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理想と美のクロニクル、「美しいユートピア 理想の地を夢みた近代日本の群像」が1/15(木)よりパナソニック汐留美術館で開催

Jan 9, 2026
パナソニック汐留美術館にて、2026年1月15日(木)から3月22日(日)まで、「美しいユートピア 理想の地を夢みた近代日本の群像」展が開催される。

理想と美のクロニクル、「美しいユートピア 理想の地を夢みた近代日本の群像」が1/15(木)よりパナソニック汐留美術館で開催

Jan 9, 2026 - NEWS
パナソニック汐留美術館にて、2026年1月15日(木)から3月22日(日)まで、「美しいユートピア 理想の地を夢みた近代日本の群像」展が開催される。

「ユートピア」とは、「どこにもない場所」を意味する言葉。
16世紀イギリスの思想家トマス・モアの小説から生まれ、やがて社会思想家ウィリアム・モリスは『ユートピア便り』のなかで、暮らしと芸術の総合を夢みた。

その思想にふれた20世紀の日本でも、ユートピアは「美しい暮らし」をめぐる理想として受けとめられる。近代化のただなかでかつての日本でもなく、どこかの西欧でもない——そうした“どこにもない”場所を求めて、美術・工芸・建築が、そして人びとの生活が結び直されていった。

本展「美しいユートピア 理想の地を夢みた近代日本の群像」は、そうした理想のかたちを辿るもの。
2020年開催の「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」展の流れを汲みながら、今回は白樺派や民藝運動、芸術家コロニー、戦後建築に至るまで、5章構成で約170点の作品と資料を通して、20世紀日本が夢みた“どこにもない場所”をたずねていく。

 

第1章 ユートピアへの憧れ

20世紀初頭、大正デモクラシーの時代に花開いた理想主義。雑誌『白樺』を中心に交わされた芸術と思想の交流は、やがて柳宗悦による「民藝」運動へと結実する。西洋美術への憧れと、自らの足元を見つめるまなざしが交差したその時代には、ユートピアが美と暮らしの中に重ねられていた。展示される横堀角次郎《静物》や、モリス『ユートピア便り』などがその思想の輪郭を浮かび上がらせる。

ウィリアム・モリス著 ケルムスコット・プレス刊『ユートピア便り』 1892 年 TOPPAN ホールディングス株式会社 印刷博物館蔵

横堀角次郎《静物》 1922 年 群馬県立近代美術館蔵

 

第2章 たずね求める 周縁、国外でのフィールドワーク

近代化するみずからの足元をみつめた、民家や民具などをめぐるフィールドワークを紹介する。農山漁村や周辺地域、民族をたずねる交流は、ジャンルや国境を越えて「民」を記録し、未来へつなぐ「ミュージアム」を育んだ。建築家で教育者でもある今和次郎は、民家調査や考現学、生活改善といった横断的な実践を、機知に富んだドローイングとしても表現した。また、財界人であり研究者でもあった渋沢敬三は、私設博物館「アチックミューゼアム」を設立し、資料収集と研究者支援に努めた。彼が計画し今も参画した国立民族学博物館構想の図面も展示される。

今純三《考現学調査葉書 自宅アトリエノ窓外風景》 1931年 工学院大学学術情報センターエ手の泉蔵

山本鼎《スケッチ パイワン族 小箱の蓋(百歩蛇)》 1924 年 上田市立美術館蔵

 

第3章 夢みる 都市と郊外のコミュニティ

関東大震災以後、郊外に広がったアトリエ村や芸術家のコミュニティは、生活と創作の場が一体となるユートピア的空間だった。池袋モンパルナスに集った靉光や松本竣介らによる「新人画会」は、戦争の時代を超えてなお、芸術の自由と理想を追い求めた。立原道造が描いた芸術家コロニーや、鶴岡政男《夜の群像》からは、時代に抗いながらも創作を続けた姿がそっと立ち上がる。

立原道造《Lodge and Cottages》 1937年 軽井沢高原文庫蔵

松本竣介《立てる像下絵》 1942年 神奈川県立近代美術館蔵

鶴岡政男《夜の群像》 1949 年 群馬県立近代美術館蔵

 

第4章 試みる それぞれの「郷土」で

山本鼎の農民美術運動、宮沢賢治の「ドリームランド」構想、竹久夢二の研究所計画。郷土という足場から、協働と芸術を結び直そうとする実践が全国に広がった。群馬の伝統工芸とモダンデザインが融合したブルーノ・タウトの「ヤーンバスケット」や、宮沢賢治の《日輪と山》など、土地と人に根ざした夢のかたちが並ぶ。

ブルーノ・タウト「ヤーンバスケット」 1934-36年 群馬県立歴史博物館蔵

 

第5章 ふりかえる/よみがえる ユートピアのゆくえ

戦後復興のなかで、芸術と建築を通じた新たな都市のあり方が模索される。高崎の井上房一郎と、アントニン&ノエミ・レーモンド、磯崎新らによるプロジェクトには、未来へと開かれたユートピアの再構築が託されていた。「群馬音楽センター内観透視図」や磯崎新《還元シリーズ MUSEUM-Ⅰ》など、社会の変容とともに立ち現れた新しい理想の断片が提示される。

アントニン・レーモンド「群馬音楽センター内観透視図」 1958 年 レーモンド設計事務所蔵 ⒸThe Raymond Family

磯崎新 《還元シリーズ MUSEUM-Ⅰ(群馬県立近代美術館)》 1983年 磯崎新アトリエ蔵 ©︎Estate of Arata Isozaki

明治大学神代研究室「伊根亀山デザイン・サーヴェイ集落全体平面図(4 枚組)」 1968年 明治大学建築アーカイブ蔵

 

時代も領域も異なる理想のかたちが、静かに響き合う。
それらは過去の記録であると同時に、私たちが思い描くこれからの暮らしへの問いかけでもある。

 

【開催情報】
展覧会名:美しいユートピア 理想の地を夢みた近代日本の群像
会期:2026年1月15日(木)-3月22日(日)
会場:パナソニック汐留美術館
開館時間:午前10時-午後6時(入館は午後5時30分まで)
休館日:水曜日(ただし2月11日、3月18日は開館)
観覧料:一般 1,200円 / 65歳以上 1,100円 / 大学生・高校生 700円 / 中学生以下 無料
※障がい者手帳を提示の方、および付添者1名まで無料
夜間開館:2月6日(金)、3月6日(金)、20日(金・祝)、21日(土)は午後8時まで(入館は午後7時30分まで)
※展示替えあり:前期 1月15日~2月17日、後期 2月19日~3月22日(2月19日以降の再入場は半券提示で100円割引)
URL:https://panasonic.co.jp/ew/museum/
Instagram:@shiodome.museum

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