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BENTEN 2024、歌舞伎町で新たなアートナイトイベントが開催

Oct 17, 2024
2024年11月2日(土)、3日(日)、4日(月・祝)の3夜にわたり、新宿・歌舞伎町で新たなアートイベント「BENTEN 2024」が開催される。

BENTEN 2024、歌舞伎町で新たなアートナイトイベントが開催

Oct 17, 2024 - NEWS
2024年11月2日(土)、3日(日)、4日(月・祝)の3夜にわたり、新宿・歌舞伎町で新たなアートイベント「BENTEN 2024」が開催される。

この地は、戦後の復興期から多様性に溢れ、前衛芸術家たちが活動の拠点を置いてきた場所であり、現在も大衆文化の発酵床として存在している。また、新宿の街中には、バーや舞台、オルタナティブスペースなど民間による現代アート施設が点在し、新宿・歌舞伎町を拠点に活動するアーティストも多く存在する。しかしその一方で、美術史上重要な場所であるにも関わらずその認知度はまだ低いままだ。

芸術監督として「BENTEN 2024」に携わるのは、日本を代表するアーティストコレクティブであり、10年以上にわたり歌舞伎町でのプロジェクトを継続的に展開しているChim↑Pom from Smappa!Groupだ。彼らは3夜にわたって、王城ビル、新宿歌舞伎町能舞台、デカメロン、WHITEHOUSE、東京砂漠など、歌舞伎町エリアに近年続々とオープンしてきた個別のスペースをアートの生態系として繋げ、歌舞伎町界隈が既に独自の芸術地区として成立していることを可視化する予定だ。

今回のイベントでは、参加アーティスト・プログラムの第一弾が公開された。チェン・ティエンジュオによる個展を始め、Global Heartsがプロデュースする2夜のクラブからアーティストによる横丁イベント、街中で展開されるプログラムまで、歌舞伎町一帯が展覧会、パフォーマンス、音楽、フードなど、多様な表現の発酵床となる。

東京最後の歓楽街と言われ、現在日本で最も人が集まる歌舞伎町界隈が特異なアートの現場として世界に認知されること。その文化的・観光的インパクトは相当に大きいだろう。また、比類なき「夜の街」である歌舞伎町での芸術祭は、ホワイトキューブをベースにした画一的なアート界にも大きな影響をもたらすことだろう。

コンセプト
1. Art is in the pARTy
新宿区歌舞伎町は、その宴文化により、一夜限りの祝祭的な体験を提供するために、パーティーシーンを真髄としている。美術的な視点からも、新宿の戦後の歴史は、公共の場や雑居ビルで爆発するようなハプニングがステージとなる「ゼロ次元」、「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」、「新宿少年アート」、「状況劇場」などの一過性的・パフォーマティブなイベントが多く存在した。

歌舞伎町は物を売る街ではなく、体験、サービス、そして身体を売る街であるという特性が、新宿の表現の文脈と見事に一致している。現代のアートの現状でも、協働性や体験性が重視されている。

ドクメンタ15の芸術監督ルアンルパが掲げたテーマ「Make Friends, Not Art」は、作品や作家を最優先する考え方から、人間関係にアートをシフトさせるメッセージであった。実際、「パーティー」とは、祝宴だけではなく、結社、会、社交、政党、野外活動のグループなど、その意味は広範にわたる。

Chim↑Pom from Smappa!Groupが展開した「Art is in the pARTy」は、美術の普遍性への反論であり、現代のコレクティビズムを示すテーゼとも言える。ただし、これは「Make Friends, Not Art」からは逸脱し、「アートはパーティー(人間関係≒「make friend」)の中にある」という、芸術に人間関係の可能性を見出すステートメントである。

2. Peace
パーティーシーンはその快楽性から社会問題の温床になることもあるが、売上至上主義と結びつくとなおさらである。歓楽街はそのような批判の的となる一方で、祭りの文化は資本主義や権威主義とは一線を画したアナーキーなものばかりだ。特に60年代の「新宿フォークゲリラ」は権力に立ち向かい、反戦を叫ぶ伝説的なパーティーとして伝えられている。

これら政治的でラディカルな文化が受け入れられてきた背景には、歓楽街特有の包容力がある。1920年代の新宿がアナーキストやコミュニストが住む地域だったこと、戦後日本初の闇市が立ち上がった土地だったこと、新宿二丁目が日本最大のLGBTQ+タウンとして性の多様性を育んできたことなど、これらがその文脈を支えている。歌舞伎町は危険な側面を抱えつつも、自由を讃える発展を遂げ、マイノリティや他者との共生を体現していると言える。

「歌舞伎町から平和を」。これは、「夜の街」が自由を消費することで戦後民主主義に呼応してきたその一方で、一歩踏み込んで既存の平和のイメージを刷新し、当事者となることを意味する。ダークなイメージの歓楽街から発信されるこのメッセージは、その意外性が魅力となり、困難な時代への一つの提案となるだろう。

3. 芸術/芸能
歌舞伎町の名前は、戦後の焼け野原から復興を目指す過程で、地元住民が歌舞伎座を誘致しようとしたことに由来する。しかし、結果的に歌舞伎座は建設されず、名前だけが残された。歌舞伎や能などの日本の伝統芸能は、河原乞食から生まれ、吉原などの繁華街で育つという過去を持つ。そのため、現在の保守的な芸能とそのルーツとの間のギャップが、この歌舞伎町の名前の由来に強く反映されていると言える。

日本の芸能の起源については、古事記や日本書紀に記された神々の物語、特にアメノウズメによるストリップがその始まりとされている。太陽神・天照大神が岩戸に隠れ、世界が闇に包まれた際、神々は岩戸の前で宴を開き、アメノウズメが上半身を裸にして踊った。その勇ましい踊りによって、天照大神は岩戸を開き、世界に再び光を取り戻したという。

歌舞伎町の芸術について考える時、そこにはハイアートだけでなく、ポールダンスやドラァグ・クィーン、ストリップといった歓楽街の文化も含まれる。その理由は、花園神社を舞台にしたアングラ演劇や見せ物小屋など、過激な身体表現としての芸能が芸術に深い影響を与えてきたからだ。

芸術と芸能の再定義は、西洋的な視点だけでは理解しきれない日本独自の問題(信仰・エコロジー・社会的階級など)として、日本のアートシーンを揺さぶり続けている。今後、歌舞伎町のアートが世界に発信されることで、西洋と東洋の芸術の価値観の再定義が進む可能性がある。

4. タイトルの由来
歌舞伎町公園、通称「BENTEN」は、歌舞伎町の聖地として長年に渡り守られてきた。その名は、歌舞伎町弁財天に由来する。通常、芸能の神として知られる弁財天だが、同時に水の神でもあり、日本全国に残る水辺の名残を伝える存在として祀られている。

碑文には、「歌舞伎町は昔、大村の森と呼ばれ、広大な沼地が存在し、その周辺に弁天様が祀られていた」と記されている。1913年、上野の寛永寺から本尊を迎え、池を埋め立てた後も、この地に祀り続けられていた。しかし、大空襲で本堂は焼失し、信者である岡安たか子氏が弁天様を背負って避難した後、歌舞伎町の開発を最初に行った峯島家に移された。

戦後、町会長の鈴木喜兵衛が復興計画を立ち上げ、協力者と共に街の再建を進めた。そして、弁財天の敷地は元のまま保存することが決定された。さらに、弁天堂再建奉賛会を結成し、歌舞伎弁天を地域の守護神として永遠に崇めることを誓ったのだ。


芸術監督 Chim↑Pom from Smappa!Group
2005年に東京で卯城竜太、林靖高、エリイ、岡田将孝、稲岡求、水野俊紀によって結成されたアーティストコレクティブ、「Chim↑Pom」は、その活動を通じて時代のリアルを追究し、現代社会へ全力で介入したクリティカルな作品を次々に発表してきた。世界中の展覧会に参加するだけでなく、独自でも多種多様なプロジェクトを展開してきた。

結成当初から「個と公」を表象した「都市論」をテーマに、公共圏で多くのプロジェクトを展開。毒に耐性を持つネズミを捕獲する「スーパーラット」や上空にカラスを集めて誘導する「BLACK OF DEATH」、メンバーのエリイの結婚式をデモとして路上で行った「LOVE IS OVER」などのプロジェクトを展開してきた。また、自身のアーティストラン・スペースに公共のあり方を実践する「道」自体を敷地内に取り込んだ「Chim↑Pom通り」など、ストリートの可能性を拡張してきた。

2017年には、台湾で開催されたアジアン・アート・ビエンナーレでは、公道から美術館内にかけて、200mの道「Chim↑Pom Street」を敷き、公私を超えた独自のレギュレーションを公布。ブロックパーティやデモの場となり、伝説となった。

2018年には、東京オリンピックに伴う再開発の中で、建て壊される直前の歌舞伎町のビルで制作したプロジェクト「にんげんレストラン」を発表した。人々と場所性が混じり合うライブなアートイベントとして、社会にスポンティニアスな生き方を提示し、大きな影響を与えた。大量消費・大量廃棄による環境問題や、メンバーの人生自体をテーマにした作品などにも取り組んだ。

一過性のものとして消費せず/させず、多くのプロジェクトを書籍の刊行などによって議論の場やアーカイブを独自に創出。膨大なニュースの中で埋もれそうになってしまう事象への警鐘として、プロジェクトをさまざまな形に変容させながら継続している。

さらに、同時代を生きる他のアーティストたちや多様なジャンルの展覧会やイベントの企画など、キュレーションも積極的に行っている。そのプロジェクトペースの作品は、日本の美術館だけでなくグッゲンハイム美術館、ポンピドゥセンターなどにコレクションされ、アジアを代表するコレクティブとして時代を切り開く活動を展開中だ。
2022年4月、Chim↑PomはChim↑Pom from Smappa!Groupへと名前を改名した。
http://chimpom.jp/

参加アーティスト・プログラム第一弾
(日時、詳細、第二弾発表等は後日、ウェブサイト、SNSにて発表)


王城ビル:新宿区歌舞伎町1-13-2
https://ohjo.jp/
1964年の竣工以降、歌舞伎町の古参である王城ビルは、名曲喫茶、キャバレー、カラオケ店、居酒屋といったさまざまな業態を経験し、城を模した独特のデザインで多くの人々から愛されてきた。歌舞伎町の守護神である歌舞伎町弁財天(歌舞伎町公園)に隣接するこのビルでは、現在新たな交歓・交流の場を創出するためのアートセンター作りが進行中だ。

このアートセンターでは、現代アート、飲食、音楽、パフォーマンスなど多様なエンターテインメント・文化を発信し、創出・案内を行う予定だ。その一環として2023年9月から10月にかけてビル全館を使用したプロジェクト型展覧会「ナラッキー」が開催され、約1万8000名の来場者を集めて大きな反響を呼んだ。

次なるプロジェクト「BENTEN 2024」を通じて、王城ビルは「ナラッキー」(https://www.hellonaraku.com/)を超え、より一層街に愛される存在として、また街と人をつなぐ交歓・交流の場としての役割を果たすことを目指す。東京・歌舞伎町の文化と現代アートのハブとしての機能を担うために、どのような機能を持った場が必要か、今後検討を進める予定だ。


チェン・ティエンジュオ Tianzhuo Chen
王城ビルの2フロアを用いて大規模なインスタレーションを展開

アジアの音楽グループ、AsianDopeBoysの中心人物であるチェン・ティエンジュオの作品の特異性を一言で定義するのは困難だ。彼の作品は、境界線を巧妙に操りながら、様々な出来事や現象を取り扱い、衝突や融合、侵入や変異、揶揄や代替といったプロセスを繰り返す。それはまるで、境界を創り出し、そして破壊するような作業である。

かつては水泳選手だったチェンは、生と死の根源的な寓話や存在の底流に引き寄せられ、未知の土地の地殻変動の驚異を追い求める。彼の作品は、タントラの知識と未知の叡智を求め、観察し、描写し、収集し、造形し、設置し、編集し、編成し、創造し、ミックスし、リミックスするの過程を経る。

全てのプロセスは、人生のはかない美しさを知覚し、捉え、分かち合うための試みであり、それは魔術と恍惚そのものだ。
https://tianzhuochen.com/
(1人類学において通過儀礼の対象者が儀礼前の段階から儀礼完了後の段階に移行する途中に発生する境界の曖昧さまたは見当識の喪失した性状。)

GLOBAL HEARTS
2022年に惜しまれつつも閉店した渋谷の人気クラブ、Sound Museum VisionとContactを手掛けたGlobal Heartsが2夜間の特別イベントをプロデュースすることが明らかになった。このイベントには、Contactのステージに何度も立ってきたGoth-TradやJun Inagawaなど、東京の音楽シーンで欠かすことのできないアーティストが集まる予定だ。

日時:11月2日(土)22:00-5:00
イベントタイトル:BACK TO CHILL
出演者:
REBEL FAMILIA(HEAVY×GOTH-TRAD) (LIVE)
公安 -KOAN- (LIVE)
KILLER-BONG(BLACK SMOKER RECORDS)
EVE
100MADO
CITY1
MØNDAIGAI
HELKTRAM
GOTH-TRAD

日時:11月3日(日)22:00-5:00
イベントタイトル:Puzzle pre「We Are The Night」
出演者:
心源
Eichi Abe
Sound Brain
JUN INAGAWA
VC*

DOMMUNE
第二段プレスリリースにてプログラム詳細発表予定

アー横
東京の横丁が再開発ブームにより増え続ける中、新たな選択肢として注目されるイベントが開催される。アーティストやアートコミュニティが集結し、夜22時から朝まで王城ビルで飲食、パフォーマンス、物販を行う横丁イベントが計画されている。
このイベントは、ゆるい雰囲気で楽しむことを目指し、「出来る範囲」が理想とされている。そのため、商品が売り切れたり、店が早く閉まる可能性もある一方で、一晩中ゆったりと過ごせる見通しだ。美味しいものや楽しいことを追求する作家たちが出店を予定しており、独自の魅力を持つイベントになることは間違いない。


出店者:会田誠 11月2日(土)
今年の春、久々に絵を描いたというアーティストが、今年59歳を迎えた10月4日に大画面用のエスキースのような作品を制作していることを明らかにした。現在は、特定の工房と協力して、プラスティックのような素材を使った大きな立体作品を制作中だ。作品の発表は来年の春、西日本のある場所で行われる予定だ。


すすきの夜のトリエンナーレ 11月2日(土)
札幌国際芸術祭と同時開催の「すすきの夜のトリエンナーレ」が、展覧会閉幕後の夜の観光(ナイトタイムエコノミー)の新たな可能性を探り、国内外で活躍する作家と地元作家を紹介する場として、2014年と2017年に実施した。2020年は新型コロナウイルスの影響で中止となったが、2024年2月に3回目の開催が予定されている。本展では、歓楽街すすきのが持つ祝祭感や身体性、ジェンダー観を背景に、多様な人間のあり方を探求している。


オフラインサロン・ノーウェア 11月3日(日)
千葉県松戸市常盤平にあるオフラインサロンは、クサムラマッドラットによって運営されている。彼の目指すのは、インスタレーションを中心に、スイッチング・スクワット・カルチャー(SSC)を通じたトランス状態だ。これまでにも確かに革命的な瞬間を経験し、最高の瞬間を迎えるはずだった。しかし、一つの疑問が生まれた。「天国は、ずっと続けることができるのだろうか?」と。
クサムラマッドラットの考えるnowhere(ノーウェア)は「どこでもない」場所であり、「今ここに」存在する場所だ。それはつまり、「何もない」場所であり、「今しか存在しない」場所だ。天国がずっと続くような場所を創造することは可能なのだろうか?それとも、そのような場所は既に存在しているのだろうか?そんな疑問を抱きつつ、彼はローカルにゆるく集まる人々と共に、ドメスティック・パラダイスを創り上げようとしている。その中で、真の「ARTNATURE」を見つけることを目指している。


途中でやめる/山下陽光 11月3日(日)
「途中でやめる」という名前で知られる、低価格で低品質の洋服を大量生産し、販売している。スマートフォンの普及により、新たなビジネスモデルを開発し、収益を上げることが可能になった。その手法や結果を公開する書籍「簡単やんけ」も発行している。現在は、三軒茶屋生活工房で山下陽光の金儲け実験室を開催中で、12月26日までの期間限定である。


京島駅 11月3日(日)
「京島駅」とは、ヒロセガイが大きな古民家の看板の文字をイタズラして人が集まる仕掛けとして名付けられた。この古民家はコロナが発端で4年間、住みながら僕の人生を文脈にアーティストや仲間達で発展を続けている。京島と言う東京の下町で日々、希望を持って生まれて夢を持って終わるような公開プロジェクトだ。


新種のImmigrationsB+野宮真貴(音楽ライブ)
2023年の秋、新種のバンドがコミュニティ「新種のimmigrations」から誕生した。このコミュニティの長である遠山正道がポエトリーリーディングを担当している。また、ギターは澤田知子、ドラムはアンドレ詩生(16歳)親子が自宅スタジオでのジャムセッションをiPhoneのボイスメモで録音し、そのトラックにテルミンの街角マチコがエフェクトを使いこなし、大胆に重ねたサウンドを作り出している。さらに、森脇淳一が独自のバランス感覚でミックスし、オリジナル楽曲を次々とストリーミング配信している。


フード
tacos trap’ 11月2日(土)・3日(日)
全国にタコスを広めることを目指す新店が、新宿一丁目に登場した。この店のモットーは「タコスをよりおいしく!グルテンフリーで!」となっている。ここでは、定番のポーク・カルニータス・タコスやビーガン・タコスなど15種類のタコスが用意されている。さらに、メキシコ定番のカクテルやメスカルなども楽しむことができる。この新店にて、一人でも多くのお客様のご来店を心からお待ちしている。


beeteat 11月4日(月・祝)
料理愛好家の竹林店主が、自身で狩猟したジビエを使った料理を提供する新たな試みを開始する。インドカレー、発酵食品、マクロビオティックをベースに、2015年に「beet eat(世田谷区喜多見)」をオープンした竹林氏は、ジビエとスパイスカレー、ナチュラルワインを提供してきた。そして、その新たな挑戦として、2024年には東急プラザハラカドに「beeteatハラカド」をオープンする予定だ。竹林氏の新たな試みを体験する機会を、多くの人々が待ち望んでいる。


【WHITEHOUSE】
新宿区百人町1-1-8
https://7768697465686f757365.com/
Smappa!GroupのChim↑Pomメンバーである卯城竜太、アーティストの涌井智仁、ナオ ナカムラの中村奈央は、2021年にパスポート会員と一般客を対象とした半開半閉のアートスペースをスタートした。このアートスペースの建物は、1960年にネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ(ネオ・ダダ)の活動拠点として、また建築家・磯崎新の処女作として知られる「新宿ホワイトハウス」である。この建物は、ネオ・ダダのリーダー吉村益信の住居であった。


篠田千明 / Chiharu Shinoda
新作の演劇公演と展示
2004年に多摩美術大学の同級生とともに「快快」を設立したが、2012年に中心メンバーとしての役割を終える。その間、主に演出、脚本、企画を担当した。その後はバンコクに活動の拠点を移し、ソロ活動を展開した。現在は東京に在住し、美学校で「劇のやめ方」の講座を担当している。
2016年にはKyoto Experimentでマヌエラ・インファンテ原作の『ZOO』を上演した。2018年にはBangkok Biennialで「超常現象館」を主催した。2019年には台北のADAM artist labとマニラのWSKフェスティバルMusic Hacker’s labに参加した。
2020年にはYCAMとの共同制作でオンラインパフォーマンス『5×5×5本脚の椅子』を制作した。2022年には東京・板橋区の一軒家で上演された『no plan in duty』を演出した。
最近の活動としては、2023年にジョグジャカルタのマヤワンフェスティバルで『Mayokage/まよかげ』を上演した。
https://shinodachiharu.com/


新宿歌舞伎町能舞台
新宿区歌舞伎町2-9-18 ライオンズプラザ新宿2階
https://nohstage.com/
1941年に歌舞伎町に設置された「中島新宿能舞台」が、2022年にSmappa!Groupによって購入され、「新宿歌舞伎町能舞台」に改名した。この舞台では観世流能楽師であり重要無形文化財総合指定保持者でもある中島志津夫の謡・仕舞の稽古など、様々な伝統芸能の上演が行われている。また、文化観光コンテンツの創出を通じて、舞台は日本文化の発信地としての役割を担っている。
2022年には、「翁」という能の最古の演目をテーマにした展覧会「とうとうたらりたらりらたらりあがりららりとう」が開催され、大きな話題を呼んだ。この展覧会は渡辺志桜里が企画し、新しく改名した舞台で初めてのイベントとなった。


渡辺志桜里
渡辺志桜里+加藤眞悟+安田登+ドミニク・チェンによる新作能の映像インスタレーション
1984年に東京都で生まれ、2017年に東京藝術大学大学院を修了したアーティストが、人工的な生態系を創造する作品で知られている。水槽を利用した循環装置などで、生物全体の種の絶滅、保護、排除の関係性、生態系から見た国家という共同体、自然と人間の営みに対する独自の観察を表現している。
近年では、個展「BLUE」(SACS渋谷、2024年)や「久地良」(デカメロン歌舞伎町、2022年)などで作品を展示している。また、2024年11月からは資生堂ギャラリーで個展「宿(しゅく)」を開催する予定だ。
https://watanabe-shiori.tokyo/
https://www.instagram.com/shiori6876/


新宿二丁目某所
哲学者・千葉雅也が書き下ろし、荒川ナッシュ医展(国立新美術館)のインスタレーションに寄稿された短い戯曲『サマー・レンタル』を新宿2丁目で俳優たちが路上パフォーマンスの予定。

荒川ナッシュ医
1977年福島県いわき市生まれ。1998年からニューヨーク、2019年よりロサンゼルスに居住する米国籍のクィア・パフォーマンス・アーティスト。様々なアーティストと共同作業を続ける荒川ナッシュは、「私」という主体を再定義しながら、アートの不確かさをグループ・パフォーマンスとして表現している。現在、ロサンゼルスのアートセンター・カレッジ・オブ・デザイン、大学院アートプログラム教授。
https://www.a5rkw.com/
https://www.instagram.com/ei.arakawa.nash/


AWAKE & 歌舞伎町某所
新宿区歌舞伎町1-2-7 歌舞伎町ダイカンプラザ星座館 地下1階
https://www.smappa.net/shop/awake/
新宿・歌舞伎町でホストクラブや飲食店を運営している「Smappa!Group」は、2018年に新たなホストクラブをオープンした。さらに、2024年7月にはユ・チェンタの手による架空のホストクラブイベント「Fancy Fantasy! by FAMEME」を開催した。
BENTEN2024では、初の日本語シングル「Fancy Fantasy!」の一般公開を記念し、FAMEMEの歌声が夜の歌舞伎町に響き渡る。また、営業中のホストクラブの一部を観客に開放し、異性愛規範の疑似恋愛をクィアの視点から解きほぐすプログラムを実施する予定だ。


FAMEME
台北のアーティスト余政達(ユ・チェンタ)は、西洋のソーシャルメディアで生まれたインフルエンサー現象や、セレブによる文化トレンドを批判的に探求する活動を行っている。彼が2019年にニューヨークで生み出したキャラクター「クレイジー・リッチ・アジアン」は、アジアの果物の王様とも称される強烈な匂いを放つドリアンを家業として布教する姿で描かれている。
このキャラクターは、セレブリティ、起業家、デザイナー、歌手と多彩な顔を持つFAMEMEとして知られている。2019年から2022年にかけては、ニューヨークで「ドリアン美術館」、ソウルで「ドリアンジム」、台北で「ドリアン製薬工場」を設立し、事業を拡大した。
また、歌手としても活動を始め、台湾のラッパー春艷(チュンイェン)とのコラボレーションでシングル「Rub a Dub Charlie’s Angel in the Tub」をリリースした。さらに、ストリートウェアブランド「Durian Duty To Be Free」も手掛け、多方面での活動を展開している。
2024年には初の日本語シングル「Fancy Fantasy!」のリリースが予定されており、さらにマレーシアでの映画デビューも控えている。
https://www.fameme.online/
https://www.instagram.com/famemenyc/?hl=en


デカメロン
新宿区歌舞伎町1-12-4 2F
https://decameron.jp/
2020年に東京都新宿区歌舞伎町の中心地で期間を設け開廊。1Fに作品観賞前後で対話が生まれるようなbarを設けており、スペースに於けるインタラクティブ性の向上を担っている。


東京砂漠(旧芸術公民館)
新宿区歌舞伎町1-3-10T&Kビル3F
https://x.com/bartokyosabaku
https://sunadokei-sandbox.studio.site/
アーティスト会田誠が立ち上げたアートサロン・芸術公民館跡にて運営されている、アート愛好家が集うアートバー。4階にギャラリー砂時計を併設し、岡田裕子やトモトシが展示をしてきた。


トモトシ
新宿最ディープな会場の立地を活かしたサイトスペシフィックな展示。
山口県出身で、1983年生まれのアーティストは、大学卒業後数年間、建築設計や都市計画に取り組んできた。2014年からは自身の作品を展覧会で発表し始め、”人の動きを変容させるアクション”をテーマに映像作品の制作を行っている。さらに、2020年からはトモ都市美術館の運営を開始し、新しい都市の使い方を提案している。
彼の展示は、「tttv」(中央本線画廊、2018年)、「絶望的遅延計画」(TAV GALLERY、2023年)など、多数行われている。これまでの活動を通じて彼は、アートと都市計画の融合により新たな視点を提示し、観客の動きや行動を刺激してきた。
https://tomotosi.com/
https://www.instagram.com/tomotossi/


歌舞伎町エリア各所
歌舞伎町の隠れスポットを、音と声とを聴き歩く。スマートフォンから発せられる音に耳を澄まして、見えない風景を見る。ナレーションは岡田裕子。

岡田裕子
美術家。横断的な表現手法で自らの体験 ─ 恋愛、出産、子育て、介護─から着想した、社会へのメッセージある作品群、男性の妊娠を描いた「俺の産んだ子」、再生医療がテーマの「エンゲージド・ボディ」、自らの喪を体験するXR作品「Celebrate for ME」など。個人活動以外も「会田家」「W HIROKO PROJECT」「オルタナティブ人形劇団『劇団★死期』」等に携わる。2025年2月京都・春秋座でXRの劇場実験を予定。
https://okadahiroko.info/
https://www.instagram.com/hiroko10000/

キュレーター

Chim↑Pom from Smappa!Group
プロフィールは芸術監督紹介ページへ。


山本裕子
ANOMALYディレクター。老舗現代美術ギャラリーでの丁稚奉公を経て、2004年に独立、文豪の花街・東京神楽坂のワイルドな工場街に「山本現代」をオープン。以後白金、東品川のインダストリアルな倉庫街で活動。2018年、既存の枠にとらわれないギャラリーの運営スタイルを標榜し「URANO」「Hashimoto Art Office」とユナイトし「ANOMALY」を共同設立。アーティストと協働し、音楽、演劇、アートイベントなど野外活動も精力的に行う。


涌井智仁
1990年新潟県生まれ。美術家。音楽家。WHITEHOUSEディレクター・キュレーター。主な展覧会に「nonno」(8/ART GALLERY/Tomio Koyama、東京、2016)、「Dark Independants」(オンライン/都内某所、東京、2020)、「JUNK’S PORTS」(ANOMALY、東京、2023)、「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」(東京都現代美術館、東京、2024)


権祥海
東京都現代美術館学芸員。1990年生まれ。東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻博士課程修了。現代美術と舞台芸術を横断するキュレーション、執筆活動を主軸に、パフォーマンスにおける共集性、個人や共同体の社会実践を捉える。2022-23年みなと芸術センターアソシエート・リサーチャー、国際交流基金舞台芸術国際共同制作オブザーバー、さいたま国際芸術祭2023現代美術コーディネーター。

開催概要
タイトル:BENTEN 2024(英語表記: BENTEN 2024 Art Night Kabukicho)
芸術監督: Chim↑Pom from Smappa!Group
会期:2024年11月2日(土)15:00-5:00、11月3日(日)15:00-5:00、11月4日(月)15:00-24:00
(会場によって開場時間が異なる。公式WEBサイトやSNS等で確認できる。)
会場:歌舞伎町界隈一帯(王城ビルWHITEHOUSE新宿歌舞伎町能舞台AWAKEデカメロン東京砂漠 ほか)
公式ウェブサイト: http://benten-kabukicho.com
Instagram: https://www.instagram.com/benten2024_kabukicho
主催:歌舞伎町アートナイト実行委員会
連携:歌舞伎超祭2024
協賛:歌舞伎町商店街振興組合、遠山正道、東急歌舞伎町タワー
後援:新宿区、一般社団法人ナイトタイムエコノミー推進協議会
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【ライフウィズアート助成】
協力:KYOTO EXPERIMENT, Smappa!Group, ANOMALY

入場チケット
チケットは artsticker(10月上旬販売開始予定)または 会場窓口(王城ビル受付)で購入可能。
基本料金(1DAYチケット)
一般 3,000円
18歳未満 2,500円
中学生以下 無料
(上記チケット以外に、通しチケット等の販売を予定)

※一部プログラムは別途料金のお支払いが必要となる可能性あり。
※18歳未満の方は、条例により22:00~5:00の入場が不可。
※中学生以下の方は保護者の同伴が必要。
※新宿区内在住の方は一般料金より100円割引。受付にて証明書(運転免許証、保険証、パスポート等)を提示。
※障がい者手帳を持っている方とその同伴者(1名まで)については、無料となる。
※王城ビル、新宿歌舞伎町能舞台、デカメロン、WHITEHOUSE、東京砂漠にはエレベーターなし。フロア間の移動はすべて階段となる。
※当日に限り何度でも再入場可能。
※開場時間等に変更が生じる可能性がある。来場前に必ず公式WEBサイトやSNSにより最新の情報確認を推奨する。

個人協賛
「BENTEN 2024」の開催を支援する人を募集中
1口1万円(1DAYチケット付き)で協賛すると、会場内に飾る提灯へ名前を入れることができる。
10月上旬、チケット販売開始とともに募集予定。

プロジェクトメンバー
芸術監督:Chim↑Pom from Smappa!Group
歌舞伎町アートナイト実行委員会:卯城竜太、方山堯、手塚マキ、山本裕子、田島邦晃
キュレーター:Chim↑Pom from Smappa!Group、山本裕子、涌井智仁、権祥海
コーディネーター:方山堯、手塚マキ、田島邦晃
プロジェクトマネージャー:芦部玲奈
クリエイティブディレクター:イイヅカタイタン
デザイナー: 陣内良飛
webディレクター:もにゃ
PR:倉田佳子
エリアリレーション:柴本新悟、杉山文野、田中開、藤田佳祐

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