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11/18(火)より東京都美術館で開催、上野アーティストプロジェクト2025「刺繍―針がすくいだす世界」

Nov 12, 2025
東京都美術館にて、2025年11月18日(火)から2026年1月8日(木)まで、上野アーティストプロジェクト 2025「刺繍―針がすくいだす世界」が開催される。

11/18(火)より東京都美術館で開催、上野アーティストプロジェクト2025「刺繍―針がすくいだす世界」

Nov 12, 2025 - NEWS
東京都美術館にて、2025年11月18日(火)から2026年1月8日(木)まで、上野アーティストプロジェクト 2025「刺繍―針がすくいだす世界」が開催される。

本展は、「公募展のふるさと」として知られる東京都美術館が2017年より継続している「上野アーティストプロジェクト」シリーズの第9弾。今回は、布に糸を刺して縫い重ねる「刺繍」を主題に、針のリズムに導かれて立ち上がる個々の表現に焦点が当てられる。

刺繍は、布の表裏を行き来する針の動作を通して、つくり手が自身の内面に潜り込むような時間を生む。その行為は、安らぎや自己解放、そして時に救済すらももたらすといわれる。一方で、補修や装飾、信仰の道具としても、各地の風土に根ざして育まれてきたこの手わざは、過去と現在、他者と自己とを結ぶ静かなメッセージを宿している。

岡田美佳《ハーブの庭》1996年 作家蔵

尾上雅野《秋》1974年 公益財団法人日本手芸普及協会蔵

伏木庸平《こもんべべ》(部分)2023-24年 作家蔵

平野利太郎《サボテン》(部分)1955年 町田市立博物館蔵

出展作家は、以下の5名。伝統技法に革新を加えた平野利太郎(1904–1994)、絵画的刺繍作品で躍動感を描き出した尾上雅野(1921–2002)、記憶のなかに残る風景や事物を自由なステッチで描く岡田美佳(1969–)、意識の深層に流れる感覚を糸でなぞる伏木庸平(1985–)、そしてインド・ベンガル地方の女性たちの間で継承されてきた「カンタ」に共鳴した望月真理(1926–2023)。

本展では、彼らが布の上にすくいあげた造形を通じて、針と糸というシンプルな道具が生み出す表現の広がりを追体験できる。静かな手の運びから浮かび上がる、生と記憶の物語に触れるひとときとなるだろう。

また、同時開催の展覧会「刺繍がうまれるとき―東京都コレクションにみる日本近現代の糸と針と布による造形」では、東京都の3つの美術館のコレクションを通して、時代ごとの刺繍の役割と美意識をたどる構成となっている。明治末から昭和初期の学生作品も含め、刺繍の歴史と表現の変遷にじっくりと向き合える。

青山悟《Map of The World》2014年 東京都現代美術館蔵

髙田安規子・政子《ジョーカー》2011年 東京都現代美術館蔵 Photo: Ichiro Otani

針と糸で紡がれた小さな布片が語る、無数の時間と記憶の重なり。その織りなす世界に、静かに身をゆだねてみたい。

【出展作家】
平野利太郎(1904–1994)、尾上雅野(1921–2002)岡田美佳(1969–)、伏木庸平(1985–)、望月真理(1926–2023)

【開催情報】
展覧会名:上野アーティストプロジェクト 2025「刺繍―針がすくいだす世界」
会期:2025年11月18日(火)~2026年1月8日(木)
会場:東京都美術館 ギャラリーA・C
開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
夜間開室:金曜日は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)
休室日:2025年12月1日、15日、22日〜2026年1月3日、5日
観覧料:一般 800円/65歳以上 500円/学生・18歳以下 無料
※同時期開催の特別展「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」のチケット提示で入場無料
主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)
公式サイト:https://www.tobikan.jp/2025_uenoartistproject/

同時開催
展覧会名:「刺繍がうまれるとき―東京都コレクションにみる日本近現代の糸と針と布による造形」
会場:東京都美術館 ギャラリーB
会期・時間・休室日:上記と同様
観覧料:無料
主催:東京都、東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)
連携:東京都江戸東京博物館、東京都写真美術館、東京都現代美術館

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