中津川博之による個展「Phase」、自然の“変化する瞬間”を捉えた油彩作品の展覧会がLOKO GALLERYで開催中
中津川は、移り変わりをテーマに、風景、植物、鉱物など自然界のさまざまな事物を油彩で描いている。自身の経験に基づく風景をモチーフに、抽象的かつ鮮やかなグラデーションで再構成された作品群が並ぶ。

中津川博之《Transition Blossom#1》 2025, oil, linen, panel, 530×455×30mm

中津川博之《Transition Blossom#3》 2025, oil, linen, panel, 530×455×30mm
本展では、視点の変化によって色彩が揺らいで見える「Transition」シリーズ、無数の点描で水面の煌めきを表した「Reflection」シリーズ、山や海などの心象風景をパターン化した「Impression」シリーズなどを紹介。いずれも、中津川自身が試行錯誤の末に編み出した技法によって、一瞬たりとも同じではない自然の風景を一枚の画布に収めようとする試みである。

展示風景

展示風景

展示風景
本展に寄せて、美術評論家・岩垂なつき氏はこう述べている。
「中津川の制作の特徴を一つ挙げるとすれば、時とともに変化する自然の姿を『現象』として捉え、再現しようとしていることである。・・・夕焼けの空が暮れてく間合いに見せる紫色、林を映し出す水面が風でそよぐ瞬間、桜が散って次第に瑞々しい葉が芽吹く時、それは既存の時間の概念の中には回収しきれない、驚きと喜びを持って受け止められる一つの出来事として私たちの目の前に現れる。中津川が描こうとしているのは、朝や夜ではなく、春夏秋冬でもなく、ある変化に心が動いたその瞬間なのである。」
永遠ではなく、ただ一度だけの出来事としての風景を、中津川は描いている。
その静かな瞬間に、そっと立ち会ってみてほしい。
【作家プロフィール】
中津川博之(なかつがわ・ひろゆき)
1987年、長野県松本市生まれ。東京藝術大学絵画科油画専攻卒業後、同大学院油画修士課程修了。風景、植物、鉱物など自然を題材に、油彩画による視覚表現を探究している。代表シリーズに「Transition」「Reflection」「Impression」など。
【開催情報】
展覧会名:中津川博之「Phase」
会期:2025年7月11日(金)〜8月9日(土)
会場:LOKO GALLERY(東京都渋谷区鶯谷町12‑6)
開館時間:火〜土 11:00〜18:00
休館日:日・月・祝日
観覧料:無料
URL:https://lokogallery.com/archives/exhibitions/phase
Instagram:https://www.instagram.com/lokogallery/