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自分たちのリズムを刻んだJordan Brandとのコラボ|NÒMARHYTHM TEXTILE 野口真彩子&佐々木拓真

Sep 2, 2026
2005年から始動した<NÒMA t.d.(ノーマ ティーディー)>が、20周年を迎えた2025年に<NÒMARHYTHM TEXTILE(ノーマリズム テキスタイル)>とブランド名を変更。さらにファーストコレクションから20年目となった2026年に、Jordan Brandとのコラボレーションを発表した。どちらも節目を飾るプロジェクトに違いないとデザイナーの野口真彩子と佐々木拓真に話を聞くために、週末営業のみという表参道の「NÒMARHYTHM TEXTILE WEEKEND STORE」を訪れた。しかしQUI編集部の推測とは裏腹に、20年目というのは偶然に過ぎず、自分たちの「RHYTHM」に自然に導かれた取り組みであった。

自分たちのリズムを刻んだJordan Brandとのコラボ|NÒMARHYTHM TEXTILE 野口真彩子&佐々木拓真

Sep 2, 2026 - FEATURE
2005年から始動した<NÒMA t.d.(ノーマ ティーディー)>が、20周年を迎えた2025年に<NÒMARHYTHM TEXTILE(ノーマリズム テキスタイル)>とブランド名を変更。さらにファーストコレクションから20年目となった2026年に、Jordan Brandとのコラボレーションを発表した。どちらも節目を飾るプロジェクトに違いないとデザイナーの野口真彩子と佐々木拓真に話を聞くために、週末営業のみという表参道の「NÒMARHYTHM TEXTILE WEEKEND STORE」を訪れた。しかしQUI編集部の推測とは裏腹に、20年目というのは偶然に過ぎず、自分たちの「RHYTHM」に自然に導かれた取り組みであった。

自分たちが心地いいリズムでモノづくりをしていく

—ブランド名を変えた際に「RHYTHM」という言葉が新たに加わりましたが、これにはどのような意味を持たせたのでしょうか。

野口:前身の<NÒMA t.d.>の始動は2005年で、ファーストコレクションは2006年の春夏でした。

佐々木:ブランド名を変えたのは2025年だったので、立ち上げからちょうど20年目でしたね。

野口:ブランド名を変えるとなって、これまでの活動を振り返りながら「何を大切にしてきたか」、「どこに軸足を置いてきたのか」と二人でいろいろなことを話し合いました。そこで「常に自分たちのリズムに沿って創作に取り組んできた」と確認し合えたことで選んだ言葉が「RHYTHM」でした。

—モノづくりにおいて大切にしている思想や考え方が「RHYTHM」ということなんですね。それをブランド名でも表現したと。

佐々木:そう捉えてもらっても大丈夫です。

野口:以前のブランド名は「t.d.」が「テキスタイルデザイン」を意味していたのですが、自分たちがファッションブランドとしてどこで勝負をするか明確にするために「TEXTILE」という言葉も同時に打ち出したんです。

—ブランド名を変えるのは認知度においてはゼロからのスタートになる可能性もありますが、どうして改名しようと思ったのでしょうか。

佐々木:これまでもメディアなどでの露出に積極的だったわけではないので、ブランド名がそこまで広く浸透していないというのが自分たちの認識でした。なので、改名することのリスクも深刻には考えていなかったというのが本音です。

野口:新たな決意表明のようなことで名前を変えたわけではないので、意味や意図についてこんなに質問されるとは思わなかったです(笑)。

—こちらとしてはブランドが20周年を迎えたことでのプロジェクトの一環に違いないと。

野口:周りからすると大きな決断のように見えるのかもしれないので、「このタイミングでの改名の理由は?」ってよく聞かれます。ですがブランド20年目での改名はたまたまです。

—自分たちにとっての最適なタイミングが20周年だったと。そこも「RHYTHM」だったんですね。

佐々木:心境やコンセプトの変化に伴う改名だと思いますよね。ですが20年目だったからというのは本当に理由ではないんです(笑)。ブランド20年目と改名が偶然のように重なっただけです。

—それでも同じような質問を続けさせてください(笑)。お二人にとって「RHYTHM」と「TEXTILE」というのを掲げたのはどのような想いがあったのでしょうか。

野口:自分たちのモノづくりというのはマーケットのリサーチありきではなくて、世の中のファッションの潮流に反していたとしても「今はこれがアリだよね」という肌感覚を大切にしています。なので、これからも自分たちにとって心地いい「RHYTHM」を基準にモノづくりをやっていこうというのは変わらないです。そして「TEXTILE」というのは自分たちのクリエーションの根底にあるものです。そこもブレることはありません。

佐々木:「RHYTHM」という言葉がブランドの何を表しているのかと聞かれてもひと言で説明することは難しいです。いろいろな意味で「ノーマらしさ」につながると思っています。

「RHYTHM」はコラボレーションアイテムの架空のチーム名としても採用された

—確かに<NÒMARHYTHM TEXTILE>のテキスタイルは柄の配置でも、色のグラデーションでも、そこにも「RHYTHM」がありますよね。

野口:「RHYTHM」は強い想いを込めて選んだ言葉ですが、それをどのように解釈してもらっても構わないと思っています。自由に捉えてもらっていいです。

ブランドとのコラボレーションは13年目にして解禁

—前身の<NÒMA t.d.>のことも、現在の<NÒMARHYTHM TEXTILE>のことも、コラボレーションでその名を知ったという人も多いと思いますが、ブランドの初期は「コラボレーションはやらない」というのを自分たちに課していたそうですね。

佐々木:コラボレーションというのはアイデンティティが確立しているブランド同士がやるからおもしろいと思うんです。それぞれのブランドらしさが融合し合うこともあれば、鎬を削ることもあり、そこで想像もしなかったようなプロダクトが生まれたりしますから。

—<NÒMARHYTHM TEXTILE>が「らしさ」を確立できたと思ったのは、ブランド設立から何年後ですか。

佐々木:10年以上はかかりました。「ノーマらしさ」のようなものが確立できていないうちにコラボレーションをすると相手に飲まれてしまうだけなので、自分たちでも慎重に見極めたかった。なので、それだけ時間もかかりました。

野口:確固たるブランドの世界観を生み出そうというのも「RHYTHM」を大切にしたかったからです。「まずは自分たちのモノづくりに集中しよう」とブランドの立ち上げ時にお互い確認しあって、初のコラボレーションは設立から13年後のことでした。

—「コラボレーションに踏み込んでも大丈夫」という基準のようなものはあったのでしょうか。

野口:それも明確な基準があったわけではなく、すごく感覚的ですね。

佐々木:「今の自分たちならコラボレーションでおもしろいことができそう」と思えたのがそのタイミングだったんです。

—機は熟したという感覚はお二人ともそのタイミングで一致したのでしょうか。

佐々木:しましたね。

野口:「何をするにしても急がない、焦らない」というのは二人に共通していることかもしれません。

—初のコラボレーションの相手は?

野口:<Stüssy(ステューシー)>と<NEEDLES(ニードルズ)>です。どちらのブランドもコラボレーションで「はじめまして」という関係ではなく、<Stüssy>はグローバルチームが毎年のように私たちのコレクションを見てくれていましたし、<NEEDLES>も10年以上も付き合いがあって、お互いのブランドについての理解度というのはコラボレーションの時点で深かったです。

—今回のJordan Brandとのコラボレーションも、一緒に取り組む前から関係性はあったのでしょうか。

野口:もちろんありました。私たちはブランドとは別でアートプロジェクトにも取り組んでいるのですが、そこのサポートを長年やってくれているのがNIKEのグローバルチームでした。NIKEとの関係も2019年から続いています。

—Jordan Brandとの取り組みでいえば2025年にエアジョーダン1の40周年記念イベントの際にファサードを担当されましたよね。

野口:あれこそアートプロジェクトの延長のような企画でインスタレーションを担当させてもらいました。「建物をラッピングする」というのがコンセプトだったのですが、実は過去に提案したんですけど実現しなかったんです。

佐々木:でも、いつか実現させたかったので再提案しました。そしたらOKが出て、しかもかなり大きな規模の作品となったので驚きでしたね。

—インスタレーションからプロダクトのコラボレーションへと発展したわけですが、Jordan Brandとの取り組みだからこそ意識したことはありますか。

佐々木:Jordan Brandのスポーティなウェアやグッズに<NÒMARHYTHM TEXTILE>が得意とする刺繍や染めなどのクラフトワークをどう落とし込むかというのは考えました。大切にしたかったのはJordan Brandらしさもあって、<NÒMARHYTHM TEXTILE>らしさも感じるバランスです。

—Jordan Brandにシンパシーを感じるからこそコラボレーションを受けたと思いますが、特に共感する部分はどこでしょうか。

野口:共感するのはマイケル・ジョーダンの生き様そのものですね。バスケットで偉大な功績を残しながら引退後は野球にも挑戦して、周囲から何を言われても簡単には諦めなかった。オープンマインドでありながら反骨精神もある。自分たちもそうありたいと思っています。

—プロダクトはそれぞれのブランドの「らしさ」を大切にしたということですが、どのようなプロセスを経て完成したのでしょうか。

野口:<NÒMARHYTHM TEXTILE>のインラインでの表現をJordan Brandのアイテムに載せたのが今回のコラボレーションです。なので初期の試作は<NÒMARHYTHM TEXTILE>の世界観が強かったのですが、そこからJordan Brandらしくブラックをメインカラーにすることで、それぞれのブランドの個性が活きるプロダクトを目指しました。

—コラボレーションをする上で大切にしていることはありますか。

野口:自分たちだけではできないことが実現でき、新しい世界が拓けるからこそコラボレーションをやる意味があると思っています。なのでデザインでも技術でも相手の得意なことを把握するようにしています。お互いを理解し合うことでチャレンジできることもありますし、それがコラボレーションの楽しさなので。

「Draw Your Garden」と重なったチームの在り方

—先ほどから「<NÒMARHYTHM TEXTILE>らしさ」という言葉が出ていますが、Jordan Brandとの取り組みで「らしさ」を落とし込んだ部分を具体的に教えてもらえますか。

野口:自分たちがJordan Brandに落とし込みたかったカタチやテクニックは、ほぼ受け入れてもらえました。ベースボールシャツの前合わせはアシンメトリーになっているのですが、これは<NÒMARHYTHM TEXTILE>のインラインでも展開しているデザインです。

佐々木:ツイストさせるというのはベースボールシャツではあまり見ないディテールなので独自性が出せると思いました。パンツもサイドのラインを見てもらえばわかりますが同じくツイストのテクニックを取り入れています。

野口:お題として「ベースボール」というのはあったのですがスポーツウェアを作るのではなく、「ベースボール」を出自としたアイテムをどうファッションにするかというのが自分たちの役割でした。そこで提案した<NÒMARHYTHM TEXTILE>が得意なテクニックを採用してもらえたので、すごくやりやすかったです。

—<NÒMARHYTHM TEXTILE>らしいテクニックはいろいろ候補があったと思いますが、ツイストに決まったのは何か理由はありますか。

佐々木:ピッチャーでもバッターでも野球って全身を捻る動作が多いですよね。なのでツイストという意匠がハマるんじゃないかって全員で話しているうちに決まりました。

野口:ツイストというのはまさに「捻り」であり、そこでプロダクトに強さを加えたのですが、<NÒMARHYTHM TEXTILE>が得意とするクラフトの技術もフラワーモチーフの柄も穏やかだったり、やさしい表情になりがちです。それをいかにJordan Brandらしくシャープに振り切るかというのは意識しました。

—シャツの背面に「RHYTHM SHOOTER」とありますが、これにはどのような意味があるのでしょうか。

野口:Jordan Brandのデザインチームから上がってきたのですが、シンプルに「いい言葉だな」って思いました。

佐々木:「RHYTHM SHOOTER」ってバスケットでコンスタントにゴールを決めるマイケル・ジョーダンのプレイそのものみたいじゃないですか。それをベースボールシャツに載せることでバスケットとのミックス感が生まれるような気がして採用したんです。

—バンダナには<NÒMARHYTHM TEXTILE>のシグネチャーである「Draw Your Garden」が採用されていますが、ブラックが基調なので強さを感じますね。

野口:ブラック、レッド、ホワイトというのは完全にJordan Brandを意識した配色です。「Draw Your Garden」は訳の通り「自分の庭を描きましょう」というメッセージで、「一人ひとりが自分らしさを表現してほしい」という想いを込めているんです。なので、今回のJordan Brandとのコラボレーションも「強いチームは⼀⼈ひとりの個性によってつくられる」というのがプロジェクトのストーリーになっています。

—「ツイスト」でも「RHYTHM SHOOTER」でもブレストから生まれた印象ですが、アイデアとしてはおもしろくても何でも採用するわけにはいかないと思います。そのあたりの匙加減はどうだったのでしょうか。

野口:アイデアを活かしつつプロダクトとしての完成度を高めるために、チューニングはかなり細かく気を遣いました。色、柄、ディテールのひとつひとつがきちんと意味と役割を持つように試作は繰り返しました。テキスタイルを武器とするブランドとして全体のまとまりは妥協しませんでしたし、そういうこだわりにもJordan Brand側は理解を示して協力してくれました。

佐々木:素晴らしいチームで仕事ができたという実感がありますね。

—かなり熱量の高かった取り組みだったようですが、Jordan Brandとのコラボレーションも20周年記念のコレクションというわけではない?

野口:違いますね。

—やはりそうなんですね(笑)。ですが何周年だから、何年目だからといつもと違うモノづくりをするお二人ではないというのはお話を聞いてすごく伝わってきました。

野口:Jordan Brandとの取り組みは<NÒMARHYTHM TEXTILE>と改名してグローバル展開では初のコラボレーションです。そういう意味ではひとつの転機かもしれませんが、ファーストコレクション発表から20年目に合わせたわけではないです。本当にたまたまなんですよ(笑)。

Collaboration Items

BOMBER JACKET

フローラルモチーフの刺繍やグラフィックアップリケ、襟部分の刺繍ディテール、そして総柄ライニングが施されており、<NÒMARHYTHM TEXTILE>のテキスタイルに対するアプローチを体現している。


JORDAN BRAND x NÒMARHYTHM TEXTILE ボンバー ジャケット
価格:¥52,030(税込)

JERSEY

斜めに配置された前⽴てや刺繍トリム、バンダナ柄のプリント、ダイヤモンドの刺繍モチーフなどを採⽤し、スポーツのヘリテージと現代的なファッションデザインが融合した1着。


JORDAN BRAND x NÒMARHYTHM TEXTILE SS ジャージー
価格:¥37,400(税込)

PANT

<NÒMARHYTHM TEXTILE>のシグネチャーであるツイスト構造を採⽤。ねじれたサイドシームやジャカードテープ、現代的なフレアシルエットを通じて、⽇常のスタイルに落とし込まれている。


JORDAN BRAND x NÒMARHYTHM TEXTILE パンツ
価格:¥20,680(税込)

SCARF


JORDAN BRAND x NÒMARHYTHM TEXTILE スカーフ
価格:¥6,930(税込)

HAT


JORDAN BRAND x NÒMARHYTHM TEXTILE ハット
価格:¥10,340(税込)

発売 & ポップアップ情報

発売情報

「Jordan Brand x NÒMARHYTHM TEXTILE コレクション」は、2026年9⽉4⽇(⾦)から6⽇(⽇)までNÒMARHYTHM TEXTILE WEEKENDSTORE、9⽉12⽇(⼟)よりDOVER STREET MARKET GINZAGR8にて発売予定。
また、本コレクションのポップアップが9⽉5⽇(⼟)から6⽇(⽇)までStandByにて開催する。

ポップアップ情報

会場内に花々で彩られたGardenを設け、コラボレーションアイテムの展⽰を通して、「Jordan Brand x NÒMARHYTHM TEXTILE」の世界観を体感できるインスタレーションを実施する。

⽇程:2026年9⽉5⽇(⼟)〜 6⽇(⽇)11:00-19:00
会場:StandBy
住所:東京都渋⾕区神宮前5丁⽬111
※StandByでの商品販売は行われない。

NÒMARHYTHM TEXTILE

2005年、野口 真彩子と佐々木 拓真によってスタート。ハンドドローイングを活かした個性的なテキスタイルと日本を始め海外で出会った伝統技術に新しい視点を加え、コンテンポラリーなコレクションを展開。ブランドのデザインスタジオでは、テキスタイルから派生した家具やオブジェなどのプロダクト製作も行う。また2人のキュレーションによる写真家やペインターなどの展覧会を数多く行い、アートブックの出版も手がける。

Webサイト:https://nomarhythmtextile.com/
Instagram:@nomarhythm_textile

  • Photograph : Yohei Ohno
  • Text : Akinori Mukaino (BARK in STYLE)
  • Edit : Shun Okabe/Yusuke Soejima(QUI)

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