本展は、加速度的に変化するテクノロジーやグローバリズム、気候危機などを背景に、日常の中で見過ごされがちな現象に対し、従来とは異なるスケールや視点から再考する試みである。個人の視野に閉じがちな現代において、別の時間軸や空間感覚を導入することで、関係や認識の枠組みを柔らかく捉え直そうとする構成が特徴的だ。

参加アーティストは、青木野枝、淺井裕介、大木裕之、潘逸舟、マキ・ナ・カムラ、衣川明子、斎藤玲児、佐々木類、長島有里枝、東山詩織、樋口亜弥、渡辺豪の計12名。彫刻、絵画、映像、ガラス、インスタレーションなど、多様な形式を横断する作品が展開されている。

青木野枝《立山》2024年、鉄、石鹸
「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」東京都庭園美術館（2024）展示風景　撮影:山本糾

淺井裕介《狩を覚えたら遠くまで旅をするのだ》2025年
紙にアクリル、水彩、色鉛筆、鉛筆、インク、H29.7×W42cm

大木裕之《乱気流》1991年、シングルチャンネル・ビデオ、43min 6sec

マキ・ナ・カムラ《Witness of Desert Incognito I》2025年
キャンバスに油彩、テンペラ、H60×W50cm

衣川明子《アオ、アカ》2025年、キャンバスに油彩、H91,5×W73cm

斎藤玲児《32》2024年、シングルチャンネル・ビデオ、26min

佐々木類《土地の記憶 / 庭掬い_01》2021年（部分）
ガラス、植物、Φ約53.5×0.6cm

長島有里枝《You remind me (spring version)》2022/2025年、Cプリント、image: H43.2×W35.6cm
*This is a variation on the exhibited work.

潘逸舟《Not Ocean》2024年、シングルチャンネル・ビデオ、16min 23sec

東山詩織《Blue Roofs》2025年、綿布を張ったパネルに白亜地、水彩、色鉛筆、H46×W46cm

樋口亜弥《eggs in the warmlight》2025年、キャンバスに油彩、H24.2×W33.3cm

渡辺豪《Tの再構成》2024-25年、4Kアニメーション、Loop (135min 16sec)

惑星という想像上の視点に仮託された本展の問いは、見ることそのものを揺るがし、私たちの認識のスケールを静かに揺さぶる。

【開催情報】
展覧会名：惑星のように見る / Seeing Like a Planet
会期：2025年7月12日（土）～8月9日（土）
会場：ANOMALY（東京都品川区東品川1‑33‑10 TERRADA Art Complex 4F）
開廊時間：火〜土 12:00–18:00（日・月・祝休廊）
入場料：無料
アクセス：りんかい線天王洲アイル駅B出口より徒歩9分、東京モノレール天王洲アイル駅南口徒歩10分、京急新馬場駅北口徒歩9分、JR品川駅港南口より都営バス「天王洲橋」下車徒歩4分
URL：https://anomalytokyo.com/exhibition/seeinglikeaplanet/