G-Star RAW がデニムブランドとして初めて綿花の温室栽培に成功
G-Starが最新のデニムイノベーション「Homegrown Denim(ホームグロウン・デニム)」を発表した。このイノベーションは、ヴァーへニンゲン大学・研究センターやDutch Cotton社との共同研究によるものだ。
G-Starの好奇心とイノベーションへの意欲は、ヴァーへニンゲン大学・研究センターとのパートナーシップにつながり、温室での綿花栽培の可能性を研究することができた。水と土地の使用を大幅に削減し、化学農薬を一切使用しない栽培方法で高品質なコットンを作り、サプライチェーンを劇的に短縮することで、綿花栽培に革新をもたらす可能性があるとG-Starのサステナビリティ責任者、レベッカ・サンチョは述べている。
オランダのブライスヴァイクにある研究施設では、温室栽培された綿花を6ヶ月間研究した。環境負荷を従来の方法と比較しながら、品質や収穫量、繊維の特性を調査。精密灌漑や再生可能エネルギーなどの環境への影響を軽減する方法を模索し、経済的な実現可能性や市場の可能性も分析した。
その結果、温室での綿花栽培は制御・保護された環境を提供することで、綿花の生産性と品質、および持続可能性を高め、屋外栽培に伴うリスクを低減できることが明らかになった。
G-Starが地域のサプライヤーと連携し、史上初めて、原料調達から製造までの工程をすべてオランダで賄うことができる、オランダ産のジーンズを製作した。これは温室栽培の綿花を活用したものである。綿繰りから紡糸、製織、縫製、染色、仕上げまで、各工程がすべてオランダ国内で完結している。サプライヤー間の移動には電気自動車を使用し、サプライチェーンをできる限り短縮し、環境への負担を最小限に抑えている。
G-Starのプロダクト責任者であるWilleke Hendriksは、「この研究をきっかけに、既存のデニム業界のあり方を新たに見直すことが可能です。私たちがやるべきことはまさにそれです。共に地球へのインパクトを減らすための、新しい効果的な方法を見つけ出していかなくてはなりません。だからこそ、G-Star がこのプロジェクトに関わり、デニムの未来につながる解決策を後押しすることは必然であり、必須でした。」と述べている。
また、今回の研究および提携は、より持続可能な綿花栽培に向けた前途有望な道のりの第一歩となり得る。G-Starはこのプロジェクトの第2フェーズも後押ししていく姿勢で、現在、ヴァーへニンゲン大学・研究センターおよびDutch Cotton社との連携の下、温室で新たに綿花の栽培が行われている。
第2フェーズでは、Inno Growers社と培地メーカーのGrodan社が新パートナーとして加わり、研究から実用的な綿花栽培と生産規模の拡大を模索する段階へ移行している。栽培方法の最適化に加え、1平方メートルあたりの綿花収穫量を1.2kgから2.2~2.5kgに増やすことが大きな目標だ。
その先のステップとしては、他の業界関係者にも協力を呼びかけ、共同投資や取り組みの規模拡大を推し進めていきたいと考えている。これによりインパクトをより大きなものとし、集団的利益のため、ファッション業界のサプライチェーンの再構築に寄与することを目指す。
キャンペーン:「Homegrown Denim(ホームグロウン・デニム)」
温室栽培綿花プロジェクトをより幅広い人々に知ってもらうため、G-Star は受賞歴を持つイラストレーター/アーティストで、2014 年の「Raw for the Oceans」キャンペーンでもタッグを組んだ、Christian Borstlap(クリスチャン・ボルシュラップ)、そしてクリエイティブディレクターの JorisKuijpers(ヨリス・カイパース)とタイアップした。「Homegrown Denim」のアニメーション映像は、視覚的な詩とアニメーションを通して、芸術的に調査結果を伝えている。
キャンペーンオフィシャルサイトはこちらから
About ヴァーヘニンゲン大学・研究センター
ヴァーヘニンゲン大学・研究センター(Wageningen University & Research)は、生活の質の向上を目指し、自然界の可能性を模索することをミッションとしている。ヴァーヘニンゲン大学・研究センター(WUR)は、根本的な知識と応用知識を組み合わせ、健康的な食や生活環境の分野において、重要な課題の解決に寄与することを目指している。オランダ国内に約30ヶ所に支所を置き、従業員数7,600名(正社員6,700名)、生徒数13,100名、生涯学習プログラムには150,000人以上が参加する WUR は、関連分野をリードする組織のひとつ。問題に対する統合的なアプローチと、複数の学科間の連携は、ヴァーヘニンゲンに特有な点だ。
About Dutch Cotton
Dutch Cotton B.V.は、持続可能な温室での綿花栽培において積極的なコットンメーカー。同社は、種から綿繰りまでの生産過程を監督し、綿花栽培における持続可能なプラクティスの実施を徹底している。綿繰りをした高品質な生の綿を紡績工場に届ける、というのが Dutch Cotton 社の主軸となるアプローチだ。温室綿花栽培の創始者である同社は、ヴァーヘニンゲン大学・研究センターとともに、綿花栽培における成長のための手順策定も行なっている。
このプロジェクトの参加パートナー:
Cotton & Ginning:Wageningen University & Research(Bleiswijk)
Dutch Cotton B.V.(Amsterdam)
Spining:Spinning Jenny(Nijverdal)
Weaving:Enschede Textielstad(Enschede)
Sewing and Trims:G-Star Headquarters(Amsterdam)
Sewing Threads:Liberty Threads(Rotterdam)
Dyeing: Blueprint Amsterdam(Lijnden)
Originals Label:EE Labels, Van Engelen & Evers B.V.(Heeze)
About G-Star RAW
1989 年の創業以来、G-Star はデニムを常に新たな視点で考えてきた。
「デニムはただの素材ではなく、アートである」ーその視点から生まれた「Art of Denim」の理念のもと、G-Starは絶え間なくデニムの限界を押し広げ、新たなデニムのあり方を追求している。それはクラフツマンシップやデニムへのアプローチを常に刺激し、進化させ、そこに関わる一人ひとりがアーティストの如く考え、創造性と独自性、偽りのない本物を追求する姿勢を促しているということ。芸術と文化の境地に足を踏み入れることで、G-Star はファッションの域を超え、デニム界において無限の可能性に挑戦し続ける独自の立ち位置を確立している。
G-Starが独自の地位を築いたデニムの世界に、限界はなく、デニムは人と地球をリスペクトし、前進していくための力となる。
G-Starは長年、カーラ・デルヴィーニュ、スヌープ・ドッグ、ファレル・ウィリアムズ、マーク・ニューソン、スティーヴン・ジョーンズ、アリゾナ・ミューズといった、真に独創的で型にハマらない「トゥルー・オリジナルズ」たちとタイアップしてきた。
G-Star はアメリカ、ヨーロッパ、日本、南アフリカを主要市場として、グローバルに展開するプレミアムデニムブランド。