パルコ 2026年Summerシーズン広告を公開、Springシーズンに続きクリエイティブディレクターにKin Chan Coedel(キン・チャン・コエデル)を起用


撮影の舞台となったのは美しい砂漠。荘厳な存在感を放つ「大地の母」のもとに集う子どもや動物たちの光景は、地球規模でのファミリーの邂逅を想起させる。Kinの描く、AIやCGの力を一切用いない「誰も見たことがない美しい映像」は、今の時代に大切にしたいメッセージを発信している。
Springシーズンのキャンペーンを支えたZipeng Li(ジペン・リー)、Jonsi(ヨンシー)、Paul McGill(ポール・マックギル)など世界各国のトップクリエーター陣は、Summerシーズンも引き続き起用されている。

衣装はZipeng Liが“Let go, Let in”のストーリーイメージに合わせて制作したオリジナル。各登場人物のイメージに応じて染色した軽やかなシルク生地を用い、手染めならではの風合いによって雄大な自然に溶け込むグラデーションに仕上げられている。

また、砂漠の中で「大地の母」を2メートル以上高く見せたいというKinの意向から、2メートルを超える身体をすっぽり覆う大きな赤いマントを制作。結果として、その優美な存在感が砂漠の景色と調和し、すべてを超越するかのような「大地の母」のイメージがより印象的に描かれている。

タイポグラフィもSpringシーズンに引き続きLisa Rahman Studio(リサ・ラーマン・スタジオ)による手描きレタリングを採用。1800年代まで遡る文献を調査し、エジプト語やサンスクリット語などさまざまな言語から着想を得て新たなタイポグラフィを開発。キャンペーンのキーワード『Let go, Let in』を「古代聖典」スタイルで表現している。手描きで古い書体の特徴を取り入れ、黒インクが赤くにじむ効果によって視覚的なつながりを表現。さらに金箔を装飾として用い、豊かさを演出している。本作は、過去の視覚的言語表現を現代的に再解釈し、世界観に即した新たな表現方法を探ることで、鑑賞者を作品の世界へ引き込むことを目指している。
Concept
Let go, Let in
手放すことで、空間が生まれ、受け入れることで、新しい私が育つ。
季節が変わるとき、不思議と心も動き出す。
今まで大切にしていたものが、ふと重く感じるときがある。
そんなときこそ、「Let go」。
勇気を出して、手放してみよう。
そっと手放すことで、心に風が通りはじめる。
そして、その風が運んでくれる新しいものに、ドアを開けてみて。
「Let in」――まだ知らなかった“私らしさ”を迎え入れる準備をしよう。
変わることは、怖くない。
むしろ、変われることが嬉しいと思えるような、そんな一歩を踏み出すあなたに、そっと寄り添います。
Let go, Let in
それは、しなやかに変わり続けるあなたのための、魔法の言葉。


Movie
撮影風景


Kin Chan Coedel Interview
―この物語はどのようにして生まれましたか?また、この物語にどんな思いを込めましたか?
クリエイティブの軸として、何かに「出会う」という概念をテーマに、春と夏、それぞれにストーリーをつくりたい、と当初から考えていました。新しいものと出会う瞬間―それは、自分が知っているものを一度手放し、新しい情報や新たな性格の一片を受け入れる瞬間でもあります。このアイデアを中心に据えて、まずは「出会いの瞬間」を構築し始めました。
春の映像ではまずダンス映像から始まり、このダンスが「湖の女神」との出会いを導き、夏の映像では砂漠で「大地の母」に出会う旅を描きました。
私の作品は、文化とファッションの文脈や物語を混ぜ合わせることが多く、今回のキャンペーンでも、私自身の自然観や非西洋的な視点、そして強い女性像を取り入れたいと考えました。これは常に私が大切にしているテーマでもあります。今回も「大地の母」を主役に据えることで他のキャラクターや要素が集い、彼女に出会うことで、物語が分岐していくのです。
―このキャンペーンに携わった感想を教えてください。
『Let go,Let in』というタグラインのもと、ファッションキャンペーンの新たな表現に挑戦しました。当初の表象的なアプローチから、より抽象的な『手放し、受け入れる』というエネルギーの表現へと進化させました。
パルコとの仕事で特別だったのは、ファッション撮影に関わらず、完全に自由な発想で衣装を制作できたことです。ジペンと協力し、完全オーダーメイドの衣装で身体の動きを表現する試みを行いました。
撮影では、寒さや高山病、限られた時間など多くの困難がありましたが、チーム全体の努力で乗り越えました。撮影中に起き得るあらゆる困難や制約、ハプニングの中で、何を手放し、何を手放さず、何を握りしめているか。このプロジェクトを通じて、コントロールできないものを手放し、新しい人々を信じることを受け入れました。結果として、自然と人々が与えてくれたものこそが、このキャンペーンの本質となりました。
Creator Profile

Kin Chan Coedel(キン チャン コエデル)/CREATIVE DIRECTOR・PHOTOGRAPHER
カナダパシフィック・ノースウェスト出身、現在はパリと上海を拠点に活動するフォトグラファー。シリーズ「DyalThak」は、第38回イエール国際モード写真フェスティバル(Hy-eres Festival)で観客賞(prix du public)を受賞。現在までBurberry、Jil Sander、MIUMIU などさまざまなグローバルブランドのキャンペーンを手掛け、ジャンルを問わず世界に活躍の場を広げている。
Instagram:@kinbykin

Zipeng Li(ジーペン リー)/STYLIST
アートディレクター、スタイリスト、そしてビジュアルアーティストとして、ファッション業界で複数の役割をこなすマルチなクリエイター。2024年からはW Magazine Chinaのアートディレクター・スタイリストを務め、2025年には「BoF 500(Business of Fashionが選出する、世界のファッション業界を形作る500人)」に選出される。
Instagram:@zipengli

Jonsi(ヨンシー)/MUSIC
アイスランドを代表するポストロック・バンド、シガー・ロス(Sigur Rós)のフロントマン/ヴォーカリスト。脳裏に焼き付くファルセット・ヴォイスは“天使の声”と評されており、世界中にコアファンを持つ。
Instagram:@iamjonsi

Paul McGill(ポール・マックギル)/Choreographer
ペンシルベニア州ピッツバーグ出身の国際的演出家・振付家。ブロードウェイやロンドンのナショナル・シアター、エディンバラ・フリンジなど世界中で活躍し、舞台・映画・テレビ作品を手がける。アステア賞、NAACPイメージ 賞などの数々の舞台芸術・エンターテイメント賞を受賞。
Instagram:@paul_mcgill_