京都のモダン建築が一斉公開、11/1(土)から「2025年京都モダン建築祭」ガイドツアー抽選受付スタート
本建築祭では、普段は立ち入ることができない「大丸ヴィラ」、「衣笠山の家」、「旧本野精吾邸」など、貴重な建築物の特別公開が実現。また、「喫茶ソワレ」、「東華菜館」、「丸福樓」、「長楽館」といった人気店では、建築見学と共に食事や喫茶を楽しめる特別ツアーも用意されている。
さらに、2025年に国宝・重要文化財指定を目指す琵琶湖疏水をテーマにした記念企画や、音楽やアートと融合した特別イベントなど、多彩なプログラムが展開される予定だ。
ガイドツアー概要
実施建築:76件
コース数:90コース(うち新コース14件)
形式:要申込、定員制、個別料金制
実施日:会期中毎日(2025年11月1日〜9日)
申込方法:公式サイトより「teket(テケト)」を通じて申込
抽選受付期間:2025年9月1日(月)〜30日(火)23:59まで
パスポート購入者には、当選確率が上がる「抽選優先権(クーポンコード)」を発行(当選確約ではない)
詳細:https://Kyoto.kenchikusai.jp/program/?basicFilter=guideTour
建築祭パスポート概要
公開建築:56件
形式:申込不要、自由見学(土日開催)
実施日:前半=11月1日(土)・2日(日)、後半=11月8日(土)・9日(日)
対象エリア:北山・松ヶ崎★、中京、京都駅・七条、北大路、衣笠・北野、西陣、御所西、御所東、吉田・北白川★、岡崎、東山、河原町・五条(★は新規エリア)
チケット購入:https://kyoto.kenchikusai.jp/passport/
特別イベント(後日詳細公開)
琵琶湖疏水施設の国宝・重要文化財指定記念企画(京都市上下水道局との連携)
音楽イベント「エコー遺産」ライブ@武徳殿 など
詳細:https://kyoto.kenchikusai.jp/program/?basicFilter=specialEvent
注目の見学建築
祇園甲部歌舞伎練場
京都・祇園の象徴ともいえる祇園甲部歌舞練場。花⾒⼩路の南にあり、祇園甲部の芸妓・舞妓の技芸発表の場として、京都に春を告げる⾵物詩「都をどり」や秋の「温習会」が⾏われます。⼊⺟屋造の主体部に唐破⾵の⾞寄を接続した⽞関から、重厚な趣の本館・別館・正⾨・⼋坂倶楽部まで。伝統性と近代性を併せもった空間が現
代の最新技術によって継承されています。
五⿓閣(旧松⾵嘉定邸)
“関⻄近代建築の⽗”と称される建築家・武⽥五⼀が⼿がけた洋館建築。もともと和館・洋館併設型邸宅の洋館部に当たり、製陶業を営む松⾵嘉定の邸宅として⼤正10(1921)年に建てられました。塔屋を備えた独特の外観は和洋折衷の美を体現し、内部は部屋ごとに異なる意匠やステンドグラスで飾られたアーチ窓など⼤正ロマンあふれる空間が広がります。
旧御所⽔道ポンプ室
京都御所への防⽕⽤⽔を送⽔するため、琵琶湖疏⽔建設にともない、1912年に竣⼯した旧御所⽔道ポンプ室。設計は宮内省内匠寮の⽚⼭東熊・⼭本直三郎。⽚⼭東熊は、京都国⽴博物館や東京の⾚坂離宮(現在の迎賓館)で知られる明治期を代表する宮廷建築家です。地上1階、地下2階に及ぶ堅牢な構造が特徴で、近代⽔道史を物語る貴重な建築です。
堀川団地
⽇本初の鉄筋コンクリート造店舗併⽤住宅として注⽬を集めた「堀川団地」。第2次世界⼤戦末期の建物疎開による広⼤な空き地が、戦後、現在の堀川通になり、この堀川団地が建設されました。近年はユニークなリノベーションを重ね、クリエイターや若者が集う場へと、再⽣と進化を続けています。
国⽴京都国際会館
1966年竣⼯の国⽴京都国際会館は、⽇本の戦後建築を代表する⽇本初の国⽴の国際会議場です。設計を担ったのは建築家・⼤⾕幸夫。台形・逆台形の空間の組み合わせで形づくられ、合掌造りか神社の社殿を彷彿とさせるような⽇本の伝統様式をモチーフとした独創的な造形。⽐叡⼭を背景にした宝ヶ池にまるで宇宙船のようにそびえる異貌の⼤建築です。
旧村井銀⾏七条⽀店
明治のたばこ王・村井吉兵衛が創業した村井銀⾏七条⽀店として1914年に建築された煉⽡造2階建ての建物。ギリシャ神殿を思わせるデザインで、ドリス式の円柱やその上の梁が建物の⼤きさに⽐して太く、より重厚な雰囲気が漂っています。内部には、⾦庫室やその扉、上部のペディメント、階段などにオリジナルの意匠が遺されています。
詳細は公式サイトにて順次公開される。
歴史と革新が交差する京都の街で、一期一会の建築体験を味わってみてはいかがだろうか。
Instagram:@kenchikusai
