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あたたかい言葉に癒される。リラックス出来る本3選

Apr 15, 2022 - SHOPPING
コロナ禍の影響で、働き方の変化があった昨今。 
職場ではなく、カフェや自宅で仕事をする人も多くなったのではないだろうか。
ポモドーロ・テクニックを使い、より効率的に仕事に取り掛かる際には、短い休憩時間でもしっかりとリラックスすることが大切である。

今回は、そんな時に読んで欲しい、リラックスできる短編集の本を3冊ご紹介したい。
仕事に集中してグッと力が入った体が、読んでいるだけで肩の力がフッと抜けていくような作品が中心となっている。疲れていても気軽に読めるような作品が多いので、普段あまり読書をしたい人にもお勧めである。

最初の、ひとくち – 益田ミリ

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作者は、1969年大阪生まれ。

OLを経てフリーのイラストレーターを経験し、32歳の時に漫画家デビュー。

本書以外の作品には、4コマ漫画で綴られた「すーちゃん」シリーズの他、「僕の姉ちゃん」はドラマ化が決定している人気作品。

また、作者の何気ない日々を描いたエッセイ「前進する日もしない日も。」等がある。どの作品も、よくある日常のリアルで等身大なキャラクターや物語が描かれている。

物語やエッセイの中で綴られる言葉には、リアルだからこそ、思わずドキっとさせられる本質を突いている台詞や共感してしまう表現は、彼女の作品の魅力の1つだ。

記憶が蘇る体験記

今回ご紹介する本書は、食べ物ごとの短編で構成されている、作者のいわば人生においての「最初のひとくち」体験記である。

「あ!そうだ!あった、あった!」とすぐに記憶が蘇ってしまうような、幼い頃のお菓子にまつわる数々の体験から始まる。

作者の子供時代は、ちょうど日本が高度成長期時。沢山のものが生まれていた頃。

いまや定番の「きのこの山」や「キットカット」、「ポテトチップス」が誕生した時代もこの頃である。

作者の、本当に新鮮で初めて目にしている文中の表現は、「そうだったな。」と懐かしく感じる人、「そうだったんだ!」と新鮮に感じる人、世代によって受け取り方が様々なのも、この本の魅力の1つだ。

懐かしのお菓子の話は、家族や会社の人、友達は、子供の頃どうだったか話してみたくなってしまうかもしれない。

 

その他にも幼い頃の話だけではなく、学生時代のほろ苦いビアガーデンの話や、会社員時代の少し悲しいふぐ初体験の話など、クスッと笑えて共感出来るエピソードがぎゅっと詰まっている。

「自分の人生で初めて口にした最初のひとくちって、どんな風だったっけ?」

そんな少しだけ懐かしい記憶とともに過ごす5分間はどうだろうか?

文字だけでなく、4コマ漫画やイラストも描かれているので、普段読書をあまりしない人にとっても、手に取りやすい魅力的な一冊である。

 

ごはんぐるり – 西加奈子

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作者紹介

作者は、1977年テヘラン生まれ、カイロ、大阪で育つ。

代表作品には、2015年直木賞を受賞した作品「サラバ!」や、ベストセラー「さくら」などがある。

どんなストーリーでも真っ直ぐでどこか暖かな魅力を持つ作品の数々は、彼女自身の魅力がたっぷりと投影されているからだろう。そして、小説もさることながら、作者自身の体験を描いているエッセイもとても魅力的。

元気になりたい時に是非読んでほしい、彼女の持つ「陽」のパワーがふんだんに詰まった「食」をテーマにした本作をご紹介したい。

作者の人情味に心温まる一冊

まかないで作った肉じゃがのエピソードから始まる本書は、彼女の親しみやすさをたっぷり感じられる。

ユーモラスに語られる内容は、関西弁でテンポよく進んでいくので、クスッと笑えて、まるで友達の話を聞いているような親近感が湧いてくるのがこの本の魅力である。

カイロで食べる和食の話では文化の違いに驚き、1人でガチガチに緊張していったお寿司屋さんの話に勇気をもらったり、デートでの一番最初に連れていってくれるお店の正解とは?!というテーマは、彼女の自論のもと語られるのだが、妙に納得させれてしまうのは、彼女の持つ人を巻き込む表現力の高さゆえになせる技である。

「食」がテーマなのに、一緒に人間模様が浮かんでくる本作は、西加奈子の作品だからこそではの人情味を感じさせられること間違いなしだ。

読んだ後に心が温かくなっている。元気を貰いたいときや気軽に読みたい時にお勧めの一冊である。

 

旅の断片 – 若菜晃子

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作者紹介

作者は、1968年兵庫県神戸市生まれ。「山と渓谷」の副編集長を経て独立。その後、旅や山、自然に関する書籍を複数出版。

別世界に導く、絵本のような短編エッセイ

ご紹介する本書は、旅に関するエッセイやノンフィクション作品に贈られる斎藤茂太賞を2020年受賞している。

作者自身の世界19ヵ国の旅を綴った短編エッセイである。

 

穏やかにも優しく紡がれる文章は、どことなく絵本を読む感覚に近い。

そんな世界観の本作は、自然に肩の力が抜けるような息抜きにもピッタリ。リラックスしたい時、少し頭の中を緩ませたい時に読んでいただきたい作品である。

その滞在場所のほとんどはメジャーな場所でなく、その国ごとの日常に触れられるような小さな町が多い。

著者のみずみずしい視点で、大人になると見逃してしまいそうな小さな「気づき」にハッとさせられたり、

知らない街に踏み込む少しの不安とドキドキ感を一緒に体験できたような気持ちになれる。

それは、小さい頃、道に迷ったのに、少しだけいつもと違う世界にワクワクするような気持ちに似ているかもしれない。

情景がフワッと浮かんできては心をどこかに運んでいくれるような本書。

想像力をぐんっと働かせて入り込める世界観は、5分間だけでも、あなたを別の世界に連れて行ってくれるだろう。

 

  • ライター : Yukino Sato