RUNWAY TO REAL LIFE — 資生堂ヘアメイクアップアーティスト中村潤が提案する、ランウェイメイクの楽しみ方
世界観を際立たせるエッジの効いたヘアメイクを得意とし、パリファッションウィークをはじめとする国内外のショーでリードアーティストと して活躍。広告・雑誌など多様な現場で、ナチュラルからアヴァンギャルド まで幅広い依頼に対応し続け活動している。
Instagram:@jun.nakamura24
SHISEIDO HAIR & MAKEUP ARTIST
中村 潤 / JUN NAKAMURA
「ランウェイメイクは、完成したルックの中から、自分が惹かれたポイントをひとつ選んでみると、普段のメイクにつなげやすくなります。
例えば、チークなら色よりも入れる位置。アイラインなら、黒をどこに置いているのか。カラーメイクなら、色の強さだけでなく、塗る範囲や質感を見る。
ランウェイで印象に残った要素をひとつ抜き出して、自分の顔や普段のファッションに合う強さに調整する。そうすると、いつものメイクにも新しいバランスが生まれます。
今回は、解説した3つのテクニックをベースに、日常で楽しめるルックをつくりました。」
LOOK 01
LOW BLUSH
低い位置に広げるチーク

RUNWAY → REAL LIFE
Blouse ¥132,000、Pants ¥77,000(ZIN KATO|フランクリンますみ 090-8050-1199)
Necklace ¥52,800(FLORIAN|H.P.FRANCE www.hpfrance.com)
Lariat necklace ¥57,800、Ear cuff ¥19,500(PEARL OCTOPASS.Y|office. koizumi. contact@officekoizumi.com)
TRANSLATION
ランウェイで印象的だったのは、広く入れたチークのピュアな血色と、シャープでストイックな目元の組み合わせ。
今回のルックでも、その対比を生かしている。目元には土や樹木を思わせる落ち着いた色を使い、頬には柔らかな赤みをプラス。チークの甘さに目元の深みが加わることで、可愛らしさの中に落ち着きを感じる表情に仕上げた。

DETAIL — LOW PLACEMENT / SOFT RED
JUN NAKAMURA
「チークのピュアな印象と、目元のストイックさを一緒に見せることで、甘さだけに寄らない顔をつくりました。肌も軽く仕上げて、色を使っている部分が自然に見えるバランスを意識しています」
HOW TO
01 ファンデーションをごく少量取り、クマや小鼻まわりなど、カバーが必要な部分を中心にぼかす。
02 オーク系のアイシャドウを上まぶたにぼかし、目頭側をやや広く入れて立体感をつくる。
03 レッド系のチークを頬骨の下あたりから、あごに近い位置まで広範囲にぼかす。頬の高い位置には色をのせず、重心を低く見せる。
04 鼻筋の中央にもチークを薄くぼかす。
05 リップは中央に血色を加え、上からグロスを重ねる。
USED PRODUCTS
LOOK 02
LOWER-LID LINER
下まぶたに効かせる黒

RUNWAY → REAL LIFE
Camisole ¥25,300(THE TOÉ|thetoeofficial@gmail.com)
Index finger ¥29,700、Earrings ¥28,600(CÉCILE ET JEANNE|セシル・エ・ジャンヌ 青山店 info@cecileetjeanne.jp)
Middle finger ¥106,700、Ring finger ¥102,300(BEA BONGIASCA|H.P.FRANCE www.hpfrance.com)
Inner Stylist's own
TRANSLATION
ランウェイで見られた、下まぶたの黒を主役にしたアイメイクをベースにしたルック。
黒の持つハードな印象に、フレッシュな肌と柔らかなピンクを合わせることで、強さと軽さが共存する顔に仕上げた。アイメイクの存在感を残しながら、ほかのパーツには透明感を持たせている。

DETAIL — BLACK BELOW / FRESH SKIN
JUN NAKAMURA
「下まぶたの黒だけを見るとかなり強いですが、肌に自然な光を残して、上まぶたには柔らかな色を合わせると、顔全体の印象が変わります。黒の強さと、それ以外の部分の軽さのバランスを意識しました」
HOW TO
01 ベースメイクは薄く仕上げ、素肌の質感を残す。
02 ハイライトを頬の高い位置にぼかし、自然なツヤを加える。
03 ブラックのアイライナーを下まぶたの際に入れる。
04 上まぶたにはマットなピンクのアイシャドウを薄くぼかす。
05 チークとリップは軽く血色を整える程度に仕上げる。
USED PRODUCTS
<NARS> トータルセダクション アイシャドウスティック ENIGMATIC
<SHISEIDO> カラー+グロウエンハンサー01
LOOK 03
ROUGH COLOR
ラフに効かせるカラー

RUNWAY → REAL LIFE
Tube top ¥16,570、Jacket ¥26,560、Jacket belt [used as choker](RE RHEE|HANA SHOWROOM hana.showroom@hana-korea.com)
Silver choker ¥71,100、Earrings ¥24,900(Kalevala|kalevalashop.jp)
TRANSLATION
ランウェイで見られた大胆なカラーメイクを、ポップな色とダークな陰影の組み合わせで表現。
鮮やかな色を整然と見せるより、少しラフな質感を残すことで、目元に個性を感じさせる仕上がりにした。さらに眉の存在感を弱めることで、普段とは異なる顔のバランスをつくっている。

DETAIL — POP COLOR / DARK SHADOW
JUN NAKAMURA
「今回は、ポップなカラーと暗い陰影という、性質の違う要素をひとつの目元に入れています。
眉を明るくすると、眉と目元の普段のバランスが一度リセットされて、鮮やかな色の見え方も変わります。色をきれいに整えすぎず、少しラフに残すことも、このルックでは大切にしました」
HOW TO
01 ファンデーションをごく少量取り、クマや小鼻まわりなど、カバーが必要な部分を中心にぼかす。
02 明るめの眉マスカラやブロウコンシーラーで、眉の色を肌のトーンに近づける。
03 グレーのアイシャドウを上まぶた全体に広くぼかす。中央部分は差し色を重ねるために空けておく。
04 イエローやグリーンなどのアイシャドウをまぶたの中央にのせ、輪郭をラフにぼかす。
05 必要に応じて、同じカラーを眉の上にも薄く広げる。
06 チークとリップは軽く血色を整える程度に仕上げる。
USED PRODUCTS
ONE DETAIL IS ENOUGH.
全部を真似しなくても、
ひとつ変えるだけでいい。
ランウェイのメイクを日常に持ち込むとき、大切なのは、完成形をそのまま再現することよりも、自分が惹かれたポイントをひとつ見つけること。
チークなら位置を変える。アイラインなら重心を変える。鮮やかな色なら、使う範囲や質感を調整する。今回の3つのルックから見えてきたのは、ほんの少しバランスを動かすだけで、いつものメイクに新しい表情が生まれるということだ。
ランウェイは、特別な日のためだけのアイデアではない。普段なら選ばない色や、思いつかなかった位置に目を向けるきっかけにもなる。気になった要素を自分に似合う形へ置き換えてみる。その小さな試みから、毎日のメイクを楽しむ選択肢は、もう少し自由に広がっていきそうだ。
ABOUT
SHISEIDO HAIR & MAKEUP ARTISTS
資生堂グループに所属するヘアメイクアップアーティスト集団。広告や国内外のファッションショーでヘアメイクを手がけるほか、メイクアップ商品の色開発やビューティートレンドの研究など、多彩な領域で新しい美の表現を発信している。
- Hair&Make-Up : Jun Nakamura(Shiseido)
- Photograph : Toshinori Suzuki(Point of Action)
- Styling : Maiko Karima
- Model : Milano Fujimoto(Number Eight)
- Edit : Yukako Musha(QUI)
