「カルン・タカール・コレクション インド更紗 世界をめぐる物語」、9/13(土)から東京ステーションギャラリーで開催
インドで誕生し、数千年にわたり衣服や宗教儀礼、室内装飾などに用いられてきた更紗。天然の茜と藍で染め上げられた木綿は、鮮やかで堅牢な色彩を誇り、交易の拡大とともに世界へ広がった。本展では、インド国内向けに制作された最長約8メートルに及ぶ大作や、オランダ向けに生産されたチューリップ文様、さらにはカトリック儀礼で用いられた聖母子像、そして国内コレクションを交えた日本での展開を伝える作品まで、地域や時代を超えた「更紗の旅」をたどる。

《白地人物城郭文様更紗裂》18世紀 Karun Thakar Collection, London. Photo by Desmond Brambley
展示の見どころは、生命力あふれる立木を描いた《白地立木形花樹文様更紗掛布(パランポア)》、チューリップと虫のみで構成された《白地チューリップ虫文様更紗裂》、インド版の聖母子像《白地聖母子文様儀礼用布》、インドネシアで珍重された《白地太陽文様更紗儀礼用布(マタハリ)》など。細部に宿る職人の技と意匠の越境は、国境や文化を超えて人々の生活を彩ってきた歴史を語りかける。

《白地立木形花樹文様更紗掛布(パランポア)》1740-50年頃 Karun Thakar Collection, London. Photo by Desmond Brambley

《白地チューリップ虫文様更紗裂》1700-30年頃 Karun Thakar Collection, London. Photo by Desmond Brambley

《白地聖母子文様儀礼用布》18世紀 Karun Thakar Collection, London. Photo by Desmond Brambley

《白地太陽文様更紗儀礼用布(マタハリ)》18世紀または19世紀 Karun Thakar Collection, London. Photo by Desmond Brambley

《白地人物草花文様更紗儀礼用布》17-18世紀 Karun Thakar Collection, London. Photo by Desmond Brambley
さらにタカール氏は、日本文化への関心の延長として「更紗は茶道具の仕覆や掛軸表装などにも用いられ、日本の伝統に深く根ざしてきた」と語る。文献に記録されたこうした受容の歴史に触れることで、展示作品の背景にもいっそう広がりを感じさせる。
「私はこのコレクションの束の間の守り人にすぎません」とも語る氏は、寄贈や貸与を通じてコレクションを広く共有してきた。世界各地で研究や展示が行われてきた作品群が、ついに日本で公開される。インド更紗が“世界初のグローバル・プロダクト”と呼ばれる所以を、実物の布の力強さとともに感じられる機会となる。
【プロフィール】
カルン・タカール(Karun Thakar)
1960年生まれ。デリーで仕立屋を営む母のもと育ち、幼少期から布に親しむ。1974年に家族で英国へ移住後も布や工芸への関心を持ち続け、1982年よりアジアとアフリカの民芸品・染織品を収集。2021年にはヴィクトリア&アルバート博物館と協働で「カルン・タカール基金」を設立。英国や米国の美術館での展示を経て、日本での公開は今回が初となる。
【開催情報】
展覧会名:カルン・タカール・コレクション インド更紗 世界をめぐる物語
会期:2025年9月13日(土)~11月9日(日)
会場:東京ステーションギャラリー(東京都千代田区丸の内1-9-1[JR東京駅 丸の内北口改札前])
開館時間:10:00~18:00(金曜日は~20:00)*入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(ただし9/15、10/13、11/3は開館)、9/16(火)、10/14(火)
観覧料:一般1,500(1,300)円、大高生1,300(1,100)円、中学生以下無料
*( )内は前売料金[8/1~9/12オンラインチケットで販売]
*障がい者手帳等の提示で200円引き(介添者1名無料)
チケット:オンライン(www.e-tix.jp/ejrcf_gallery/)または当館1階入口で販売
公式サイト:東京ステーションギャラリー
主催:東京ステーションギャラリー(公益財団法人東日本鉄道文化財団)