TORAJIROの個展「Boys Just Want to Have Fun」、8/2(土)までAkio Nagasawa Gallery Ginzaで開催中
Sunshower, 727 x 910 mm
©︎TORAJIRO, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery
本展では、TORAJIROがこれまで一貫して描き続けてきた、社会的抑圧のなかで揺れる内面の葛藤や孤独、そして人と社会のあいだに静かに立つ動物たちのまなざしを描いた作品群が展示される。タイトルは1980年代のフェミニスト・アンセム「Girls Just Want to Have Fun」へのオマージュであり、ジェンダーの枠組みを超えた自由とアイロニーを内包する。
Baby Kittens Drinking Delicious Milk, 803 x 652 mm
©︎TORAJIRO, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery
アクリル絵具で描かれた作品には、鍛え抜かれた肉体を持つ青年たちが登場するが、その表情は決して笑っていない。沈黙のなかにある感情、繊細で複雑な“痕跡”が色彩によって浮かび上がる。彼らは視線を向け、時に逸らし、動物とともにたたずむ。その姿は、「ただ楽しみたい」という願いの背後にある深い葛藤を静かに物語る。
Stars In My Eyes, 910 x 727 mm
©︎TORAJIRO, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery
TORAJIROは、「セクシャルマイノリティとして感じてきた孤独や不安」を出発点に、絵画を通じて自身の心と社会の間にある緊張を描き出している。言葉ではなく、色と構図で伝えるその表現は、政治的スローガンのような直接性を避けつつも、観る者の感情に深く訴えかける。
Swim to the other side, 727 x 606 mm
©︎TORAJIRO, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery
展示空間には、新作を含む作品が静かに配置され、色彩とまなざしが「静かなレジスタンス」として観る者に語りかけてくる。日々の中で見過ごされがちな「楽しむこと」「愛すること」「正直であること」の大切さを、改めて問い直す機会となるだろう。
Oh My Deer, 727 x 606 mm
©︎TORAJIRO, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery
【作家プロフィール】
TORAJIRO
武蔵野美術大学造形学部日本画学科卒業後、ニューヨークに留学。帰国後はグラフィックデザイナーとして働きながら、デジタル作品や油彩、アクリル画を精力的に制作。セクシャルマイノリティとしての経験をもとに、鍛えられた肉体をもつ青年たちの内面の葛藤や孤独を描く。その傍らには、社会の中で揺らぐ彼らに静かに寄り添う動物たちの姿も描かれ、見る者に深い共感と余白を残す。柔らかなタッチと色彩が、静かで確かなまなざしとともに、見る者の感情をそっと揺らす。
公式サイト:https://torajiro.myportfolio.com
Instagram:https://www.instagram.com/torajiroart
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【開催情報】
展覧会名:TORAJIRO「Boys Just Want to Have Fun」
会期:2025年7月3日(木)〜8月2日(土)
開館時間:火曜〜土曜 11:00〜19:00(※土曜 13:00〜14:00はクローズ)
休館日:日曜・月曜・祝日
会場:Akio Nagasawa Gallery Ginza
住所:東京都中央区銀座4-9-5 銀昭ビル6F
観覧料:無料
公式サイト:https://www.akionagasawa.com/exhibition/boys-just-want-to-have-fun/