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光灯でグループ展「Still / Structure」、静物から立ち上がる新たな視線

Sep 16, 2025
光灯では、9月13日(土)から28日(日)まで、グループ展「Still / Structure」が開催されている。本展には、濱田祐史、藤本純輝、山口幸士、渡部真梨菜の4名が参加し、「静物画/Still life」をテーマにそれぞれの表現を提示する。

光灯でグループ展「Still / Structure」、静物から立ち上がる新たな視線

Sep 16, 2025 - NEWS
光灯では、9月13日(土)から28日(日)まで、グループ展「Still / Structure」が開催されている。本展には、濱田祐史、藤本純輝、山口幸士、渡部真梨菜の4名が参加し、「静物画/Still life」をテーマにそれぞれの表現を提示する。

かつて西洋絵画のなかで静止した時間を象徴してきた静物は、本展において「見ること、描く/写すこと、存在すること」を問い直す表現として再構築される。

写真家の濱田祐史は、紫外光にしか反応しないアルミ感光版を用いたシリーズ「light there」(2022-23)や未発表の新作を出品する。デジタルポラロイドで撮影したフィルムを分解し、シアン、マゼンタ、イエローの三層として再構成する代表作「C/M/Y」など、写真の原理そのものに向き合う姿勢が浮かび上がる。

濱田祐史 Hamada Yuji light there 2022-2023 アルミニウムプレートの上に油性インク 67×67mm

藤本純輝は、植物の湛える気配や感触を追体験することを題材に、自ら染色した布を画布として用い、それらを重ねたり裂いたりしながら構成する独自の絵画で知られる。キャンバスを単なる支持体としてではなく、ひとつの構造物として立ち上げることで、絵画の概念を拡張する試みを続けてきた。本展では静物を題材にした新作3点を発表し、布そのものが立ち上がるような存在感を示す。

藤本純輝 Fujimoto Atsuki 道端_夏の夕暮れ 2025 リネン、綿布に油彩 333×242 mm

10代の頃に出会ったスケートボードから得た視点を基に制作を続けてきた山口幸士は、近年、出身地である川崎をリサーチしながら風景画を描いてきた。土地の歴史や記憶と個人的な経験を重ねるその制作は、移動する視点や絵画としての像、そして鑑賞者の連想が交差する場を生み出してきた。本展では、日常のなかで目に留めた景色を新作として描き出し、絵画を通じて「世界を知覚するとは何か」という問いを投げかける。

山口幸士 Yamaguchi Koji untitled 2025 キャンバスに油彩 455×333mm

東京藝術大学大学院を修了した渡部真梨菜は、日常の何気ない風景のディテールや質感をもとに、それらをスケール変換し、静物画のように再編成する絵画を手掛けてきた。「歩いている最中に建物や物体が作り物のように見える」という錯覚から出発する渡部の作品では、ジオラマや積み木のように組み替えられた無名の景色が、絵画のなかのテーブル上に現れる。本展の新作では、屋外の風景を手元で操作可能なスケールに置き換え、まなざしの変化を通じて自身の存在を問い直す試みが展開される。

渡部真梨菜 Watanabe Marina 卓上の路上 2025 キャンバスに油彩 318×410mm

静止したイメージに潜む複数の時間を立ち上げる4人の作品。単なる対象の再現にとどまらず、絵画や写真の構造そのものを新たに編み直す展示となっている。静物という古典的な題材を起点に交差する彼らの視線は、見る者の感覚を揺さぶり、世界との距離を新たに描き出してくれるだろう。

【作家プロフィール】
濱田祐史(Hamada Yuji)
1979年大阪府生まれ、奈良県育ち。写真の原理に基づく多様な表現を展開し、国内外で活動。主な写真集に『C/M/Y』(fw photography)、『Primal Mountain』(torch press)、『light there』(fragile books)など。
@yuji.hamada

藤本純輝(Fujimoto Atsuki)
1997年三重県生まれ。京都芸術大学大学院修了。布を素材に用いた独自の絵画表現を展開。2021年「シェル美術賞 角奈緒子審査員賞」受賞。
@atsuki_fujimoto

山口幸士(Yamaguchi Koji)
1982年神奈川県生まれ。スケートボード的視点から日常風景を描く。近年は川崎を題材に風景画を発表。2023年に初作品集『Days』を美術出版社より刊行。
@kojiyamaguchi_orista

渡部真梨菜(Watanabe Marina)
1998年福島県生まれ。東京藝術大学大学院修了。日常の光景を再構築する絵画を制作。空間やスケールの転換を通して視線のあり方を探る。
@watanabemarimo

【開催情報】
展覧会名:「Still / Structure」
出展作家:濱田祐史、藤本純輝、山口幸士、渡部真梨菜
会場:光灯
会期:2025年9月13日(土)〜28日(日)[月火水 休廊]
開廊時間:木金 13:00〜19:00/土日 12:00〜18:00
観覧料:無料(作品販売あり・一部エントリー制)
URL:https://www.kohtoh-gallery.com/
Instagram:@kohtoh_gallery

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