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「アニー・モリス & イドリス・カーン A Petal Silently Falls – ひとひらの音」色とかたちが呼応するふたりの響き——10/29(水)からKOTARO NUKAGA(六本木・天王洲)で開催

Oct 20, 2025
KOTARO NUKAGA(六本木・天王洲)にて、2025年10月29日(水)から12月26日(金)まで、アニー・モリスとイドリス・カーンによる二人展「アニー・モリス & イドリス・カーン A Petal Silently Falls – ひとひらの音」を開催する。(PHOTO:Courtesy of Josh Shinner, 2021)

「アニー・モリス & イドリス・カーン A Petal Silently Falls – ひとひらの音」色とかたちが呼応するふたりの響き——10/29(水)からKOTARO NUKAGA(六本木・天王洲)で開催

Oct 20, 2025 - NEWS
KOTARO NUKAGA(六本木・天王洲)にて、2025年10月29日(水)から12月26日(金)まで、アニー・モリスとイドリス・カーンによる二人展「アニー・モリス & イドリス・カーン A Petal Silently Falls – ひとひらの音」を開催する。(PHOTO:Courtesy of Josh Shinner, 2021)

ともに1978年、イギリス生まれ。世界で個々に活躍してきたふたりが、日本では初めての展覧会を迎える。モリスとカーンは、公私ともにパートナーであり、これまでにデュオとして共同制作や二人展も行ってきた。互いの実践に敬意を払いながら、響き合うように歩んできた関係が、本展の基調にも静かに流れている。

モリスは、鮮やかな色が層をなす「Stack」シリーズで知られるアーティスト。日々のスケッチを積み重ねながら、形と線を探る彼女の手つきは軽やかでいて、どこか祈りのようでもある。深い悲しみを経て生まれた作品は、やがて「生」をまっすぐ肯定するものへと変わっていった。積み重なる色の粒が、見る人の心をそっと照らす。

《Bronze Stack 8, Ultramarine Blue》, 2020, Steel and patinated bronze, Courtesy the artist, Photographer: Stephen White & Co

《Stack 8, Viridian Green》, 2025, Foam core, plaster, sand, pigment, concrete, steel, Courtesy the artist, Photographer: Stephen White & Co

《Petals, Cobalt Violet》, 2025, Wood, plaster, sand, pigment, Courtesy the artist, Photographer: Stephen White & Co

《Untitled (Figures Caput)》, 2023, Thread on linen, Courtesy the artist, Photographer: Stephen White & Co

一方のカーンは、静けさの中に複雑な記憶を宿す作家。青やグレーの濃淡が重なり、時間の層を描き出す。写真、絵画、彫刻を自在に行き来しながら、言葉や音楽、宗教といった文化的記憶を丁寧に織り込む。その作品には、見るという行為の奥に潜む“時間”が静かに流れている。

《After the reflection II (a)》, 2025, Oil and ink on mounted paper, Courtesy the artist, Photographer: Stephen White & Co

《After the reflection VI (b)》, 2025, Oil and ink on mounted paper, Courtesy the artist, Photographer: Stephen White & Co

《Life is the only shelter》, 2025, Oil based ink on gesso, on aluminium, Courtesy the artist, Photographer: Stephen White & Co

《The eyeless without shape lead you free》, 2025, Oil on board, Courtesy the artist, Photographer: Stephen White & Co

今回の展示では、六本木と天王洲の両会場にて、それぞれの作品が呼応するように並ぶ。カーンの《After the Reflection》(2025)は、モネの《緑の反射》をもとに色を抽出し、音符のスコアへと変換したシリーズの最新作。視覚のイメージが音へと変わり、記憶の奥で新しい響きを生む。モリスの「Stack」には、卵のような丸みや腹部の曲線が重なり、不安定なバランスの中にやさしい強さが宿る。

喪失を知るからこそのまなざし、反復をくり返すことでしか届かない光。
ふたりの作品が交差する瞬間、色も形も、音のように空気を震わせる。
その響きに耳を澄ませたとき、静かな共鳴が心の奥にひとひら落ちるだろう。

見終えたあとも残るのは、色の余韻と、音のような静けさ。
冬のはじまりに訪れたい、心にやわらかく降り積もる展覧会だ。

【プロフィール】
アニー・モリス(Annie Morris)
1978年、イギリス生まれ。スレード美術学校大学院修了。パリ国立高等美術学校にてジュゼッペ・ペノーネに師事。色鮮やかな球体を積層する彫刻「Stack」シリーズや、ドローイング/タペストリーを展開。2022年、フランス・シャトー・ラ・コストでの展覧会で、ルイーズ・ブルジョワ《うずくまる蜘蛛》と呼応する展示が高い評価を得た。
Instagram:@annie_morris_studio

イドリス・カーン(Idris Khan OBE)
1978年、イギリス生まれ。パキスタン系の父とイギリス人の母を持つ。ダービー大学で写真を学び、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート修了。既存イメージやテクストの重ね合わせを通じて記憶と時間の層を探る。2008年にドイツ・K20で個展、2016年にアブダビの戦没者記念モニュメントを設計・設置。2017年に大英帝国勲章(OBE)受勲。2025年9月にはオバマ財団からの依頼による新作制作が発表された。
Instagram:@idriskhan_studio

【開催情報】
展覧会名:アニー・モリス & イドリス・カーン A Petal Silently Falls – ひとひらの音
会期:2025年10月29日(水)– 12月26日(金)
会場:
KOTARO NUKAGA(六本木)〒106-0032 東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル2F
KOTARO NUKAGA(天王洲)〒140-0002 東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA Art Complex II 1F
開廊時間:11:30 – 18:00(火 – 土)
休廊日:日・月・祝
観覧料:無料
オープニングレセプション:2025年10月29日(水)
KOTARO NUKAGA(天王洲)16:00 – 18:00
KOTARO NUKAGA(六本木)16:00 – 19:00
※アニー・モリス、イドリス・カーン在廊予定
※17:00ごろ、天王洲→六本木のバスを用意(先着順)
URL:https://kotaronukaga.com/
Instagram:@kotaro_nukaga

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