小山登美夫ギャラリー天王洲にて、佐藤翠 「Dress of Flora – フローラのドレス – 」が開催中
エモーショナルで大胆な筆のストローク、紫、黄、ピンク、オレンジ、青などの鮮やかな色彩の線と面のコンビネーション。下書きなしにキャンバスに描き、偶然の絵具の滲みや余白をあえて残して示す、遥かな空間の広がり。佐藤作品は、絵画ならではの多層的で自由な魅力さにあふれ、私たちの感性を大いに刺激してくれるだろう。
クローゼットは独自の代表的なモチーフであり、またドレス、シューズ、カーペット、花々、果物など、昔から多くの人々を魅了してきたシンプルで根源的モチーフにも取り組んでいる。佐藤はそれらに対する憧憬と自身の感覚に従い、現実とイマジネーションを行き来しながら可憐で現代的な独自の作品世界にまで昇華させる。
また特徴として、同じモチーフを繰り返し描きながら、その時々の体験やその感動により表現を変化させる点がある。クローゼットやドレスに花をからませ、空を飛んだり、線が抽象的になり、具体的なモチーフがあったり。その新鮮な世界観は、次はどう変化するのだろうという期待感をもたらし、多くのコレクターや美術関係者、企業やクリエイターなど多分野で高い評価を得てきた。
Tree Dress 2024 acrylic and oil canvas 227.5 × 162.0 cm©Midori Sato
Antiquity Dress 2024 acrylic and oil on canvas 227.5 × 162.0 cm ©Midori Sato
Glass Bead Dress 2024 acrylic and oil on canvas 116.5 × 91.0 cm©Midori Sato
Clover Dress 2024 acrylic and oil on canvas 116.5 × 91.0 cm©Midori Sato
佐藤 翠
1984年愛知県生まれ。2008年名古屋芸術大学絵画科洋画コース卒業。在学中ディジョン国立美術大学(フランス)へ交換留学し、2010年東京造形大学大学院造形学部修士課程を修了。平成29年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてフランスにて研修を行った。色とりどりの服が掛かったクローゼット、高いヒールの靴が並ぶシューズラック、鮮やかな花々。佐藤翠の絵画は、大胆で素早いタッチがモチーフの輪郭を溶かし、具象性と抽象性が共存しつつ鮮やかな色彩と卓抜な構成が強い魅力を放つ。また絵画の魅力、喜びに溢れ、「ほのかな、かすかな官能性の香りがいわば隠し味のように重なって、比類ない豊麗な世界」(高階秀爾『ニッポン・アートの躍動』(講談社)を生み出している。
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Instagram:@midori_sato_
佐藤翠 「Dress of Flora – フローラのドレス – 」
会場:小山登美夫ギャラリー天王洲
住所:140-0002 東京都品川区東品川1-33-10 Terrada Art Complex I 4F
開館時間:11:00 – 18:00
入館料:無料
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