大阪中之島美術館で四半世紀ぶりの回顧展「小出楢󠄀重 新しき油絵」が9/13(土)から開幕
小出は裸婦像で独自の語り口へ到達し、「裸婦の楢󠄀重」と呼ばれた画家。油彩にとどまらず、ガラス絵や挿絵、装幀、随筆まで領域を広げ、教育者としては信濃橋洋画研究所の設立にも関わった。本展は、初期から絶筆までを通覧しながら、多彩な実践と“日本人ならではの美”へ向けた試みを立ち上げる。
章立ては〈第1章 画家になるまで 1887–1916〉、〈第2章 大阪での創作と欧州への旅 1917–1925〉、〈第3章 多彩な活動 ガラス絵、日本画、挿絵、装幀、随筆〉、〈特集 信濃橋洋画研究所〉、〈第4章 芦屋での円熟期 1926–1931〉。最後には最晩年の裸婦像の傑作7点を精選して一堂に見せる構成だ。

小出楢󠄀重 《Nの家族》(重要文化財) 1919年 公益財団法人大原芸術財団 大原美術館

小出楢󠄀重 《街景》 1925年 大阪中之島美術館

小出楢󠄀重 《裸女結髪》 1927年 京都国立近代美術館

小出楢󠄀重 《卓上静物》 1928年 京都国立近代美術館

小出楢󠄀重 《横たわる裸身》 1930年 石橋財団アーティゾン美術館

小出楢󠄀重 《枯木のある風景》 1930年 公益財団法人ウッドワン美術館

小出楢󠄀重 《奈良を散歩する西洋人》 1919年
みどころ
・25年振りの本格的な回顧展
初期の東京美術学校時代の作品から絶筆に至るまで、その画業の全貌をご覧いただきます。
・「裸婦の楢󠄀重」の代表作が一堂に
画業の後半に制作された数々の裸婦像。年を経るごとに洗練され、独自の様式を作り上げる過程を、代表作によってたどります。
・油彩画にとどまらない多岐にわたる活動
ガラス絵、日本画、挿絵、装幀、随筆など、様々な分野で発揮された多彩な才能をご紹介します。
裸婦、静物、そしてガラスに描かれた小さな光沢――時代の空気を吸い込んだ色彩が、いまの私たちの視覚にそっと揺さぶりをかける。秋の中之島で、絵の前に立つ自分の時間をゆっくり確かめたくなるはずだ。
会期にあわせ、リーガロイヤルホテル大阪「メインラウンジ」では、所蔵作《周秋蘭立像》(1928)の世界観をスイーツで表現した「『小出楢󠄀重 新しき油絵』展 秋蘭ティータイムセット」を提供。


小出楢󠄀重 《周秋蘭立像》 1928年 株式会社ロイヤルホテル
さらには、関連プログラムも充実する。講演会(9/27、11/3)は各回無料(要観覧券)で当日受付、担当学芸員によるギャラリートーク(9/17、11/12、各回定員25名・事前申込制)も予定されている。
小出楢󠄀重(こいで・ならしげ)
1887年、大阪市中央区生まれ。東京美術学校日本画科に入学後、西洋画科へ転科し1914年卒業。二科展で樗牛賞・二科賞を受ける。1921–22年に欧州遊学。1924年、信濃橋洋画研究所を開設し後進を指導。芦屋に移り、裸婦・静物・ガラス絵で新境地を拓く。1931年、43歳で没。
「小出楢󠄀重 新しき油絵」
会期:2025年9月13日(土)〜11月24日(月・振)
会場:大阪中之島美術館 4階展示室
住所:大阪市北区中之島4-3-1
開館時間:10:00〜17:00(最終入場16:30)/ 9/13(土)–9/16(火)は10:00–19:00(最終入場18:30)
休館日:月曜、10/14(火)、11/4(火)※9/15(月・祝)、10/13(月・祝)、11/3(月・祝)、11/24(月・振)は開館
観覧料:一般1,700円(団体1,500円)、高大生1,200円(団体1,000円)、中学生以下無料 ※各種減免・団体受付あり
チケット:詳しくはこちら
公式サイト:https://nakka-art.jp/
展覧会詳細:https://nakka-art.jp/exhibition-post/koide-2025/
Instagram:@nakkaart2022
