静物と記憶の反照——「オランダ×千葉 撮る、物語る」11/15(土)より千葉県立美術館で開催
展覧会では、都市に潜む詩的な断片を切り取るファン・ライ&ファン・デル・レーウによるストリートフォトや静物写真に加え、千葉を拠点に活動する写真家・小説家の清水裕貴による、写真と言葉を組み合わせたインスタレーション作品を展観。両者の作品世界が交差しながら、千葉とオランダという異なる風土と視点を繋ぐ。

ダヴィット・ファン・デル・レーウ&サラ・ファン・ライ《2羽の鳩、ニューヨーク》 2022年 © David van der Leeuw & Sarah van Rij

清水裕貴 《浮上〈沖ノ島の隆起地層〉》2024年 ©Yuki Shimizu
ファン・ライ&ファン・デル・レーウは、アムステルダムとパリを拠点に活動し、ファッションブランドやエディトリアルのコミッションワークも多く手がけている。2023年には、ファン・ライによるルイ・ヴィトンのフォトブックシリーズ『ファッション・アイ ソウル』が発表された。また、同年には2人にとって初となる写真集『Metropolitan Melancholia』がKOMINEKより刊行されている。本展では、その写真集の表題にもなったシリーズで、ロックダウン中に撮影、制作された〈Metropolitan Melancholia〉(2019–2022)と、〈Still Life〉(2020)の2シリーズから約80点を日本初公開する。

ダヴィット・ファン・デル・レーウ 2020年 〈Still Life〉より ©David van der Leeuw

ダヴィット・ファン・デル・レーウ 〈Metropolitan Melancholia〉より ©David van der Leeuw
一方、清水裕貴は、写真と小説というふたつの表現手段を行き来しながら、ある土地の歴史や伝承を丹念に読み解き、写真と言葉を通して架空の物語世界を編み出す独自のスタイルを築いてきた。本展では松戸の戸定邸を舞台に、歴史資料と現代の風景写真を交差させた作品を展開。水戸藩主・徳川昭武が残した1300枚以上の古写真と向き合い、そこに潜むまなざしや記録の意味を探る。清水の手法は、海水でネガを劣化させるなど、時間の痕跡そのものを作品に刻む点でも注目される。

清水裕貴 《微睡み硝子》より 2022年 ©Yuki Shimizu

徳川昭武 《牧馬(2)》 1909年5月 松戸市戸定歴史館
全体で約220点が出品される「オランダ×千葉 撮る、物語る」は、写真というメディアを通じて、記録と記憶、風景と物語、過去と現在が重なり合う濃密な時間を体験させてくれる。
【プロフィール】
サラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ
アムステルダムとパリを拠点に活動する、オランダ出身の写真家。2人はパートナーであり、ユニットとしても個人としても活動している。考え抜かれたフレーミングと構図により、シュルレアリスムの系譜に通じる作品を生み出しており、ファッションブランドやエディトリアルのコミッションワークも手がけている。2023年には、2人にとって初となる写真集『Metropolitan Melancholia』をKOMINEKより刊行。同年、ファン・ライはルイ・ヴィトンのフォトブックシリーズ『ファッション・アイ』ソウルも発表した。2025年12月からは、ファン・ライにとって初となる美術館での個展が、パリのヨーロッパ写真美術館にて開催予定。
Instagram:@sarahvanrij @davidvanderleeuw
清水裕貴(しみず・ゆき)
千葉県生まれ。2007年、武蔵野美術大学映像学科卒業。2011年、第5回写真「1_WALL」グランプリ受賞。2016年、第18回三木淳賞受賞。小説では2018年、新潮社R-18文学賞大賞受賞。土地の歴史や伝承のリサーチをベースにして、写真と言葉を組み合わせて風景を表現している。主な出版物に、小説『ここは夜の水のほとり』(2019、新潮社)、小説『海は地下室に眠る』(2023、KADOKAWA)、写真集『岸』(2023、赤々舎)。主な個展に「浮上」(2024、PGI、東京)、「眠れば潮」(2023、PURPLE、京都)。主なグループ展に、「千葉ゆかりの作家展 百年硝子の海」(2021、千葉市民ギャラリー・いなげ/旧神谷伝兵衛稲毛別荘)、「とある美術館の夏休み」(2022、千葉市美術館)、「MOT アニュアル 2024 こうふくのしま」(2024、東京都現代美術館)がある。
Instagram:@shimizuyuki000
【開催情報】
展覧会名:オランダ×千葉 撮る、物語る―サラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ×清水裕貴
会期:2025年11月15日(土)―2026年1月18日(日)
会場:千葉県立美術館
住所:〒260-0024 千葉県千葉市中央区中央港1-10-1
開館時間:9:00〜16:30(入場は16:00まで)
休館日:月曜日、11月25日(火)、12月28日(日)〜1月4日(日)、1月13日(火)
※ただし11月24日(月)、1月12日(月)は開館
観覧料:一般1,000円(800円)、高校・大学生500円(400円)
※( )内は20名以上の団体料金
※中学生以下・65歳以上・障害者手帳所持者と介護者1名は無料
主催:千葉県立美術館
企画:コンタクト
特別協力:松戸市戸定歴史館
協賛:株式会社シグマ、株式会社オランダ家
URL:https://www.chiba-muse.or.jp/ART/exhibition/events/event-8482/
Instagram:@chiba_pref_muse_art
アクセス:JR京葉線・千葉都市モノレール「千葉みなと」駅より徒歩約10分