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開館5周年記念「杉戸洋展:えりとへり / flyleaf and liner」、12/5(金)より弘前れんが倉庫美術館で開催

Dec 3, 2025
青森県・弘前れんが倉庫美術館にて、開館5周年を記念する「杉戸洋展:えりとへり / flyleaf and liner」が2025年12月5日(金)から2026年5月17日(日)まで開催される。

開館5周年記念「杉戸洋展:えりとへり / flyleaf and liner」、12/5(金)より弘前れんが倉庫美術館で開催

Dec 3, 2025 - NEWS
青森県・弘前れんが倉庫美術館にて、開館5周年を記念する「杉戸洋展:えりとへり / flyleaf and liner」が2025年12月5日(金)から2026年5月17日(日)まで開催される。

本展は、現代日本を代表する画家・杉戸洋が、絵画の「余白」に着目して構成する意欲的な個展。たとえば、カンヴァスの縁を囲むように貼られた紙や木片のような「えり」や「へり」、あるいは、本の表紙をめくると現れる「あそび紙(flyleaf)」や、服の裏地(liner)といった、見過ごされがちな存在に心を傾けることから制作は始まる。

封筒の切れ端や段ボール、陶といった日用品を用いた小作品や、1990年代に制作された未発表の絵画に手を加えた作品群が並び、杉戸の創作の最新の姿に触れられる機会となる。

杉戸洋《color tree 2》1994/2024年 作家蔵 ©Hiroshi Sugito, Courtesy of Tomio Koyama Gallery Photo by Kenji Takahashi

杉戸洋《untitled》2017年 作家蔵 ©Hiroshi Sugito, Courtesy of Tomio Koyama Gallery Photo by Kenji Takahashi

展覧会の見どころのひとつが、グラフィックデザイナー・服部一成とのコラボレーションだ。服部は、ファッション雑誌『流行通信』(2002〜2004年)のアートディレクションなどで知られ、杉戸も当時の誌面構成から制作のヒントを得たという。そんな服部が杉戸の作品に触発されてデザインした壁紙が、美術館内の空間の内と外に貼りめぐらされ、そこに杉戸の絵画と服部の写真がともに展示されることで、「えりとへり / flyleaf and liner」のコンセプトがより強く際立つ展示空間が立ち上がる。

また、杉戸の最新作品が、煉瓦造りの建築空間と響き合う展示構成にも注目したい。会期中には、同時開催のコレクション展「北へ向かって」も開かれ、杉戸と奈良美智による2004年の共作作品が特別出品されるほか、蜷川実花らの作品も紹介される。弘前という土地と記憶を軸に、より広がりのある芸術体験が期待できる。

杉戸洋《untitled》2025年 作家蔵 ©︎Hiroshi Sugito Photo by Hiroshi Sugito

杉戸洋《untitled》2022年 作家蔵 ©Hiroshi Sugito, Courtesy of Tomio Koyama Gallery Photo by Hiroshi Sugito

美術館という空間の“余白”に、立ち上がる杉戸洋のまなざし。その視線に導かれて、絵画と空間、記憶と素材のあいだを行き来するような時間を。

 

【プロフィール】
杉戸洋(すぎと ひろし)
1970年愛知県⽣まれ。1992年愛知県⽴芸術⼤学美術学部⽇本画科卒業。1990年代の活動初期から国内外で数多くの展覧会に参加。主な個展として、「FOCUS」(フォートワース現代美術館、アメリカ、2006年)、「天上の下地 prime and foundation」(宮城県美術館、宮城、2015年)、「frame and refrain」(ベルナール・ビュフェ美術館、静岡、2015年)、「こっぱとあまつぶ」 (豊⽥市美術館、愛知、2016年)、「杉⼾洋 とんぼ と のりしろ」(東京都美術館、東京、2017年)の他、海外でも多数の個展を開催。「YOSHITOMO NARA + graf A to Z」(吉井酒造煉⽡倉庫、弘前、2006年)に参加。平成29年度(第68回)芸術選奨、⽂部科学⼤⾂賞受賞。

服部⼀成(はっとり かずなり)
1964年⽣まれ。ライトパブリシティを経てフリーランス。主な仕事に「キユーピーハーフ」の広告、雑誌『流⾏通信』『here and there』『真夜中』のアートディレクション、弘前れんが倉庫美術館、三菱⼀号館美術館、新潟市美術館のVI計画、ロックバンド「くるり」のアートワークなどがある。毎⽇デザイン賞、⻲倉雄策賞、ADC賞、東京TDCグランプリなどを受賞。
Instagram:@hattori_info

【開催情報】
展覧会名:開館5周年記念 杉戸洋展:えりとへり / flyleaf and liner
会期:2025年12月5日(金)〜2026年5月17日(日)
会場:弘前れんが倉庫美術館(青森県弘前市吉野町2-1
開館時間:9:30〜17:00(〜2026年2月28日)、9:00〜17:00(3月1日以降)※入館は閉館30分前まで
休館日:火曜(ただし2026年4月14日、21日、28日、5月5日は開館)、年末年始(2025年12月26日〜2026年1月1日)、5月7日
観覧料:一般1,500円(1,400円)、大学生・専門学校生1,000円(900円)、高校生以下無料
※( )内は20名様以上の団体料⾦
※弘前市⺠は当⽇料⾦から500円引き(他の割引との併⽤不可)
※その他以下に該当する場合は無料
弘前市内の留学⽣/満65歳以上の弘前市⺠/ひろさき多⼦家族応援パスポートを持参者/障がいのある⽅と付添の⽅1名
主催:弘前れんが倉庫美術館
協力:小山登美夫ギャラリー
⼀般お問合せ:TEL 0172-32-8950
URL:https://www.hirosaki-moca.jp/exhibitions/sugito-hiroshi/
Instagram:@hirosaki_moca

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