本展では、宮下自身が「つぼぼっち」と呼ぶキャラクター化された壺作品を大小45点展示される。柔和で優しく控えめで、しかしどこか少しの毒気を感じさせる作品は作家自身の世代の人物像が写し取られた姿かもしれない。宮下は「つぼぼっち」は壺の形を借りた自分自身を表現する自画像でもあり、用途とオブジェの両方の要素を持つ壺の形を借りることで、空間に溶け込めるような存在を作り出している。「粘土という半永久的に残る素材を使って、仏像のように見る人の苦しみを和らげ、ポジティブなエネルギーを発し続けたい」と話す。

宮下卓己
1998 年生まれの宮下は、子供の頃に遊んだゲームや漫画のキャラクターにインスパイアされた、壺をキャラクター化した作品を制作。歴史と伝統のある陶器というメディアをベースに、現代のポップカルチャーを融合させたその作品は、両極にあるそれら二つの日本の文化の中間に位置している。また、陶芸という身体性や物質性の強いメディアに対し、ゲームや漫画といった非物質的な感性の強いものを融合した作品は、時代を象徴するようにプリミティブとデジタルの間に生まれた作品と言える。
宮下は武蔵野美術大学工芸工業学科クラフト専攻陶磁コースで陶芸を学び、翌年の2022年に多治見市陶磁器意匠研究所を卒業、その後アーティストである大谷工作室のもとでアシスタントとして働く。2023年に「土友の墓場展」 (Kaikai Kiki Gallery)、2024 年「GROUP EXHIBITION U33」 (tonoto) などに出展。
Instagram：@miyashitatakumi_ceramics

つぼぼっち展 -Your first TSUBOBOTCHI-
宮下 卓己
会場：B1Storage
住所：東京都渋谷区神宮前5-9-25 B1F
会期：2025 年1 月28 日 ( 火) – 2 月18 日 ( 火)
時間：12:00 – 19:00
オープニングレセプション：1 月28 日 ( 火) 18:00 – 20:00
休廊：月、日、祝日休み
Instagram：＠b1storage