MIKAGE SHINデザイナー進美影が熊川哲也 Kバレエ・オプトの舞台衣裳制作を担当
多くの人々の心の奥に潜む物語「シンデレラ」を、Kバレエ・オプトが日本の現実を生きるヤングケアラーを主人公に新たな物語として再生。振付・演出はジュゼッペ・スポッタ。彼は大家マウロ・ビゴンゼッティの弟子で、ヨーロッパで最注目の若き俊英振付家。原案は、新しい詩の運動を巻きおこし、様々な領域で活動する希代の詩人、最果タヒの書き下ろし詩集「シンデレラにはなれない」となっている。演奏は、古い電化製品を「電磁楽器」に蘇らせ演奏する異才の音楽家の和田永。衣裳は、ジェンダーレスブランド・MIKAGE SHINを率いる気鋭デザイナーの進美影。メインビジュアルは、ヒグチユウコの描き下ろしイラスト。そしてダンサーには、円熟味を増し繊細な表現力が期待される森優貴、酒井はなが参加。最前線で活躍するクリエイターたちの技と閃きが凝縮した新たな「シンデレラ」が誕生する。
Designer Comment:
〜衣裳作成にあたってイメージした世界観や、込めた想い〜
「テーマである”ヤングケアラー”& ”シンデレラ”という掛け合わせを、若さや少年少女の象徴である”制服” 、”セーラー服”をベースに再構築して表現しつつ、シンデレラを連想させるガラスの靴から、透け感の強いオーガンジー素材で少女の繊細で儚い精神性を表現した。
また、「ウエストや脚首の細さが見える様にしてほしい」というバレエ衣裳特有のご要望に応えるために、トップスはなくし、つけ襟&つけ袖のみにする事で、ウエストや手首などの細さで肢体のメリハリやバレリーナの方の身体自体の美しさを表現可能に。」
K-BALLET Opto 「シンデレラの家」 概要
日時:
2024年4月27日(土)15:30開演
4月28日(日)12:30/17:00開演
4月29日(月・祝)12:30/17:00開演(全5公演)
会場:東京芸術劇場 プレイハウス
公演最新情報:公式サイト
チケット情報
価格(税込):S\9,000円 A\7,500円 B\3,000円
一般発売:2023年12月16日(土)11月23日(木・祝)〜MY Bunkamuraにて先行発売開始
「シンデレラの家」あらすじ
愛すればこそ憎む、逃れられない家族の絆。
祖父、母、義妹の世話に明け暮れる少女が見つけた切ない愛の物語。
日本のいろいろな街でシンデレラは生きている。
たとえば、認知症の祖父、こころを患い怒りを制御できない母、そしてその母と新しい男との間にできた義妹の世話に明け暮れる日々のシンデレラがいる。
家族のためだけに生きる彼女は、自分を愛すすべを知らない。「幸せになりたい」と願うことすら贅沢で、どこか家族に後ろめたさを感じてしまう。そんな彼女の頭によぎるのは、祖父も義妹もいなくなった母との安住、全てから解放され自由を手にした姿。
ある日、義妹を寝かしつけるために「シンデレラ」を読んであげていると……そこは舞踏会。亡き父、そして幸福につつまれた家族の姿が楽しげに。が、午前零時の鐘が鳴るや……。
参画クリエイター
・ジュゼッペ・スポッタ(Giuseppe Spota)振付家:
2002年にバレット・ディ・ローマに入団。2004年アテルバレットに参加。在籍中、当時の芸術監督マウロ・ビゴンゼッティの指導のもと、イリ・キリアン、オハッド・ナハリンらの作品を踊る。その後ドイツへ渡り、ゴーティエ・ダンスに入団。2010年ヘッセン国立バレエ団に入団、芸術監督のシュテファン・トスに感銘を受け、振付活動を始める。2011年トス振付『Blaubart』に出演後、ドイツで最高峰の芸術賞である「ファウスト」賞受賞。同年ハノーバー国際振付コンクール2位入賞。2019年よりMiRダンス・カンパニー ゲルセンキルヒェンの芸術監督。ヨーロッパで最注目の若き俊英振付家。
・最果タヒ(さいはて たひ)詩人:
2004年よりインターネット上で詩作をはじめる。2006年現代詩手帖賞受賞。2007年第一詩集『グッドモーニング』刊行。同作で中原中也賞受賞。2015年、詩集『死んでしまう系の
ぼくらに』で現代詩花椿賞を受賞、その後も詩集『夜空はいつでも最高密度の青色だ』が、池松壮亮・石橋静河主演で映画化されるなど新しい詩の運動をまきおこす。現代日本を代表する詩人である最果のレトリックを抑えたストレートで鋭い言葉が、どの様な舞台演出へと昇華されるのか期待が高まる。
・和田 永(わだ えい)アーティスト、音楽家:
大学在籍中より音楽と美術の領域で活動を開始。2009年よりOpen Reel Ensemble、Braun Tube Jazz Bandとして活動。2015年より古い電化製品から新たな「電磁楽器」を創作しオーケストラを形作るプロジェクト「エレクトロニコス・ファンタスティコス!」を始動、第68回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。現代アートの旗手として彼のパフォーマンスは常に注目を集めるが、今作では特に音楽家としてのずば抜けた閃きが発揮される機会となるに違いない。
K-BALLET Optoとは
BunkamuraとK-BALLET TOKYOが2022年に立ち上げたプロジェクト。創立から四半世紀、芸術監督熊川哲也の下で豪華絢爛な古典バレエの全幕作品を生み出してきたKバレエが、現代社会に潜む問題をダンス作品に昇華し世界に発信することを目標に発足。第2弾のプラスチック汚染をテーマにした「プラスチック」では、 The Guardian、SMCP、NHK WORLDといったグローバルメディアに特集されるなど、演出面のみならず社会面でも高い評価を得た。第3弾となる本作から、新たにドイツ公立劇場で芸術監督を務めた森優貴を芸術監修に迎え、既存の枠組にとらわれないダンスの深層を探る意欲的な創作を目指す。
MIKAGE SHINプロフィール
デザイナーの進美影はNew YorkのParsons School of Designを2019年5月に卒業後、同年10月から自身のブランドを現地で設立。2020年9月より日本でコレクションをスタート。2022年8月に開催されたRakuten Fashion Week Tokyoには、特別支援協賛枠で公式参加。2022年11月に日本メンズファッション協会よりベストデビュタント賞を受賞。
MIKAGE SHIN 公式インスタグラム:@mikageshin_official