彫刻家・若林奮は、娘たちのために〈おもちゃ〉を作った。
人形や家、糸巻きの車といった玩具は、作家の身近にあった素材を用いながら、柔らかな温もりと驚くほど彫刻的な造形を備えている。物であったはずのものは日常から離れ、お伽話やSFの世界へと羽ばたくような想像力が息づいている。

〈おもちゃ〉でありながら〈彫刻〉でもある造形は、親子の情景を垣間見るようでもあり、また私たち自身にとっても懐かしい時間へ帰るかのようである。鉄の彫刻家として知られる若林奮の、強靱さと柔らかさを併せ持つ側面に触れることができるかもしれない。

また、会期にあわせて若林夏欧による書き下ろしテキストを収録したアーティスト・ブック『私の家』を限定部数で刊行する。

若林夏欧『私の家』より

展示風景より 若林奮《人形の家》 1978

若林奮《くま》1973

私の家・若林奮 夏欧
会期：2025年8月25日(月) - 2025年9月19日(金)
土日祝休 11:00-17:00
会場：YOKOTA TOKYO
住所：〒105-0022 東京都港区海岸1-15-1
電話：03-3433-4479
公式サイト：https://yokotatokyo.com/index.html