デジタル時代と身体性を探る、菅原玄奨の個展「The Common Call」が開催
この展覧会では「テクスチャーと触覚性」をテーマに、デジタル時代の匿名性と身体性の緩衝地点を人体彫刻の制作を通して探求する菅原の新シリーズが発表される。アウトドア総合ブランド「mont-bell」の協力を得て、これまで匿名的な人物像を表現してきた菅原が「特定の人物像」を握る表現を追求し、個と共同の交点を探る新たな作品が展示される。スタイリストの庄司洋介も参加している。
菅原は自身と彫刻、人と人、自我と他我といった相反しながらも互いに関係し合う様々な要素に目を向け、それぞれの間に存在する距離やバランスを彫刻家として捉える作品を制作している。彫刻家とファッションスタイリスト、モデル、ブランド、ギャラリーとの関係性の中から生まれる新たな人体彫刻の可能性を提示している。
TAV GALLERYでは、1993年東京都生まれで、2018年に東京造形大学大学院美術研究科を修了した菅原の約8年ぶりとなる個展「The Common Call」が開催される。
菅原はデビュー以来「テクスチャーと触覚性」をテーマに、デジタル時代の匿名性と身体性の緩衝地点を人体彫刻の制作を通して探求してきた。新作では、従来の匿名的な人物像から「特定の人物像」への移行が見られ、スタイリストやブランドとの連携を通じた新たな表現の模索がなされている。
工業的な触覚性から新たなテクスチャーへの変換が行われた作品群は、グローバリゼーションから脱グローバリゼーションへの転換、10年代のVapor Wave表現から20年代の個々の記憶や夢を基盤とするDream Coreへの移行といった時代性を反映している。一貫したメタフィクショナルな制作プロセスやマテリアルの更新を通じて視覚体験を揺さぶる作品は、具象彫刻の新たな可能性を示唆している。
また、本展には、メンズファッションレーベルのSOSHIOTSUKIで学んだスタイリストの庄司洋介や、衣装提供を協力する「mont-bell」が参加している。個と共同の交点を模索した菅原の新たな試み「The Common Call」に注目が集まるだろう。
展示概要
タイトル:菅原玄奨
個展「The Common Call」
会期:2024年12月20日(金)- 12月25日(水)、2025年1月7日(火)- 1月18日(土)
※12月26日(木)- 2025年1月6日(月)は休廊
時間:13:00 – 20:00
休廊:日、月
会場:TAV GALLERY(西麻布)
住所:〒106-0031 東京都港区西麻布2丁目7−5 ハウス西麻布 4F
入場料:無料
出展作家:菅原玄奨
協力:庄司洋介、mont-bell