クリス・ベレンス 個展「THE GREAT BELOW」が4/5(金)より開催
1999年にオランダのアカデミー・オブ・アート & デザインでイラストレーションを修了したクリス・ベレンスは、2005年にアムステルダムのJaski Galleryで初の大規模な個展を開催し、一躍名声を得た。その後も東京、ニューヨーク、ロサンゼルス、シアトル、シンガポールなど世界各地で展覧会を行い、2011年にはブロンディのアルバム「パニック・オブ・ガールズ」のカバーデザインも手掛けるなど、広範にわたる活動を展開している。
ベレンスの作品作りは、小さな紙片に細筆やインクで細部を描き、さらに別の紙を貼り合わせるという緻密な作業の繰り返しである。この作業は腱鞘炎に悩まされるほどに緻密で、それによって作品全体が構成される。手描きの技術で想像上の景色を鮮やかに表現し、ピントのずれやレンズの歪み効果で郷愁を感じさせる独特な表現を得ている。それを支える高い集中力と、近年ではデジタル画像制作も自身の技法の一部としている。レンブラントやフェルメールの影響も感じさせるベレンスの肖像画は、時空を超えて光と影が交錯する異生物の世界のようである。また、日本の伝統文化や精霊信仰、幻想性もインスピレーションの一部として挙げている。
今展では、ベレンスがミクストメディアで描いた新作約10点が展示される。一筆ごとにまるで細胞分裂を繰り返すように成長するベレンスの作品は、作家自身の内的世界と現実をつなぐ有機生命体のように鑑賞者に語りかける。自身の表現を追求し続け、試行錯誤を繰り返しながら到達した力作を楽しむことができる。
ベレンス自身は、「あなたの内側からざわめきが生まれる時、何者かが物陰に隠れてあなたを見ているような不穏な感覚を覚えた時、少しの間、耳を澄ましてみてほしい。それは私たちかもしれない。私たちはあなたの目の端に住む生き物だ。私たちは甘美な欠落感であり、存在しなかった時間や場所への深い憧れだ。私たちはここにいる、これまでも、そしてこれからも。恐れる必要はない。私たちは待っていた。あなたを見つけた今、私たちは決して離れない。手を取り、一緒に飛び込んでほしい。ここはもうあなたの家だ。ようこそ、素晴らしき地下世界へ」と述べている。
イベント概要
会場:メグミオギタギャラリー
東京都中央区銀座2-16-12 銀座大塚ビルB1
03-3248-3405
会期:2024年4月5日(金) – 4月27日(土)
時間:12:00 – 18:00 日・月・祝日 休廊
展覧会リンク: https://www.megumiogita.com/cb202404the-great-below