QUI

NEWS

建築文化の祭典「ひろしま国際建築祭2025」、総勢23組が広島に集結|10/4(土)–11/30(日)

Oct 6, 2025
広島県の福山市・尾道市を舞台に、建築文化の祭典「ひろしま国際建築祭2025」が2025年10月4日(土)から11月30日(日)まで開催中。
会場は「JR福山駅南口(駅前広場)」「神勝寺 禅と庭のミュージアム」「ふくやま美術館(ギャラリー)」「尾道市立美術館」「LOG」「LLOVE HOUSE ONOMICHI」「まちなか文化交流館『Bank』」「ONOMICHI U2」の8拠点で展開され、鑑賞パスポートで横断的に楽しめる仕立てだ。

建築文化の祭典「ひろしま国際建築祭2025」、総勢23組が広島に集結|10/4(土)–11/30(日)

Oct 6, 2025 - NEWS
広島県の福山市・尾道市を舞台に、建築文化の祭典「ひろしま国際建築祭2025」が2025年10月4日(土)から11月30日(日)まで開催中。
会場は「JR福山駅南口(駅前広場)」「神勝寺 禅と庭のミュージアム」「ふくやま美術館(ギャラリー)」「尾道市立美術館」「LOG」「LLOVE HOUSE ONOMICHI」「まちなか文化交流館『Bank』」「ONOMICHI U2」の8拠点で展開され、鑑賞パスポートで横断的に楽しめる仕立てだ。

初開催となる今回は、総合テーマを「つなぐ——『建築』で感じる、私たちの“新しい未来”」に据え、世界で活躍する著名建築家から未来を担う若手まで23組が参加。福山と尾道を中心に、9つの展示プログラムが用意されている。

 

「ナイン・ヴィジョンズ|日本から世界へ 跳躍する9人の建築家」

尾道市立美術館では、丹下健三(1987)、槇文彦(1993)、安藤忠雄(1995)、妹島和世・西沢立衛[SANAA](2010)、伊東豊雄(2013)、坂 茂(2014)、磯崎 新(2019)、山本理顕(2024)ら歴代受賞者に光を当てる企画を開催し、日本の建築が世界に届くまでの跳躍の軌跡に触れられる。

尾道市立美術館 写真提供:尾道市立美術館

 

「NEXT ARCHITECTURE|『建築』でつなぐ新しい未来」

テーマに呼応し、福山の神勝寺 禅と庭のミュージアム(無明院)では、藤本壮介、石上純也、川島範久、VUILD/秋吉浩気、Clouds Architecture Office の未来を担う5組の建築家が参加。「海」、「自然」、「市民」、「風景」、「宇宙」との視点から構想された5つの提案は、環境と社会の新たな結びつきを探るものであり、建築がいかにして私たちの未来を形づくるかを問いかける。

神勝寺 禅と庭のミュージアム(無明院)撮影:鈴木研一 写真提供:神原・ツネイシ財団

 

「神原・ツネイシ文化財団 建築文化再興プロジェクト 『成城の家』の写し — 丹下健三の自邸再現・予告展」

神勝寺(無明院・明々軒)では、宮大工による縮尺1/3模型と共に、丹下健三がこの家のためにデザインした家具や愛用の品と当時の様子を伝える資料類を展示しながら、「過去」の自邸の姿、そして近い将来実現する「未来」の自邸の姿を紹介する。

 

「後山山荘(旧・藹然荘)の100年とその次へ|福山が生んだ建築家・藤井厚二」

ふくやま美術館(ギャラリー)では、福山出身の建築家・藤井厚二と前田圭介による建築をめぐる100年の物語を紹介。地域に受け継がれる建築文化を見つめ直す機会となる。

後山山荘 ©Naotake Maeda

 

「OPEN LLOVE HOUSE|尾道『半建築』展」

尾道の「LLOVE HOUSE ONOMICHI」では、長坂常+スキーマ建築計画によるオープンハウス企画「OPEN LLOVE HOUSE」を開催。OBOGや現スタッフ約40名の活動記録、素材研究のサンプルや家具などを通して“半建築”の可能性を探る。

LLOVE HOUSE ONOMICHI 撮影:Ryo Takatsuka

 

「うつすからだと、うつしの建築」

まちなか文化交流館「Bank」では、写真家・高野ユリカが尾道の古建築や風景をみずみずしく写し出す。過去から未来へ受け継がれる「うつし」の視点に触れられる展示となる。

まちなか文化交流館「Bank」 ⒸNaotake Maeda

 

「Architecture Voice from LOG|『建築の声』を聞く」

LOGでは、スタジオ・ムンバイ/ビジョイ・ジェインとUMA/design farmが協働。建築が発する「声」をデザインで表現し、来場者はハンドアウトを片手に、その場の背景を感じ取ることができる。

LOG 撮影:Tetsuya Ito

 

「『ZINE』から見る日本建築のNow and Then」

ONOMICHI U2では、けんちくセンターCoAKが日本の若手建築家によるZINEや希少な建築系ヴィジュアルブックを展示・販売。ZINEカルチャーを通じて建築の今とこれからに触れられる。

ONOMICHI U2 撮影:鈴木研一

 

「移動型キオスク ― 小さな建築プロジェクト」

街に点在する3つのキオスクが、建築祭の新たな風景をつくり出す。小規模ながらも建築の原点を問い直す試みだ。
①「つぼや」堀部安嗣 × ウッドワン(神勝寺 禅と庭のミュージアム 無明院)

堀部安嗣 「つぼや」 イメージ画像

吉野檜の無垢材を使い、1坪ほどの小空間を「茶室」のように仕立てた木造建築。自然の香りと手触りが残る木肌の内側で、人と空気、光の流れが静かに交わる。禅庭の中に現れるこの小屋は、建築の「最小単位」を通して、人と空間の本質的な関係を浮かび上がらせる。

②「風景が通り抜けるキオスク」中山英之 × モルテン(ONOMICHI U2前 オリーブ広場)

中⼭英之 「⾵景が通り抜けるキオスク」 イメージ画像

透明な膜素材を用いた2つの小建築。風と光をそのまま受け入れる柔らかな構造体で、周囲の風景と溶け合うように佇む。境界を持たない“透ける建築”として、訪れる人が自然と立ち寄り、通り抜けながら空間の存在を体験するインスタレーション的作品。

③「雲がおりる」石上純也 × 常石造船 × ツネイシカムテックス(JR福山駅南口 駅前広場)

石上純也「雲がおりる」 イメージ画像

造船技術による厚さ9mmの鋼板を三次元的に曲げ、雲のように浮かぶ屋根をもつ造形建築。街の入口である駅前にふわりと降り立ち、インフォメーションセンターとして来場者を迎える。

この「移動型キオスク ― 小さな建築プロジェクト」は、今後、3年に1度のひろしま国際建築祭開催毎時に新たなキオスクを増やしながら発展していく計画だ。

 

8会場を縦横無尽にめぐりながら、瀬戸内の景観と建築文化が重なり合う瞬間に出会い、
眼前の“建物”から一歩離れて、目に見えない「声」や「時間」を感じに行きたい――そんな余韻が旅支度を軽くする。

 

【開催情報】
展覧会名:「ひろしま国際建築祭2025」
会期:2025年10月4日(土)– 2025年11月30日(日)
※会場によって異なるため、公式サイトを要確認
会場:
JR福山駅南口(駅前広場)
神勝寺 禅と庭のミュージアム(無明院/無明院・明々軒)
ふくやま美術館(ギャラリー)
尾道市立美術館
LOG
LLOVE HOUSE ONOMICHI
まちなか文化交流館「Bank」
ONOMICHI U2
開館時間・休館日:各会場に準ずる ※公式サイトを要確認
観覧料:鑑賞パスポート(3日間有効) 会場販売 3,000円(税込)/WEB販売 2,500円(税込)
※高校生以下および障がい者はWEB申し込みで無料
※尾道市立美術館のみ単館チケットあり
※パスポート・チケット購入に関する詳細は公式サイトより要確認
主催:一般財団法人神原・ツネイシ文化財団
公式サイト:https://hiroshima-architecture-exhibition.jp/
Instagram:@hiroshima_arch_exhibition

NEW ARRIVALS

Recommend