昭和100年、戦後80年の節目に、東京国立近代美術館で「コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ」開催中
絵画や写真、映画などの視覚表現は、制作時の社会や文化を刻むと同時に、時を経て新たな意味を帯びる。本展は、戦争体験を持たない世代がいかに過去と向き合えるかという問いを背景に、戦争記録画を含む同館のコレクションや他機関からの借用を合わせた約280点で構成されている。
会場は8章構成。戦時下の絵画が担った社会的役割を整理する第1章「絵画は何を伝えたか」から始まり、アジアの風俗や文化を描いた作品を検証する「アジアへの/からのまなざし」、戦況を絵画で伝える意図を探る「戦場のスペクタクル」、芸術と時局が結びついた「神話の生成」、総力戦下の日常生活や女性の労働を追う「日常生活の中の戦争」、戦後に描かれた傷ついた身体像に迫る「身体の記憶」、ベトナム戦争報道を契機に過去と向き合う活動を示す「よみがえる過去との対話」、そして戦後に返還された戦争記録画の読み替えを問う「記録をひらく」へと続く。
松本竣介《並木道》(1943年)、靉光《自画像》(1944年)、和田三造《興亜曼荼羅》(1940年)、井上長三郎《ヴェトナム》(1965年)など、時代を映す名品が集結。美術館を「記憶装置」として機能させる本展は、過去と現在、そして未来をつなぐ視点を来場者に委ねている。
コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ
会期:2025年7月15日(火)~10月26日(日)
会場:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
休館日:月曜(9/15、10/13は開館)、9/16、10/14
開館時間:10:00-17:00(金・土曜は10:00-20:00、入館は閉館30分前まで)
観覧料:一般 1,500円(1,300円)、大学生 800円(600円)※高校生以下、18歳未満、障害者手帳を持つ方と付添者1名は無料
主催:東京国立近代美術館
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