コレクションを彩る音楽に注目!あのブランドが起用したアーティストを調査!vol.4
コレクションに彩りを加える音楽は、視覚だけではなく、聴覚でブランドイメージやシーズンテーマを感じ取ることができる重要な役割を担う。
脳裏に焼き付いたコレクション音楽が脳内で鳴り始めることを契機にして、当時のコレクションを思い返すことも多々あるはず。
コレクションに欠かせない音楽。あのブランドは、誰をどのような思いで起用したのかを掘り下げていく。
今回は、Rakuten Fashion Weekでコレクションを発表した3ブランドに話を聞いた。
若狭 真司(未音制作所)ー YOKE 2023AW COLLECTION / IRENISA 2023AW COLLECTION
1984/04/14生まれ。作曲家/アーティスト。
CM・映画音楽、ファッションショーやアートエキシビションへの作品提供や制作を行う。自身のアーティストワークにおいては静けさと抑制を意識しながら、響き/テクスチュアに根差した音と音楽の強度を信条とし、これまでに Rottenman Editions Label(Spain),Archives(Spain),Inner Ocean Record(Canada),Fluid Audio label(UK)等多数の海外レーベルから作品をリリースする。近年はテーマである死と音楽の物質性に対して、場を用いたアプローチを試みている。
YOKE デザイナー 寺田典夫
「音響個展なども行うアーティストである若狭さんにお願いをして今回で2回目になります。今回も滑走路というランウェイのコンセプトと自分の目指したい方向性を汲んで頂き、さらに自分のイメージを超えるストーリー性のあるクリエイションがとてもブランドしてはありがたい存在です。10分以上ある長いランウェイを最後まで飽きさせず、更に気持ちを揺さぶるような音楽に今回のランウェイもとても助けられました。本編はオープニング〜終盤まで、全てオリジナルの3トラックになります。中盤に楽曲が切り替わるタイミングで、George GershwinのRapsodi in blueをサンプリングしてグリッチエフェクトをかけたサンプルをミックスしています。フィナーレはImogen Heap/Hide And Seekをセレクトしました。」
IRENISA デザイナー 小林 祐 / 安倍 悠治
「23-24FWのショー音楽では、私たちが常にインスピレーションを受けている”自然”と、今シーズンのキーワードである”手の業”を元に、風に揺れる葉音や鳥の声などの自然音、人が雪の上を歩くきしみ音や弦楽器など人と自然の共存音、人工的な電子音やノイズを、会場の上層4.1ch+地上4.1chのサウンドシステムでグラデーションを描くように音楽を制作して頂きました。」
中野公揮 ー stein 2023AW COLLECTION
中野公揮
1988年福岡市生まれ。3 歳よりピアノを始める。 桐朋女子高等学校音楽科(共学)ピアノ専攻を卒業。東京芸術大学作曲科中退後パリを拠点に活動している。これまでに舞台音楽、ファッションショーの作曲を手がける。2013年より自身のバンドGas Lawを結成し、全曲作曲、編曲を手がける。2014年、東京FMジングル制作。パリ日本文化会館にてソロリサイタル開催。フランス/バルビゾン市主催”Festival international de Barbizon”のオープニング曲作曲。ブタペスト/ステファニアパロタ城、パリ/ルーブル美術館にてソロ演奏。
stein デザイナー 浅川喜一朗
「ブランドでは初めてのショーということで、ブランドの大切にしている表現していきたい部分が色濃く出るような音を探していました。静謐で強い、美しい音を探していたところ、ショーディレクターの籠谷さん(VISIONS AND PARADOX)に聴いてみたらとお話を伺い、映像で拝見したのが、中野公揮さんとVincent Segalと共演した「Introduction I」のOfficial Videoでした。一音一音の洗練された音、強さ、緊張感。全体の空気感はミニマルでありながらダイナミックでコンテンポラリーな空気感。すぐにアルバム「Lift」を探し、聴き入りました。ベースとなる表現の軸、強さを感じると同時に、表現の余白のような先にある広がりの部分を感じ、この度のショーのテーマ「FURTHER」に通じるところ、ブランドで表現していきたい静謐で強い美しさを感じ、この度のショーの会場、空気感のイメージに合う、「Introduction I」「Supposed To Be a Mistake」の2曲を使用させていただくことになりました。」