澤田華による個展「ビューのビュー(陳列窓、散歩)」が9/12(金)よりLAGで開催、日常の記録が映像へと変容する
本展は、映像や写真を中心に、日常に潜む違和感や些細な出来事を起点とした作品を発表してきた澤田による、新作映像シリーズの展示となる。作家が日々撮影・保存してきた写真や動画、スクリーンショットやメモといった素材を、デバイス上で操作・再生する行為そのものが作品となり、鑑賞者は「見ること」と「記録すること」のあわいに立たされる。
シリーズタイトル《ビューのビュー》が示すように、日常の痕跡は分類されることなく地続きのまま、縫い目のないパッチワークのように一つの映像へと編み上げられる。そこに浮かび上がるのは、偶然と操作の間に生じるズレ、不確かさ、そして私たちの知覚や記憶のグラデーションだ。
これまでにも、雑誌の隅に写り込んだ「正体不明のもの」を追跡した《Gesture of Rally》、街で耳にした会話の断片をもとに展開した《避雷針と顛末》、あるいはホラー映画をさまざまな場所に投影した《漂うビデオ》などを通じて、知覚と記録の関係性をテーマにしてきた澤田。本展ではそのアプローチをさらに深化させる。

© Hana Sawada
9月12日(金)には、美術批評・デジタル写真論を専門とするきりとりめでるをゲストに迎えたトークイベントも予定されており、作品の背景にある思考や技術にも触れられる貴重な機会となる。
記録と記憶、視線とスクリーン。その狭間に立ち現れる映像たちが、あなたの日常の見え方にも静かに揺さぶりをかけてくるはずだ。
澤田華(さわだ・はな)
1990年京都府生まれ。2016年、京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程修了。現在京都在住。写真や映像を中心に、生活や制作の中で生じる疑問や違和感を手がかりに作品を制作。主な個展に「ビューのビュールーム」(山山/2024年)、「避雷針と顛末」(Gallery PARC/2022年)、「夏のオープンラボ:澤田華 360°の迂回」(広島市現代美術館/2020年)など。VOCA展2025(上野の森美術館)、あいちトリエンナーレ2019など、グループ展への参加も多数。
Instagram:@sawa_hana
トークイベント
登壇者:澤田華、きりとりめでる (美術批評/デジタル写真論)
日時:9月12日(金) 18:00 – 19:30 (受付17:30-)
会場:LAG(LIVE ART GALLERY)
料金:¥500.- 事前予約制:お申し込みはこちら
きりとりめでる(美術批評/デジタル写真論)
1989年生まれ。デジタル写真論の視点から企画・執筆を行う。T3 Photo Festival Tokyo 2022のゲストキュレーターを務める。共編著に『インスタグラムと現代視覚文化論』(BNN新社、2018)。美術同人誌『パンのパン』を発行。
Instagram:@kiritorimederu
「ビューのビュー(陳列窓、散歩)」
会期:2025年9月12日(金)〜9月27日(土)
会場:LAG(LIVE ART GALLERY)
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-4-11 Daiwa神宮前ビル1F
営業時間:13:00〜19:00
休館日:日曜、月曜、祝日
観覧料:無料
協力:一般社団法人HAPS
Talk Event:9月12日(金)18:00〜19:30(受付17:30〜)
Opening Reception:9月12日(金)19:30〜20:30
Web:https://www.live-art-books.jp/lag/
Instagram:@lag_liveartgallery