本展は伊藤のGALLERY HAYASHI＋ART BRIDGEでの初の個展開催となり、色彩豊かで表現力に富む新作ペインティングが発表される。

伊藤美緒は、自然が偶然重なり合い、美しい情景を作り出すように、絵画においても偶然性の積み重ねが本来の意図とは異なる表情を見せる瞬間があると述べる。
伊藤の色鮮やかでダイナミックなブラッシュストロークが充満する作品は、色を重ねたり削ったりする作業を通じて、上下のレイヤーに動的な融合を生み出す。本来意図していなかったレイヤーや色彩がリンクするその瞬間に、作品の中に新たなバランスや秩序が生まれてくる。ただ闇雲に筆を動かすのではなく、美しいと感じた部分の必要性を疑い、絵からの返事を待つことで、新たな秩序をキャンバス内に見つける。そうして完成した作品たちは独特のバランスとリズムを持ち、鑑賞者にまるで彼女のダイアリーを見ているような感覚を与える。

本展示タイトルの「くもの巣に、ひっかかった花びらは綺麗だからとゆるされてほしい」は、台風が過ぎ去ったあとにどこからか飛んできた花びらが蜘蛛の巣にひっかかり、角度によっては空に浮いているように見えた瞬間からインスピレーションを得たものだ。出展作品はキャンバスの種類をいくつかに分け、筆致の違いを楽しめるように展示にリズムを作り出している。2年ぶりの個展となる本展示の新作をお楽しみに。

開催概要
会期：2024年6月5日（水）〜6月22日（土）
開催場所：GALLERY HAYASHI＋ART BRIDGE
住所：東京都中央区銀座7-7-16
開館時間：11：00 – 19：00
入館料：無料
TEL：03-3571-4291
URL：https://g-hayashi-artbridge.com/