3年の時を経て、10/17(火)から「ゴッホと静物画― 伝統から革新へ」展がSOMPO美術館で開催。
SOMPO美術館にて、2023年10月17日(火)-2024年1月21日(日)の期間で「ゴッホと静物画― 伝統から革新へ」展が開催。
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)は何を学び、何を伝えたのか……
本展覧会は、17世紀から20世紀初頭まで、ヨーロッパの静物画の流れのなかにゴッホを位置づけ、ゴッホが先人達から何を学び、それをいかに自らの作品に反映させ、さらに次世代の画家たちにどのような影響をあたえたかを探る。
また、「ひまわり」にも焦点をあて、ゴッホやその他の画家たちによる「ひまわり」を描いた作品も紹介。
本展は当館移転後の開館特別企画展として2020年に開催が予定されていたが、新型コロナウイルス感染症拡大のため中止となり、このたび3年の時を経て開催の運びとなった。
展覧会のみどころ
・《ひまわり》、《アイリス》をはじめ、25点のゴッホ作品が集結
国内外25か所からの出展作品全69点のうち、25点がゴッホによる油彩画
・静物画を見なければ、ゴッホは語れない
画家が主観で描く静物画で、ゴッホは独自のスタイルを身につけた
・17世紀から20世紀の静物画の流れのなかで、ゴッホを位置づけ
名だたる画家たち(クラース、ドラクロワ、マネ、モネ、ピサロ、ルノワール、ゴーギャン、セザンヌ、
ヴラマンク、シャガールなど)の静物画とともにゴッホを紹介
フィンセント・ファン・ゴッホ 《ひまわり》 1888年 油彩/キャンヴァス SOMPO美術館
フィンセント・ファン・ゴッホ 《アイリス》 1890年 油彩/キャンヴァス
ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
Van Gogh Museum, Amsterdam(Vincent van Gogh Foundation)
CHAPTER1. - 伝統 – 17世紀オランダから19世紀
ヨーロッパの美術史の中で、静物画が絵画の分野として確立するのは17世紀のこと。市民階級が台頭し経済的に発展したネーデルランドやフランドル(現在のオランダ、ベルギー)で盛んに描かれ、身の回りの品々はもちろん、富の豊かさを示すような山海の珍味、珍しい工芸品、高価な織物などが描かれた。一方で、砂時計や火が消えたロウソク、頭蓋骨など、人生のはかなさや死を連想させる事物を寓意的に描き、人々を戒めるための作品も描かれた。
ピーテル・クラース 《ヴァニタス》 1630年頃 油彩/板(樫) クレラー=ミュラー美術館、オッテルロー
© 2023 Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, theNetherlands
フィンセント・ファン・ゴッホ 《麦わら帽のある静物》 1881年 油彩/キャンヴァスで裏打ちした紙
クレラー=ミュラー美術館、オッテルロー
© 2023 Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, theNetherlands
CHAPTER2. - 花の静物画 – 「ひまわり」をめぐって
静物画の中で最も好まれる主題は「花」ではないだろうか。花は人物と並んで人気の高い主題で、静物画の黄金時代である17世紀には花を専門に描く画家も活躍していた。ゴッホが活躍した19世紀、フランスの中央画壇では歴史画や人物画を頂点とした理念のため、静物画は絵画のヒエラルキーの下位に位置づけられていた。しかし花の絵の需要は高く、多くの画家が花の静物画に取り組んでいた。
フィンセント・ファン・ゴッホ 《赤と白の花をいけた花瓶》 1886年 油彩/キャンヴァス
ボイマンス・ファン・ブーニンヘン美術館、 ロッテルダム
Collection Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam
アドルフ=ジョゼフ・モンティセリ 《花瓶の花》 1875年頃 油彩/板 クレラー=ミュラー美術館、オッテルロー
© 2023 Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, theNetherlands
CHAPTER3. - 革新 – 19世紀から20世紀
「絵画における事物の再現」という考え方は、印象派でピークをむかえたと言えるだろう。「見たままを写す」という印象主義の考え方に疑問を抱いた画家たちは、色や形といった絵画の要素に注目し、それらを使っていかに二次元の絵画で自己を表現するかを追求し始める。ゴッホ、ポール・ゴーギャン、ポール・セザンヌら「ポスト印象派」と呼ばれた画家たちは、静物画でも新しく自由なスタイルを展開し、その姿勢は20世紀の画家に受け継がれていく。
ポール・セザンヌ 《りんごとナプキン》 1879-80年 油彩/キャンヴァス SOMPO美術館
展覧会名:ゴッホと静物画― 伝統から革新へ
Van Gogh and Still Life:
From Tradition to Innovation
会期:2023年10月17日(火)-2024年1月21日(日)
休館日:月曜日(ただし1/8は開館)、年末年始(12/28-1/3)
開館時間:10:00-18:00(ただし11/17(金)と12/8(金)は20:00まで)
※最終入場は閉館30分前まで
会場:SOMPO美術館
住所:〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1
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