墨の表現を追求した襖絵師・島田由子の「墨から墨まで」展、フジギャラリー新宿で開催
島田由子は金沢美術工芸大学で日本画を専攻した後、デザイン会社や劇団の美術部などで経験を積み、現在は襖絵を中心とした作品を制作しているアーティストだ。母親の実家が京都西陣織の機屋で、小学校の高学年から金沢で過ごし、加賀友禅の工房を営む縁者のもとで絵具に親しみ、自然と日本画の道に進んだ。関東に拠点を移した現在も、金沢の美しい自然と伝統文化が襖絵作品に大きな影響を与えている。
襖絵では、越前和紙の襖紙に墨と顔彩、雲母、箔などを用い、草花をテーマに描く島田だが、今回の展覧会では墨が主役となる。古来から「墨に五彩あり」と言われるほど表情豊かな墨を、「にじみ」「すれ」「たまり」といった偶発的な表現を大切にし、心から惹かれてきた「線」で大胆に作品を構成する。墨や和紙といった日本人に馴染み深い画材を用い、アーティストの自由な発想と襖絵師としての確かな筆致により、洗練された深い絵画が仕立てられている。
「墨no.004」(Sumi No.004)
パネル、墨、箔、膠、越前鳥の子襖紙
panel, Sumi, metal leaf, hide glue, Echizen Torinoko fusuma paper
723×530mm
「墨no.22」(Sumi No.22)
パネル、墨、箔、膠、越前鳥の子襖紙
panel, Sumi, metal leaf, hide glue, Echizen Torinoko fusuma paper
910×727mm
「墨no. 44」(Sumi No.44)
襖紙、墨、箔、水干絵具、膠
Fusuma paper, Sumi, metal leaf, dyed mud pigment, hide glue
148×210mm
「墨no. 45」(Sumi No.45)
襖紙、墨、箔、水干絵具、膠
Fusuma paper, Sumi, metal leaf, dyed mud pigment, hide glue
148×210mm
「墨no. 46」(Sumi No.46)
襖紙、墨、箔、膠
Fusuma paper, Sumi, metal leaf,
hide glue
148×210mm
島田由子「墨から墨まで」展
会期:2024年9月7日(土)〜9月29日(日)
時間:10時〜18時
休廊:月曜日・金曜日10:00〜18:00
会場:フジギャラリー新宿
住所:東京都新宿区西新宿6-6-2 ヒルトン東京 地下1階 ヒルトピアショッピングアーケード内
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