高橋成樹の個展「高橋 成樹」がhaku kyoto、kokyu kyoto にて開催
風に揺れる葉、切り株に染み込む雨粒、木肌に刻まれた傷、自然が残した記憶。
高橋成樹の作品は伐採から加工、完成まで全てが手作業で進行される。彼のキャリアは山師からスタートし、木を伐採することで得た経験が作品の基盤となっている。彼は木が育った環境や、そこに刻まれた時間を深く見つめ、素材と対話する。そして、その記憶を作品に反映させる。木と真摯に向き合う姿勢が、彼の作品に独自の深みを与えている。
通常の製材過程では排除されるひび割れや傷、コブといった要素を、「本来の姿」と捉えて作品に取り入れる高橋の作風が注目を浴びている。彼の作品は、木が生きた証とも言える痕跡をそのまま刻み込み、自然の不完全さや変化を尊重する姿勢を見せる。それは現代社会が追求する完璧さとは異なる視点を提供し、日々の喧騒から一歩引いて静かに日常を振り返る時間を与えてくれる。彼の作品を通じて、自然と時間が重なり合った記憶に触れることができる。
アーティストプロフィール
高橋 成樹 | Naruki Takahashi
高知県が日本一の森林率を誇る地で、木を通した制作活動が盛んに行われている。制作者の一人である山仕事に従事する男性は、幼少期から祖父と共に山仕事を手伝い、常に自然の木々と共に生活してきた。現在も山へ入り、自分で伐った木を使用して作品を制作している。木は一本一本が個性を持ち、自然の中で育まれた物語を持っている。その物語を大切に制作し、作品になってからも日々変化を遂げる「生きている木」に対する愛情がある。作品になった木は、ひび割れを繰り返し、形を変えてゆくその姿が人間を超越した自然そのものの偉大さを感じさせる。現在、日本は木の伐採期を迎えている。この状況下で、木を形を変えて多面的に利用(再利用)することは環境保全にもつながるだろう。制作者は、自身の作品を通して、日本の木や環境問題に対する興味を持ってもらいたいと考えている。
IG @narukitakahashi
About haku kyoto
2018年5月、京都の四条寺町エリアに新たなギャラリー「haku」がオープンした。このギャラリーは、明治時代に建てられた町家をリノベーションして作られたものだ。若手から中堅まで幅広いアーティストたちのエキシビションやインスタレーションの企画展を開催する。一輪の花に足を止めて眺めるような、日々の生活の中でアートを楽しむことができる空間を提供することを目指している。
About kokyu kyoto
一階の主役は “もの”だ。どこかの誰かに使われていたもの、外に置かれたまま忘れられていたもの、自然との出来事が刻まれたもの。そのようなもののストーリーを想像し、面白がるか、価値を見つめ直すか、あるいはコーヒーでも飲みながらただ時間を過ごすための場所である。
二階の主役は “ひと”だ。古くから東洋に伝わる手技や植物由来のアロマセラピーなどの自然療法を通じて、日々の生活の中で気づかないうちに緊張してしまった心体を休ませる。セラピストとの会話で和むことや、お気に入りの香りを見つけることで、心と身体に無理なく自分を整えるための休息場所となる。”もの”や”ひと”が年齢を重ねていく中に美しさがあると感じ、それを肯定すること。それがkokyuが提案したいことである。
展覧会 概要
タイトル:「高橋 成樹」
展示作家:高橋 成樹|Naruki Takahashi
会期:2024年10月4日(金)-2024年10月21日(月)オープニングレセプション 10月4日(金)19時ー21時
会場:
haku kyoto
〒600-8032 京都府京都市下京区中之町 566
IG:@haku_kyoto_gallery
kokyu kyoto
〒604-0963 京都府京都市中京区布袋屋町 509-2
IG @kokyu_gallery
営業日:金・土・日・月
営業時間:13時ー19時
閉館日火曜日 ※水・木曜日は自由観覧
オープニングイベント
2024.10.4(金)19:00-21:00
有名な建築家、高橋成樹の制作過程で生じた檜のおがくずを蒸留した特別なカクテルが提供される。このカクテルの製作を手掛けるのは、世界大会で受賞経験のあるカクテルスタンド「フレく」の齋藤隆一氏だ。齋藤氏は、京都の天然水を用い、高知の山々の香りを醸し出す特別な一杯を作り上げた。この特別なカクテルは誰でも気軽に楽しむことができる。