中村萌は、2012年に女子美術大学大学院美術研究科美術専攻を修了後、国内外で個展やグループ展を多数開催し、海外でも高い評価を得ている美術家である。楠の丸太を用い、心にひそむ姿かたちや、遠い記憶のかけら、植物や自然などをモチーフにした作品を制作。繊細な表情と静かな佇まいが、作品に独自の生命観をもたらし、素材の温かみが見る者の記憶を呼び起こし、どこか懐かしい感情を誘う。

（左）： 「Haze」 2025年 楠、油彩 H118x60x57cm （中央）：　「Drift」　2025年 楠、油彩 H67x35x31cm （右）： 「Still」2025年 楠、油彩　H52x23x23cm

本展では、作品や心、記憶と未来など、さまざまな“繋がり”をテーマに、新作を含む木彫と平面作品、合計約10点を展示。コロナ禍を経て変化した人々の繋がりやコミュニティの大切さを見直す契機として、来場者に「自身の中の繋がり」を静かに見つめ直すきっかけを提示する。

「Connect」　2025年　楠、油彩　H190x100x90cm

「Summit’s Prayer」　2025年　楠、油彩、真鍮　　H53x26.5x25cm

会期中の8月27日（水）には、作品と同じ形をした楠のプレートに彩色するワークショップや、中村本人によるトークイベントも予定。また、ギャラリー椿（東京・京橋）では関連展示「whisper whisper」も同時開催される。

目の前の木肌に耳を澄ませば、まだ言葉にならない繋がりが、静かに立ち上がってくるだろう。

【作家プロフィール】
中村 萌（なかむら もえ）
1988年東京都生まれ。2010年女子美術大学洋画専攻卒業、2012年同大学大学院修了。楠を素材とした木彫を中心に、国内外で精力的に個展・グループ展を開催。主な個展に「Like a Garden, Like a Home」（2023、ギャラリー椿）、「inside us」（2021、ギャラリー椿）、「GROWTH」（2020、台北・華山1914文創產業園區）などがある。

【開催情報】
展覧会名：中村萌「connect connect」
会期：2025年8月19日（火）～9月28日（日）
休館日：8月27日（水）
会場：ポーラ ミュージアム アネックス（〒104-0061 東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階）
時間：11:00～19:00（最終入場18:30）
観覧料：無料
主催：株式会社ポーラ・オルビスホールディングス
協力：ギャラリー椿
同時開催：「whisper whisper」（会場：ギャラリー椿、2025年8月19日～9月13日）
関連イベント：
・ワークショップ：8月27日（水）11:00～12:00／14:00～15:00、小学生対象（3年生以下保護者同伴要）定員各回8名
・トークイベント：8月27日（水）18:00～19:00、定員20名
※イベントはいずれも参加費無料・要予約。
詳細・申込は公式サイト（https://www.po-holdings.co.jp/m-annex/）にて。