「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s–1970s」7つの視点と14の住宅から“住まいの革新”を体感、9/20(土)兵庫県立美術館で開幕
本展は、20世紀を通して住まいを刷新してきたモダン・ハウスの挑戦を、7つの視点と14の住宅という二つの軸から読み解く構成になっている。
衛生・素材・窓・キッチン・調度・メディア・ランドスケープという7つの視点を通じて、建築家たちが未来の生活をどう構想したのかが浮かび上がる。また、ル・コルビュジエ「ヴィラ・ル・ラク」(1923)、ミース・ファン・デル・ローエ「トゥーゲントハット邸」(1930)、ピエール・シャロー「メゾン・ド・ヴェール」(1932)、土浦亀城「土浦亀城邸」(1935)、リナ・ボ・バルディ「カサ・デ・ヴィドロ」(1951)、菊竹清訓・菊竹紀枝「スカイハウス」(1958)、ピエール・コーニッグ「ケース・スタディ・ハウス#22」(1960)、ルイス・カーン「フィッシャー邸」(1967)、フランク・ゲーリー「フランク&ベルタ・ゲーリー邸」(1978)など14の住宅が時系列で紹介され、住まいの実験がどのように展開してきたかを示している。

藤井厚二 聴竹居 1928年 撮影:古川泰造

ピエール・シャロー メゾン・ド・ヴェール 1932年 撮影:新建築社写真部

リナ・ボ・バルディ カサ・デ・ヴィドロ 1951年

フランク・ゲーリー フランク&ベルタ・ゲーリー邸 1978年 ⒸFrank O. Gehry. Getty Research Institute, Los Angeles(2017.M.66)
建築家たちが時代の要請に応えて挑んだ実験の数々は、そのまま現代の生活基盤へとつながっている。いま私たちが享受している「快適さ」や「豊かさ」の背景がここに立ち現れる。
さらに、調度や写真・雑誌に描かれた「理想の住まい」のイメージにも光を当てる。展示を巡れば、あの名作家具から隠れた逸品に出会えるかもしれない。椅子や机、照明や食器には、建築家が素材や機能を探りながら暮らしの細部に注いだまなざしが宿り、いまも使われ続ける名作のルーツが見えてくる。家具やテキスタイルから日用品に至るまで、現代生活につながるデザインの源流をたどることができる。関連イベントも多彩に揃い、記念講演から子ども向けプログラムまで幅広い層に開かれた企画となっている。

マルセル・ブロイヤー 《サイドチェア B32》 1928年 ミサワホーム株式会社 撮影: 立木圭之介
窓辺に立ち、椅子に腰かけ、庭へひらく――建築家たちの想像力がいまの生活に重なり、日常に新しい視点が開ける。
【開催情報】
展覧会名:特別展「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s–1970s」
会期:2025年9月20日(土)- 2026年1月4日(日)
会場:兵庫県立美術館 企画展示室
休館日:月曜日[ただし、10/13(月・祝)、11/3(月・祝)、11/24(月・振休)は開館/10/14(火)、11/4(火)、11/25(火)、12/31(水)、1/1(木)は休館]
観覧料:一般 1,800円(前売・団体 1,600円)、大学生 1,000円(前売・団体 800円)、高校生以下 無料、70歳以上 900円(団体 800円)、障害者手帳等をお持ちの方(一般 450円/大学生 250円)
URL:https://www.artm.pref.hyogo.jp/