「森万里子:燦燦(さんさん)」森美術館で開催、24年ぶりの国内大規模個展で約40点を紹介
森万里子は1990年代半ば、自身のパフォーマンスをもとにした写真や映像作品「サイボーグ」シリーズで注目を集めた。コンピューター・グラフィックスを先駆的に取り入れた表現から、仏教の死生観や宇宙観に影響を受け、活動を展開。2000年代以降は、あらゆる生命のつながりを捉える「ワンネス(Oneness)」を創作の中心的な概念に据え、科学者や研究者との協働を通じた作品などを発表してきた。

森 万里子 《スター誕生》 1995年 3Dデュラトランス・プリント、アクリル、ライトボックス、オーディオCD 183×122 cm 音声:3分20秒

森 万里子 《Wave UFO》 1999-2002年 脳波インターフェース、ビジョンドーム、プロ ジェクター、コンピュータシステム、グラスファイバー、テクノジェル、アクリル、カーボンファイ バー、アルミニウム、マグネシウム 528×1134×493 cm 展示風景:「森万里子:Wave UFO」ブレゲンツ美術館(オーストリア)2003年 撮影:リチャード・リーロイド

森 万里子 《Wave UFO》(内部) 1999-2002年 脳波インターフェース、ビジョンドーム、プロジェクター、コンピュータシステム、グラスファイバー、テクノジェル、アクリル、カーボンファイバー、アルミニウム、マグネシウム 528×1134×493 cm 撮影:トム・パウエル
本展は、ゆるやかな年代順とテーマに沿った4つのセクションで構成される。初期の《スター誕生》(1995年)や「サイボーグ」シリーズ(1994-1995年)をはじめ、仏教の宇宙観を背景とする「エソテリック・コスモス」シリーズ(1996-1998年)などを紹介。代表作《Wave UFO》(1999-2002年)は、鑑賞者が勾玉型のポッドに入り、自身と他者の脳波をもとにした投影映像を体験するインタラクティブ・インスタレーションで、森が提唱する「ワンネス」の概念を具体化した作品となっている。

森 万里子 《トムナフーリ》 2006年 ガラス、ステンレス、LED、リアルタイム制御システム 327.4×115.3×39.6 cm 撮影:リチャード・リーロイド 画像提供:SCAI THE BATHHOUSE(東京)

森 万里子 《お社》(部分) 2025年 絹、アルミニウム、木、ダイクロイック・コーティングされたアクリル彫刻(2点)、コーリアン台座 190×920×480 cm 展示風景:「森万里子:ラディアンス」ショーン・ケリー(ニューヨーク)2025年 撮影:ジェイソン・ワイシュ 画像提供:ショーン・ケリー(ニューヨーク)

森 万里子 《リング:自然とひとつに》 2016年 積層アクリル、ステンレススチール、コンクリート 618×φ300 cm Courtesy:Faou財団(ニューヨーク) 展示風景:クナンベベ州立公園(ブラジル、リオデジャネイロ州) 撮影:ステファニー・レアル
さらに、ニュートリノ観測施設「スーパーカミオカンデ」のリアルタイム・データによって発光する《トムナフーリ》(2006年)や、縄文文化などのリサーチから生まれた《フラット・ストーン》(2006年)、2025年にニューヨークで発表された《お社》なども展示。後半では、森が設立したFaou財団によるパブリックアートの活動を取り上げ、沖縄県宮古島の《プライマル・リズム:サンピラー》(2011年)や、リオデジャネイロの《リング:自然とひとつに》(2016年)などをまとめた新作映像を大型LEDディスプレーで紹介する。
また、会場には「クロノロジー」と「スタジオ」のスペースを設け、過去の展覧会資料やパフォーマンス映像、ドローイング、リサーチノートなどを公開する。展覧会タイトルの「燦燦」は、森の創作活動の中心にある「光」を象徴する言葉。光、知覚、意識を軸に、ポップカルチャーから仏教思想、宇宙物理学、古代文化へと広がってきた30年以上の活動をたどる。
プロフィール

撮影:下村一喜
森万里子
1967年、東京生まれ。1992年にロンドンのチェルシー・カレッジ・オブ・アートを卒業し、1993年にニューヨークのホイットニー美術館インディペンデント・スタディ・プログラムを修了。1997年、第47回ベネチア・ビエンナーレ国際美術展で優秀賞を受賞した。これまでにサーペンタイン・ギャラリー(ロンドン)、ブルックリン美術館(ニューヨーク)、ポンピドゥセンター(パリ)、東京都現代美術館などで個展を開催。2010年にはFaou財団を設立し、自然と人間のつながりをテーマとするパブリックアートの恒久設置にも取り組む。現在、ニューヨーク、東京、宮古島に在住。
Instagram:@marikomori
開催情報
「森万里子:燦燦」
会期:2026年10月31日(土)〜2027年3月28日(日)
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
開館時間:10:00〜22:00(火曜日のみ17:00まで)
※11月3日(火・祝)は18:00まで、11月27日(金)は17:00まで、2月23日(火・祝)は22:00まで
※入館は閉館時間の30分前まで
休館日:会期中無休
入館料:
一般:平日2,800円(オンライン2,600円)/土・日・休日3,000円(オンライン2,800円)
学生(高校・大学生):平日1,700円(オンライン1,600円)/土・日・休日1,800円(オンライン1,700円)
中学生以下:無料
シニア(65歳以上):平日2,400円(オンライン2,200円)/土・日・休日2,600円(オンライン2,400円)
※料金はすべて税込
予約:日時指定券による事前予約制。専用オンラインサイトから購入可能。販売開始日は後日ウェブサイトで発表。当日、日時指定枠に空きがある場合は事前予約なしで入館可能。
《Wave UFO》体験鑑賞:ポッド内部への入場は人数に限りがあり、事前申し込みと別途料金が必要。予約開始日、料金、申し込み方法はウェブサイトで公開。
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
ウェブサイト:www.mori.art.museum
Instagram:@moriartmuseum