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シャルロット・デュマの個展「声が届いて / 絵筆を手にとって」が小山登美夫ギャラリー京橋で開催、受け継がれるまなざしの行方

Mar 3, 2026
シャルロット・デュマの個展「声が届いて / 絵筆を手にとって」が、2026年3月7日(土)から4月11日(土)まで小山登美夫ギャラリー京橋にて開催される。新シリーズ「Entendue(声が届いて)」の写真作品と、新作映画「The Brush in Your Hand(絵筆を手にとって)」、そして関連インスタレーションを通して、家族の記憶と創造の継承に光をあてる。(PHOTO:Elephant IV, 2023, silver gelatine print, 28.0 × 19.0 cm, ed. 7/7 + AP.2, ©︎Charlotte Dumas)

シャルロット・デュマの個展「声が届いて / 絵筆を手にとって」が小山登美夫ギャラリー京橋で開催、受け継がれるまなざしの行方

Mar 3, 2026 - NEWS
シャルロット・デュマの個展「声が届いて / 絵筆を手にとって」が、2026年3月7日(土)から4月11日(土)まで小山登美夫ギャラリー京橋にて開催される。新シリーズ「Entendue(声が届いて)」の写真作品と、新作映画「The Brush in Your Hand(絵筆を手にとって)」、そして関連インスタレーションを通して、家族の記憶と創造の継承に光をあてる。(PHOTO:Elephant IV, 2023, silver gelatine print, 28.0 × 19.0 cm, ed. 7/7 + AP.2, ©︎Charlotte Dumas)

本展の核となる「Entendue(声が届いて)」は、父と象にまつわる記憶から始まったプロジェクトだ。“Entendue”はフランス語で「聞こえた」「理解された」を意味する。ゾウの耳を撮影した経験をきっかけに、私たちは動物の何を聞き、どのように耳を傾け、何を理解しているのかという問いが生まれたという。

©︎Charlotte Dumas

彼女の父、ピーターは細密な水彩画を制作していたグラフィックアーティストだった。幼少期、ふたりは動物園に通い、象のスケッチを描く時間を共有していた。晩年、父はアルツハイマー病を患い、記憶や認知の変化を経てこの世を去る。そうした経験と、彼女と父が生涯にわたり共有した「見る」という行為が、本シリーズの根底に流れている。

父の死後、彼が使用していたオリンパス Pen-Fで撮影された象のモノクロ写真は、35mmフィルムの半分という小さなネガによって像を断片化する。大人の象は画面に収まりきらず、子どもの象は全身をあらわにする。その対比から、「親と子」という関係が静かに輪郭を帯びる。象の群れにおいて子どもが担う役割や、仲間の死を悼む行動といった生態へのまなざしも重なり、人と動物という異なる存在のあいだに、思いがけない共通項が感じ取れる。

 

Entendue IX, 2023, silver gelatine print, 50.0 × 39.0 cm, edition of 7 + AP.2, ©︎Charlotte Dumas

Entendue VII, 2023, silver gelatine print, 28.0 × 19.0 cm, edition of 7 + AP.2, ©︎Charlotte Dumas

フィルムの粒子と象の皮膚の質感はどこか呼応し、写真でありながら鉛筆画のような佇まいを帯びる。象の家族と作家自身の家族。父との記憶、そして娘を持つ自身の立場。それらが緩やかに重なり合いながら、種を超えた感覚の共有という視点がそっと立ち上がる。

さらに本展では、新作映画「The Brush in Your Hand(絵筆を手にとって)」を初公開する。本作は、デュマ自身、父ピーター、そして末娘アイヴィという三世代を軸に構成された50分の映像作品だ。父の絵画や日記の断片、娘の直感的な工作、それらを見つめるデュマの視線が交差し、家族の記憶と創造性が静かに編み直されていく。

The Brush in Your Hand(絵筆を手にとって)より, 2026, HD video with audio, 50 min., edition of 3 + AP.1, ©︎Charlotte Dumas

Box Room(detail), 2023, ©︎Charlotte Dumas

Box Room(detail), 2023, ©︎Charlotte Dumas

映画に登場するインスタレーション「Boxes Rooms」は、娘の段ボールの家から着想を得て制作されたもの。父のスタジオや家族のリビング、デュマ自身の制作空間を模した箱の部屋に、かつてのポジフィルムが投影される。現在と過去、祖父と孫、母であり娘でもある作家。三者の関係がひとつの空間の中でやわらかく結び直され、創造という行為が、ケアと静かに重なり合う。

 

【プロフィール】
シャルロット・デュマ
1977年オランダ生まれ。アムステルダムを拠点に活動。馬や犬、象など人間と関わりの深い動物を主題に、写真や映像を中心とした作品を制作する。2020年、銀座メゾンエルメスフォーラムにて「『べゾアール(結石)』シャルロット・デュマ展」を開催。沖縄・与那国島で原生馬を撮影したシリーズ〈青 Ao〉をはじめ、日本との関わりも深い。
Instagram:@charlotte_dumas_

【開催情報】
展覧会名:声が届いて / 絵筆を手にとって
会期:2026年3月7日(土) - 4月11日(土)
会場:小山登美夫ギャラリー京橋
住所:〒104-0031 東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 3F
開廊時間:11:00 - 19:00
休廊日:日、月曜、祝日
入場料:無料
URL:https://www.tomiokoyamagallery.com/exhibitions/dumas2026/
Instagram:@tomiokoyamagallery

【オープニングレセプション】
2026年3月7日(土) 17:00 - 19:00

【シャルロット・デュマ アーティストトーク】
2026年3月14日(土)15:00 - 16:00
会場:TODA BUILDING 3階 APK ROOM(東京都中央区京橋1-7-1 3F
参加方法:事前申込制(応募多数の場合は立ち見の可能性あり)お申し込みはこちら

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