デューラー、ルーベンス、レンブラントの素描が一堂に、世界最高峰の素描コレクションが来日「スウェーデン国立美術館 素描コレクション展―ルネサンスからバロックまで」開催中
展示されるのは、ルネサンスからバロックにかけてのヨーロッパ各地の作品で、アルブレヒト・デューラー、ペーテル・パウル・ルーベンス、レンブラント・ファン・レインといった巨匠たちの傑作も含まれる。これらの素描には、完成作品とは異なる、芸術家の手の動きや思考の痕跡がよりダイレクトに感じられる魅力がある。
会場構成は4章からなり、第1章:イタリア、第2章:フランス、第3章:ドイツ、第4章:ネーデルラントと、地域別に名品を紹介する。
第1章:イタリアでは、バロッチやカラッチ、パルミジャニーノらの秀作を展示。

フェデリコ・バロッチ 《後ろから見た男性の頭部》 ©Cecilia Heisser/Nationalmuseum 2016

アンニーバレ・カラッチ 《画家ルドヴィーコ・カルディ、通称チゴリの肖像》 ©Cecilia Heisser/Nationalmuseum 2015

パルミジャニーノ (フランチェスコ・マッツォーラ) 《聖ヨハネと男性聖人を伴う 「長い首の聖母」のための習作、 左に向かって歩く男性》 ©Cecilia Heisser/Nationalmuseum
第2章:フランスでは、ヴーエやショヴォーによる舞台衣装や建築装飾のためのドローイングが並ぶ。

シモン・ヴ―エ《聖エリザベト》 ©Cecilia Heisser/Nationalmuseum

ルネ・ショヴォー 《テッシン邸大広間の天井のためのデザイン》 ©Cecilia Heisser/Nationalmuseum 2012
第3章:ドイツでは、デューラーの《三編みの若い女性の肖像》やグリューネヴァルトの《髭のない老人の頭部》などが光る。

アルブレヒト・デューラー 《三編みの若い女性の肖像》 ©Cecilia Heisser/Nationalmuseum 2015

マティアス・グリューネヴァルト(マティス・ゴットハルト・ナイトハルト) 《髭のない老人の頭部》 ©Cecilia Heisser/Nationalmuseum 2016
第4章:ネーデルラントでは、《眠る犬》を描いたフィッセルの作品やホルツィウスの《自画像》、レンブラントの《キリスト捕縛》など、物語性や人間味に富んだ作品が揃う。

コルネリス・フィッセル 《眠る犬》 ©Hans Thorwid/Nationalmuseum 2009

ヘンドリク・ホルツィウス 《自画像》 ©Cecilia Heisser/Nationalmuseum 2015

レンブラント・ファン・レイン 《キリスト捕縛》 ©Hans Thorwid/Nationalmuseum 2009
※すべてスウェーデン国立美術館蔵
素描とは単なる下絵ではなく、芸術家の構想と手技が結晶した独立した表現でもある。本展では、素材や描線、光のあて方にまで神経が注がれた紙上の痕跡を通じて、作品の奥にある創造のエネルギーに触れることができる。
【開催情報】
展覧会名:スウェーデン国立美術館 素描コレクション展―ルネサンスからバロックまで
会期:2025年7月1日[火]~9月28日[日]
会場:国立西洋美術館(東京・上野公園)(東京都台東区上野公園7-7)
開館時間:9:30~17:30(金・土曜日は20:00まで、入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日、9月16日[火]
※8月11日(月・祝)9月15日(月・祝)22日(月)は開館
観覧料:一般 2,000円、大学生 1,300円、高校生 1,000円(中学生以下・障害者手帳提示で無料)
公式サイト:https://drawings2025.jp
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