8/30(土)より泉屋博古館東京で開催、「特別展 巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語(メルヘン)—現代マイセンの磁器芸術―」
1960年、創立250周年を迎えたマイセン磁器製作所は、「芸術の発展を目指すグループ」による新たな時代に歩みを進めた。本展では、その中心的存在として活躍したハインツ・ヴェルナー(1928–2019)の創作世界を紹介する。
《アラビアンナイト》《サマーナイト》《ブルーオーキッド》など、ヴェルナーが手がけた代表的なシリーズ作品が並ぶ。これらのデザインは、コーヒーサービスやティーサービス、プラーク(陶板画)といった多様な磁器作品に展開され、その幻想的な世界観を存分に味わうことができる。

《アラビアンナイト》コーヒーサービス マイセン 1967年頃~ 個人蔵 装飾:ハインツ・ヴェルナー 器形:ルードヴィッヒ・ツェプナー

《サマーナイト》ティーサービス マイセン 1974年頃~ 個人蔵 装飾:ハインツ・ヴェルナー 器形:ルードヴィッヒ・ツェプナー
ヴェルナーは15歳でマイセン磁器製作所内の養成学校に入学し、1950年代には絵付師として認められる。のちに、ハレのブルク・ギービヒェンシュタイン美術大学から名誉教授の称号を授与され、「ハインツ・ヴェルナー教授」として親しまれた。
展示構成は、マイセンの誕生を紹介するプロローグから始まり、ヴェルナーが生み出した名シリーズ、1980年代以降の色と線・面による表現の広がり、そして晩年に至る創作の軌跡をたどる。

《ほら吹き男爵(ミュンヒハウゼン)》コーヒーサービス マイセン 1964年頃~ 個人蔵 装飾:ハインツ・ヴェルナー 器形:エアハルト・グローサー、 アレクサンダー・シュトルク、 ルードヴィッヒ・ツェプナーの共作

《ドラゴンメロディ》コーヒーサービス マイセン 1994年 個人蔵 装飾:ハインツ・ヴェルナー 器形:ルードヴィッヒ・ツェプナー
中でも、《ヴィジョン トパーズ》(1990年)や《インプレッション》(1985年)など、光と色が交錯する晩年の作品群は、彩色技術の革新とヴェルナーの成熟した表現が融合した圧巻の仕上がりとなっている。また、引退後も創作を続けたヴェルナーの晩年には、若手芸術家との共作も生まれ、その遺志が次世代に継がれていることも見逃せない。
現代に息づくマイセン磁器の物語。その詩的で幻想的な世界に、ぜひ足を踏み入れてみてほしい。
【開催情報】
展覧会名:「特別展 巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語(メルヘン)—現代マイセンの磁器芸術―」
会期:2025年8月30日(土)~11月3日(月・祝)
開館時間:11:00~18:00(金曜日は19:00まで)※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日、9月16日(火)、10月14日(火)※9月15日、10月13日、11月3日(月・祝)は開館
観覧料:一般1,500円(1,300円)、学生800円(700円)、18歳以下無料
※学生・18歳以下の方は証明書の提示が必要
※20名様以上の団体は( )内の割引料金
※障がい者手帳をお持ちの方と同伴者1名まで無料
会場:泉屋博古館東京(東京都港区六本木1-5-1)
公式サイト:https://sen-oku.or.jp/tokyo/
主催:公益財団法人泉屋博古館、毎日新聞社
特別協力:アンティークアーカイヴ
協力:マイセン磁器日本総代理店 ジーケージャパンエージェンシー株式会社
巡回予定:郡山市立美術館(2025年11月22日~2026年1月18日)、愛知県陶磁美術館(2026年春~)、細見美術館(2026年11月21日~2027年1月21日)