西祐佳里とアーティストユニットmagmaとの共同制作による展覧会「Index ♯7」が、8/19(土)~9/17(日)までGallery COMMONにて開催
西にとっては2022年にGallery COMMONに所属して以来、当ギャラリーで初めての大規模な展覧会となる。また、本展はmagmaにとってもGallery COMMONでの初展示となる。
テディベアやハンバーガーの頭を持つ奇妙な人型のキャラクター、虹色のゼリーとフラミンゴのアイスクリーム、色あせた花柄の壁紙と大きなソファ、そして時折浮かぶ入れ歯。西祐佳里のペインティングに描かれているのは、独特の存在感を帯びるレトロなアメリカのテレビ番組の幻覚のような光景。70~80年代の西洋のメディアからコラージュされた西のシュルレアリスムの風景では、意味不明な物語を生きる風変わりなキャラクターたちが主役となる。一見筋書きのないシーンですが、よく見ると「家族」と「家」というテーマが共通して見受けられ、絵の中に現れる人間らしき存在はほとんどが家の中かその近くで、スイーツを分け合ったり、物を贈り合ったり、何かを抱えたり抱き合ったり、家庭生活を共にする姿がよく見られる。最初は怪異で恐ろしくさえ見えるこれらのキャラクターたちですが、異なる存在同士が不条理な生活にもかかわらず、絆を深めようとしていることが感じられる作品だ。
Yukari Nishi x magma
西のペインティングに続くのは、アーティストユニットmagmaとのコラボレーションによる彫刻コラージュのシリーズ。廃棄された物や、身の回りのありとあらゆる物、彼らによって日々蒐集された物を素材とし作品を制作するmagmaは、西のペインティングに繰り返し登場するキャラクターからインスピレーションを得て、それらを独創的にリミックスし、気紛れな生き物の立体に再解釈。製造された時代も作られた国も異なる作品の素材が、西のペインティングと同じように、取捨選択されたイメージの集合体として組み合わさる。「まだ生まれてなく、体験が叶わなかった(前の)時代が有していた気持ちの豊かさ、まだ見ぬ未来に抱く希望のようなものが両者の制作のベースにあるのではないかと思いました」とmagmaは述べた。息苦しさと幸福感が交錯する、シュールで奇妙な世界。異様でありながら身近に感じられるのは、我々の日常生活の中にある不条理を映し出しているからかもしれません。西祐佳里とmagmaのコラボレーションによって生まれた独特な世界に、ぜひ足を踏み入れてください。
西祐佳里(にし ゆかり)
1978年生まれ、西宮市在住。西のペインティングを特徴づけるシュールリアリズムの表現は、理想化された20世紀半ばの西洋的なノスタルジーを感じさせる。西の作品は彼女の周りのメディアから引き出されたイメージの集合体であり、現実を超えた四次元の世界に入り込むことで、潜在意識を探り、自身の自己内観の再考を迫る。京都芸術大学を卒業後、国内外のギャラリーやアートフェアにて絵画やミクストメディア作品を発表。近年のプロジェクトにはThe Mass(東京)での個展「Index #5」がある。その他のグループ展やアートフェアには、IMAGRATION (Each Modern、台北)、Inquiry to the Wall (Tang Contemporary Art x Soul Art Center、北京)、Art Fair Tokyo、Taipei Dangdaiなどがある。
magma(まぐま)
杉山純と宮澤謙一によるアーティストユニット。廃材や樹脂、電動器具などを組み合わせ創りだす独自の世界観で、作品制作にとどまらず家具やプロダクト、空間演出ディレクション・制作まで幅広く手がける。どこか懐かしさを覚えるアナログ感とクレイジーな色彩が融合した作品群は、国内外から注目を集めている。
展覧会概要
西祐佳里 with magma「Index ♯7」
2023年8月19日(土)~9月17日(日)
オープニングレセプション:2023年8月18日(金)19:00-21:00
開廊時間: 12:00-19:00 (水~日) *月、火 休廊
Tel: +81 03 6427 3827
住所:150-0001東京都渋谷区神宮前5-39-6 B1F
contact@gallerycommon.com
www.gallerycommon.com
ABOUT GALLERY COMMON
2010年にen one tokyo, inc.によって設立。現在共同設立者の新井暁がディレクターを務めるGallery COMMONは、原宿のストリートカルチャーを背景に国内外のアーティストやトレンドセッターがローカルシーンと交流するための親密なスペースとして誕生した。原宿の独特なエネルギーを育むため、原宿の中心部にギャラリーがあまりない頃から、アートを中心とした空間を同地に作り上げることの重要性を感じ、Gallery COMMONはオープンした。クリエイティブ・エージェンシーという異色の背景を元に、ファッションとアート、ストリートとコマーシャル、サブカルチャーとメインストリームという逆説的でありながらも互いに共生的な二者間のギャップを埋めることを目指す。今後も様々な国や分野にわたる著名または将来有望な現代アーティストと仕事をともにする傍ら、国内外のアートフェアやコラボレーションプロジェクトに参加する予定だ。