nori enomotoとコペンハーゲン発のフラワーショップ&ギャラリー 「TABLEAU」の初のポップアップをレポート

本展では、TABLEAUの創設者でありフラワーデザイナーのユリウス・ヴァーネス・イヴァーセン氏が、<nori enomoto>のために空間演出を手がけ、花とファッション、アートが交差する空間で、<nori enomoto>のアイテムが新たな表情を見せる。ブランドの世界観を体現するインスタレーションとともに、選りすぐりのアイテムが展示された。

本展示の会場であるTABLEAUは、<nori enomoto>のデザイナー榎本紀子自身が初めてコペンハーゲンを訪れた際に偶然立ち寄り、空間の美しさに深く心を動かされた特別な場所である。花屋とギャラリーが融合したユニークな空間にアートと植物が共存し、日本ではなかなか見られないその独自性に強く惹かれたことが、今回の展示開催へとつながった。

またTABLEAUにとって初めての日本のファッションブランドとの正式なコラボレーションとなった本展のメインテーマは「形としての感情」。インスタレーションを通じて、物理的な形がいかに感情的な重みを帯びるかを探求している。
会場は、来場者に静けさと注意深い観察を促す空間として構成されており、構造と柔らかさ、光と密度、粗さと洗練さといった相反する要素の間に潜む緊張感が、作品全体の基調となっている。また、意図的に余白や曖昧さを残すことで、来場者自身の想像力が入り込む余地を生み出している。

<nori enomoto>のアイテムを花瓶や器、花と組み合わせ、アートのように表現している点が今回の大きなポイント。特にTABLEAUでは、店外にも豊富な花を配置し、窓越しに映るバッグとアートの融合が、展示全体の見どころとなっていた。
TABLEAUについて
TABLEAUは、フラワーデザイナーとして高く評価されているユリウス・ヴァーネス・イヴァーセン(Julius
Værnes Iversen)によって2018年に設立された、フラワーショップでありマルチディシプリナリーなクリエイティブスタジオ。幼い頃から花に囲まれ、父親の経営する花屋を手伝いながら育ったイヴァーセンは、その伝統を受け継ぎながらTABLEAUを通じて「フラワースタジオ」という概念を再定義している。彼のアプローチは、花と大胆な素材、建築的なフォルム、そして芸術的表現を融合させた没入型の体験を提供することで、従来の枠を超えた独創的な空間を生み出している。
nori enomoto デザイナー榎本紀子について
1996年生まれ。 共立女子大学被服学科卒業後、文化服装学院服飾研究科へ入学。その後、技術専攻に進学し卒業後RAINBOW SHAKEに入社。パタンナーとして活動しつつ2020年「nori enomoto」を開始。