「拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ」、12/13(土)より大阪中之島美術館で開催
本展は、シュルレアリスムの誕生から約100年を経た今、国内に所蔵される多様なジャンルの作品を通じて、その本質に改めて迫ろうとする試みだ。視覚芸術にとどまらず、広告やファッション、インテリアなど社会全体にまで拡張していったこの動向を、「表現の媒体」という視点から解体し、シュルレアリスムのイメージを再構築する。

エルザ・スキャパレッリ 《香水瓶「スリーピング」》 1938年 ポーラ美術館

フランシス・ピカビア 《黄あげは》 1926年 大阪中之島美術館

ヴォルス 《美しい肉片》 1939年 個人蔵
1924年にアンドレ・ブルトンが提唱したこの芸術運動は、フロイトの精神分析に影響を受け、夢や無意識といった深層に光を当てた。はじめはオートマティスム(自動筆記)を中心とした文学運動として始まったが、やがてその思想はオブジェや絵画、写真、映像、広告、ファッション、インテリアへと拡大。芸術に革命をもたらしたのみならず、政治思想や日常生活の中にも浸透し、20世紀社会全体に影響を与えた。
展示は全6章で構成される。マグリット《王様の美術館》や《レディ・メイドの花束》、エルンスト、ダリ、ピカビアらの代表作を通じて絵画、写真、広告と変容していくヴィジュアル表現をたどるだけでなく、エルザ・スキャパレッリによる《イヴニング・ドレス「サーカス・コレクション」》など、ファッションやインテリアにおける超現実的な意匠にも触れられる構成だ。

ルネ・マグリット 《レディ・メイドの花束》 1957年 大阪中之島美術館

エルザ・スキャパレッリ 《イヴニング・ドレス「サーカス・コレクション」》 1938年 島根県立石見美術館 前期展示
とりわけ、名品の数々が大阪に集結する貴重な機会であり、マグリットやマン・レイらの名作をはじめ、日常に浸透する幻想のかたちを立体的に体感できる展覧会となっている。
【開催情報】
展覧会名:拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ
会期:2025年12月13日(土)~2026年3月8日(日)
前期:2025年12月13日(土)~2026年1月25日(日)
後期:2026年1月27日(火)~2026年3月8日(日)
会場:大阪中之島美術館 4階展示室
住所:〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島4丁目3-1
開場時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日(ただし1/12、2/23は開館)、12/30、12/31、1/1、1/13、2/24
観覧料:
一般 1,800円(団体 1,600円)
高大生 1,500円(団体 1,300円)
小中生 500円(団体 300円)
※詳細は公式サイト参照
主催:大阪中之島美術館
巡回情報:東京オペラシティアートギャラリー(2026年4月16日~6月24日予定)
公式サイト:https://nakka-art.jp/exhibition-post/surrealism-2025/
Instagram:@nakkaart2022