う人物の姿へとつながっていく。
ショーの終盤には、流れるようなイヴニングウェアが続き、最後には「gravity」ドレスが登場した。ティアドロップ型のウェイトが吊り下げられ、その重さによってドレスのラインがつくられている。クロップドパンツとローファーで始まったショーは、最後には身体を包むイヴニングドレスへたどり着く。
デムナは<GUCCI>について、「よりグラマラスな世界に属したいという欲望」と「その世界を自分自身のイメージにつくり変える大胆さ」に根ざすブランドだとも語っている。さらに、創業者グッチオ・グッチが働き、ラグジュアリーへの憧れやインスピレーションを与えた「サヴォイ・ホテル」を、アリストクラートやアーティスト、クリエイターなど異なる世界の人々が集まる場所として挙げ、今日の<GUCCI>のあり方と重ねていた。
「The Store Show」で、その考えはブティックという空間で表現された。店に並ぶ服を選び、自分の身体に重ねることよって、着る人は別の人物へと姿を変える。同じ<GUCCI>の中で、いくつもの自分を行き来する。「The Store Show」でデムナが描いたのは、ラグジュアリーを通して、なりたい自分を選べる<GUCCI>だった。
- Edit & Text : Yukako Musha(QUI)

















































