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岡﨑龍之祐の個展「Falling Sun」――崇拝と畏怖のはざまに立ち上がる金色の光、AKIINOUEで10/4(土)より開催

Oct 3, 2025
AKIINOUE(東京・代官山)にて、岡﨑龍之祐の個展「Falling Sun」が2025年10月4日(土)から11月1日(土)まで開催される。黄金色のベロア彫刻によるインスタレーションが広がり、太陽をめぐる祈りと記憶が交差する空間が立ち上がる。 (PHOTO:《Falling Sun - Lumina》 2025 H200 x W150 x D30 cm Velour fabric, Polyester bone, Plastic (ABS) rod ©︎Ryunosuke Okazaki Courtesy of AKIINOUE)

岡﨑龍之祐の個展「Falling Sun」――崇拝と畏怖のはざまに立ち上がる金色の光、AKIINOUEで10/4(土)より開催

Oct 3, 2025 - NEWS
AKIINOUE(東京・代官山)にて、岡﨑龍之祐の個展「Falling Sun」が2025年10月4日(土)から11月1日(土)まで開催される。黄金色のベロア彫刻によるインスタレーションが広がり、太陽をめぐる祈りと記憶が交差する空間が立ち上がる。 (PHOTO:《Falling Sun - Lumina》 2025 H200 x W150 x D30 cm Velour fabric, Polyester bone, Plastic (ABS) rod ©︎Ryunosuke Okazaki Courtesy of AKIINOUE)

一見すると、滑らかに輝く金色の彫刻は崇拝や祈りを思わせる。自然の循環を支え、生命を育む太陽のイメージが強く立ち上がるからだ。しかし岡﨑は、その光をただの神聖さとしては提示しない。そこには、原子爆弾の閃光を「人工の太陽」として重ね合わせる、もうひとつの記憶が潜んでいる。 

布は肌に触れ、記憶を包み込む最も身体に近い素材。そしてその布を覆う金色は、神聖さと栄光を放ちながら、同時に死や贖罪、永遠への希求をも孕む象徴となる。岡﨑は、この素材と色がもつ二重の意味を軸にして、「沈む太陽/落ちる太陽」というさらに別の両義性を重ね合わせる。

「Falling Sun」――沈む太陽は自然の循環を支え、落ちる太陽は破壊の記憶を刻む。その二つの像が交差するとき、祈りと畏怖、再生と破壊がひとつの光景に浮かび上がる。滑らかな金色の彫刻が、その狭間を漂う時間を静かに広げていく。

展覧会風景

展覧会風景

展覧会風景

展覧会風景

この光景は、恐怖を刻むための記録ではなく、未来へ光を手渡すための場でもある。布と色に託された崇拝と恐怖の両義性が、静けさのなかで観る者の記憶を呼び覚まし、新しい時間へと紡がれていく。

最後に立ち上がるのは、神聖さと破壊を同時に孕んだ太陽。その矛盾を抱えながら、観る者の中に未来への光が芽吹いていく。

【作家プロフィール】
岡﨑龍之祐
1995年広島県生まれ。2021年、東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻修了。東京を拠点に活動。2021年・2022年にランウェイショーを開催。2024年、NANZUKA 2Gにて個展「Jomon Echoes in the Anthropocene, curated by AKIINOUE」を開催。メトロポリタン美術館(ニューヨーク)「Sleeping Beauties: Reawakening Fashion」(2024)やヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)「JOMONJOMON」(開催中)で作品が展示・収蔵。今年は大阪中之島美術館「日本美術の鉱脈展 未来の国宝を探せ!」に参加。アートとファッションの領域を往還しながら、布による彫刻表現を深化させている。
Instagram:@ryunosuke.okazaki

【開催情報】
展覧会名:Falling Sun
会期:2025年10月4日(土)– 2025年11月1日(土)
会場:AKIINOUE(〒150-0034 東京都渋谷区代官山町2−3 THE ROWS 2F
開廊時間:11:00 – 19:00
休廊日:日・月・祝
オープニングレセプション:10月4日(土)17:00 – 19:00
観覧料:無料
お問い合わせ:info@akiinoue.com/akiinoue.com
Instagram:@akiinoue_tokyo

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