日本初展示の大型作品も登場、欧州の今を映す写真フェス「SEEEU ヨーロッパ写真月間 2025」が10/23(木)より都内各所で開催
本写真祭は、ヨーロッパ各地の注目アーティストによる作品を通して、変化し続ける社会、アイデンティティ、そして自然など、私たちが現在直面している課題に向き合う一ヶ月。第一弾として発表された9組の参加アーティストのうち、多くが日本初展示となる点にも注目したい。
スイス出身のデュオ、タイヨ・オノラト&ニコ・クレブスは、長年にわたる共同制作の最終章となるプロジェクト《Water Column》を日本で初公開。海洋科学者との協働による本作は、科学と想像の境界を問い直す幻想的な水中風景を描く。

タイヨ・オノラト&ニコ・クレブス 《Water Column, U13》2022
クラウディア・フジェッティ(イタリア)は、色彩とテクスチャーのレイヤーで構成された《Metamorphosis》を発表。鑑賞者に自然を受動的に見る存在から能動的に感じ取る存在へと促すような世界を提示する。

クラウディア・フジェッティ 《Metamorphosis》2024

クラウディア・フジェッティ 《Metamorphosis》2024
フィンランドを拠点とするフランシスコ・ゴンサレス・カマチョ(スペイン)は、アイスランドの風景を素材に、観光による環境変化をテーマとした《Reverting》を展開。写真と版画を融合した手法で「理想の自然」の背後にある現実を浮き彫りにする。

フランシスコ・ゴンサレス・カマチョ 《Reverting, Reverting》2024

フランシスコ・ゴンサレス・カマチョ 《Reverting, Vik》2024
そのほか、公共空間とプライバシーの境界を見つめるタダオ・チェルン(リトアニア)、著作権の曖昧さをテーマに扱うタマラ・ヤネス(スイス)、記憶と文化の痕跡を追うイーゴル・シラー(セルビア)、国家と象徴の関係性に切り込むクリスティーナ・ヴェルナー(ドイツ)、世代間のトラウマと向き合うヴァルヴァラ・ウリク(ウクライナ)、そして都市ブダペストを詩的に再構築するアンナ・ティハニ(ハンガリー)らが名を連ねる。
「Reframing Realities:現実の新たな輪郭」と題された今年のテーマのもと、それぞれの作品が「現実」とは何かを問い直す。都市の空間でふと目にする写真作品たちは、私たちに見慣れた日常の裏にあるもうひとつのレイヤーを示してくれるだろう。
SEEEU(シー・イー・ユー)ヨーロッパ写真月間 2025
会期:2025年10月23日(木)〜11月23日(日)
会場:東京都内各所の公共空間
開館時間:各展示により異なる
休館日:なし(常設展示に準ずる)
観覧料:無料
主催:KOI NIPPON / KOI
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、欧州連合(EU)
公式サイト:https://www.seeeu.jp/ja









