Yuichiro Noda個展「aqua」、水と光を通して“見る”を問い直す
本展の出発点にあるのは、作家が水に魅了され続けてきた感覚だ。
冷たい、ぬるい、浅い、深い。ゆれる、流れる、とどまる。
固まる、溶ける、気化する。光る、透ける、染まる、鳴る。
制作中に書き留めたという、こうした言葉の連なりからは、水という存在が持つ性質の豊かさが伝わってくる。
誰もが知っているはずのことなのに、普段は意識せずに通り過ぎてしまう。その身近さのなかにこそ、作家が水に惹かれ続ける理由が潜んでいるのかもしれない。


作品は、写真機を介さず、すべて暗室作業のなかで直接手を使って制作された。暗闇のなかで水と出会い直しながら生まれた像は、水の性質をそのまま引き受けることで、ひとつひとつが複製不可能なユニークピースとなっている。
写真というメディウムに触れながら、その根底にある“見る”という行為そのものへ、静かに意識を向けさせる。
また作家は、私たちが毎日水を見ているようでいて、実際にはそのときどきに必要な一部だけを選び取って見ているのではないかと問いかける。
三次元の水と二次元の写真。その制作の過程では、見えていなかった存在にふと触れる瞬間もあるという。かつて井戸だったという会場の履歴も重なり、本展では水の気配が空間に残る。
プロフィール
Yuichiro Noda
写真家。見ることへの問いを契機とした写真表現の探求・拡張を主題とし、作品制作・クライアントワークの垣根を超えて活動している。昨年、写真集『Sequences』をロンドンのSelf Titled社より刊行。
公式サイト:http://yuichironoda.com
Instagram:@yuichironoda
開催情報
「aqua」
会期:2026年5月2日(土)〜5月17日(日)
会場:229gallery
住所:〒110-0016 東京都台東区台東4丁目24−2 E-GAMIビル1F 2F B1F
開館時間:平日 12:00〜19:00(最終入場18:30)/土日祝 12:00〜20:00(最終入場19:30)
休館日:無休
観覧料:ワンドリンクオーダー制
Instagram:@229.4242