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英国カルチャーが爆発した90年代を体感、「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」が2/11(水・祝)から国立新美術館で開催

Jan 28, 2026
2026年2月11日(水・祝)から5月11日(月)まで、東京・国立新美術館にて展覧会「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」が開催される。

英国カルチャーが爆発した90年代を体感、「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」が2/11(水・祝)から国立新美術館で開催

Jan 28, 2026 - NEWS
2026年2月11日(水・祝)から5月11日(月)まで、東京・国立新美術館にて展覧会「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」が開催される。

本展は、テート美術館の所蔵品を中心に約60名の作家によるおよそ100点の作品を通じて、1980年代後半から2000年代初頭にかけて英国で花開いた美術表現の革新の軌跡をたどる。英国社会における政治・経済・文化の激動を背景に、アート、音楽、ファッションなどあらゆる領域を巻き込みながら世界に衝撃を与えた“YBA(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)”の熱狂が、現代によみがえる。

 

常識を覆す、90年代UKアートの爆発力

「YBA & BEYOND」は、既存の美術の枠組みを大胆に問い直し、大衆文化やサブカルチャー、個人の物語などを素材に表現を押し広げたアーティストたちの活動を紹介する。ダミアン・ハーストやトレイシー・エミン、スティーヴ・マックイーン、ジュリアン・オピーなど世界的に知られる作家に加え、ブラック・オーディオ・フィルム・コレクティヴやルベイナ・ヒミドといった、同時代に異なる視点で社会と向き合った作家たちの作品も網羅。多様な価値観がぶつかり合いながらも、共鳴し合っていた当時の英国の空気を感じ取ることができる。

ダミアン・ハースト《後天的な回避不能》1991年、テート美術館蔵 Photographed by Prudence Cuming Associates © Damien Hirst and Science Ltd. All rights reserved, DACS/Artimage 2026

ブラック・オーディオ・フィルム・コレクティヴ《ハンズワースの歌》1986年、テート美術館蔵 © Smoking Dogs Films; Courtesy Smoking Dogs Films and Lisson Gallery

ルベイナ・ヒミド《二人の間で私の心はバランスをとる》1991年、テート美術館蔵 Photo: Tate © Lubaina Himid. Courtesy Hollybush Gardens and Greene Naftali

 

ブリットポップ、エイズ危機、移民問題…交差する時代のリアリティ

会場では6つの章と複数の「スポットライト」展示で構成され、現代社会の根底を揺さぶるテーマが立ち上がる。エイズ危機への怒りと抵抗、階級やジェントリフィケーションによって変貌する都市とアイデンティティの揺らぎ、性や家族という私的領域に潜む抑圧と親密さ、そしてコンセプチュアル・アートの継承と批評を背景に、日常に埋もれたモノから立ち上がる創造性──そのすべてが、社会と個人が交錯する場としてのアートを照らし出し、現代においてもなお鮮やかな問いを投げかけてくる。

ギルバート&ジョージ《裸の目》1994年、テート美術館蔵 Photo: Tate © Gilbert & George

レイチェル・ホワイトリード《A:クラプトン・パーク・エステート、マンデヴィル通り、ロンドン E5;アンバーゲート・コート;ノーバリー・コート、1993年10月》1996年、テート美術館蔵 Photo: Tate © Rachel Whiteread

ジリアン・ウェアリング《ダンシング・イン・ペッカム》1994年 © Gillian Wearing, courtesy Maureen Paley, London; Regen Projects, Los Angeles and Tanya Bonakdar, New York

 

トレイシー・エミンの映像作品《なぜ私はダンサーにならなかったのか》や、スティーヴ・マックイーンの静謐なモノクロ映像《熊》、さらには爆発の瞬間を空間に固定したコーネリア・パーカーの《コールド・ダーク・マター:爆発の分解イメージ》など、時代を象徴する名作がそろう。

トレイシー・エミン《なぜ私はダンサーにならなかったのか》1995年、テート美術館蔵 © Tracey Emin

スティーヴ・マックイーン《熊》1993年、テート美術館蔵 © Steve McQueen. Courtesy the artist, Thomas Dane Gallery and Marian Goodman Gallery

コーネリア・パーカー《コールド・ダーク・マター:爆発の分解イメージ》1991年、テート美術館蔵 Photo: Tate © Cornelia Parker. Courtesy Frith Street Gallery

 

UKサブカル黄金期を映すアートと音楽の交差点

ブリットポップが世界を席巻した90年代、UKのストリートとカルチャーが熱を帯びていた。そのムードをアートで体感できるのも本展の醍醐味。雑誌『i-D』や『ザ・フェイス』に代表されるロンドンのユースカルチャー、アシッドハウス、ファッション、広告写真──あらゆるジャンルがアートに溶け込み、混じり合う。

ヴォルフガング・ティルマンス《座るケイト》1996年、テート美術館蔵 © Wolfgang Tillmans, courtesy of Maureen Paley, London; Galerie Buchholz; David Zwirner, New York

マーク・レッキー《フィオルッチは私をハードコアにした》1999年、テート美術館蔵 © Mark Leckey. Courtesy the artist and Cabinet, London

 

例えば、ブラーのベストアルバムのジャケットデザインを手がけたジュリアン・オピーによる《ゲイリー、ポップスター》、ヴォルフガング・ティルマンスによる《ザ・コック(キス)》など、当時の空気が色濃く漂う作品群が会場に並ぶ。

ジュリアン・オピー《ゲイリー、ポップスター》1998-99年、テート美術館蔵 © Julian Opie

ヴォルフガング・ティルマンス《ザ・コック(キス)》2002年、テート美術館蔵 © Wolfgang Tillmans, courtesy of Maureen Paley, London; Galerie Buchholz; David Zwirner, New York

 

アートが私たちの「日常」と接続する

マイケル・クレイグ=マーティンの《知ること》や、トレイシー・エミンの個人的記憶に基づく写真作品《モニュメント・バレー(壮大なスケール)》など、日常のモノや関係性から立ち上がる作品も多い。彼らの作品は、どこか懐かしく、しかし新鮮な視点で、私たちの感覚を再起動してくれるようだ。

マイケル・クレイグ=マーティン《知ること》1996年、テート美術館蔵 © Michael Craig-Martin. Courtesy the artist and Gagosian

トレイシー・エミン《モニュメント・バレー(壮大なスケール)》1995-97年、テート美術館蔵 Photo: Tate © Tracey Emin

90年代のロンドンに渦巻いた熱狂と混沌。テート美術館がその本質を選び抜き、丁寧に編み上げた「YBA & BEYOND」で、その時代を生きたアーティストたちの息遣いと、今もなお響き合う問いに触れてみてほしい。

 

出展作家一覧

アンジェラ・ブロック、アニッシュ・カプーア、アニャ・ガラッチョ、ブラック・オーディオ・フィルム・コレクティヴ、キャシー・ド・モンショー、シール・フロイヤー、クリス・オフィリ、クリスティン・ボーランド、コーネリア・パーカー、ダミアン・ハースト、デイヴィッド・ロビリヤード、デイヴィッド・シュリグリー、デレク・ジャーマン、ディノス・チャップマン、ダグラス・ゴードン、エリザベス・ライト、フランシス・ベーコン、ゲイリー・ヒューム、ギャヴィン・ターク、ジョージナ・スター、ギルバート&ジョージ、ジリアン・ウェアリング、グレイソン・ペリー、ヘレン・チャドウィック、ヘンリー・ボンド、ジェイク・チャップマン、ジェレミー・デラー、ジム・ランビー、ジョニー・シャンド・キッド、ジュリー・ロバーツ、ジュリアン・オピー、キース・コヴェントリー、リアム・ギリック、リサ・ミルロイ、ルベイナ・ヒミド、ルーシー・ガニング、マーク・フランシス、マーク・レッキー、マーク・クイン、マーク・ウォリンジャー、マーティン・クリード、マット・コリショウ、マイケル・クレイグ=マーティン、マイケル・ランディ、モナ・ハトゥム、レイチェル・ホワイトリード、リチャード・ビリンガム、リチャード・ハミルトン、サラ・エインズリー、サラ・ジョーンズ、サラ・ルーカス、シーマス・ニコルソン、サイモン・パターソン、スティーヴ・マックイーン、スティーヴン・ピピン、スタパ・ビスワス、トレイシー・エミン、ヴォルフガング・ティルマンス

 

キュレーター

グレゴール・ミューア(Gregor Muir):テート美術館コレクション部門ディレクター兼キュレーター。ICA(ロンドン)やハウザー&ワース、LUXギャラリーなどを経て、国際的に活躍。1990年代初頭から中盤にかけて、ジェイク&ディノス・チャップマンやケリス・ウィン・エヴァンス、ゲイリー・ヒューム、サム・テイラー=ウッドらの先駆的な展覧会を手がけた。テート美術館においても同時代アートの収集と展示に尽力し続けている。

ヘレン・リトル(Helen Little):テート・ブリテン現代美術部門キュレーター。20世紀および現代の英国美術を専門とし、ターナー賞展や1980年代英国写真の総覧展、デイヴィッド・ホックニーやクリス・オフィリの回顧展など、批評家から高く評価される展覧会を多数企画。展覧会カタログや美術書の執筆・編集も手がけ、実践と研究の架橋を行う活動を展開している。

 

開催情報

展覧会名:テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート
会期:2026年2月11日(水・祝)〜5月11日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室2E
開館時間:10:00〜18:00(金・土は20:00まで)※入場は閉館30分前まで
休館日:毎週火曜日(ただし5月5日(火・祝)は開館)
観覧料:一般 2,300円/大学生 1,500円/高校生 900円
※中学生以下無料、障害者手帳提示で本人と付添1名無料
※高校生無料観覧日:2026年3月25日(水)〜27日(金)
巡回情報:京都市京セラ美術館 2026年6月3日(水)〜9月6日(日)
※京都展は東京展と一部展示内容が異なります
公式サイト:https://ybabeyond.jp
Instagram:@ybabeyond @thenationalartcentertokyo
X:@ybabeyond @nact_pr

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