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写真が記憶の奥を照らす、髙橋実希による初写真集の出版記念展「あの庭の花/Specimens」がLAGで開催

Oct 29, 2025
渋谷・神宮前のLAG(LIVE ART GALLERY)では、2025年10月24日(金)から11月15日(土)まで、写真家・髙橋実希の個展「あの庭の花/Specimens」が開催されている。本展は、2024年に塩竈フォトフェスティバル・ポートフォリオレビュー写真賞で大賞を受賞した髙橋による、初の写真集『あの庭の花』(Live Art Books刊)の出版記念展だ。

写真が記憶の奥を照らす、髙橋実希による初写真集の出版記念展「あの庭の花/Specimens」がLAGで開催

Oct 29, 2025 - NEWS
渋谷・神宮前のLAG(LIVE ART GALLERY)では、2025年10月24日(金)から11月15日(土)まで、写真家・髙橋実希の個展「あの庭の花/Specimens」が開催されている。本展は、2024年に塩竈フォトフェスティバル・ポートフォリオレビュー写真賞で大賞を受賞した髙橋による、初の写真集『あの庭の花』(Live Art Books刊)の出版記念展だ。

作品の起点となっているのは、作家が生まれ育った家の庭と、そこに深く関わってきた祖父の存在。祖父の手によってかたちづくられた庭は、季節の移ろいだけではない「人の営みの痕跡」を刻んでいる。草木の成長、木材の木目、光と影――そうした日常の断片を丁寧に採集し、印画紙の上で重ねるようにして構築された写真には、過去と現在、記憶と風景が静かに結び直されている。

そこに写る像は、明確な「記録」ではない。むしろ、曖昧に揺らぐ像の中に、失われたものの気配や、空間に染み込んだ感情の残響が微かに立ち上がる。見る者は、その揺らぎを通じて、目の前の風景を超えた深層――心や身体に沈んだ記憶と触れ合う体験へと導かれるのだ。

会場には、写真集と同名のシリーズに加え、祖父との距離感や幼少期の記憶に触れるようなコラージュ的作品も並ぶ。記憶の奥にそっと指をのばすような、静かで繊細なまなざしに包まれる空間は、秋の午後にこそ訪れたい特別な時間を提供してくれる。

懐かしさと再発見のあいだで揺れるようなこの展覧会は、自身の記憶と向き合うための静かな扉となるだろう。

© Miki Takahashi

髙橋 実希 / Miki Takahashi
1996年静岡県生まれ。2019年に東京工芸大学芸術学部写真学科を卒業。現在は東京を拠点に活動。人の無意識や記憶を主題に、写真やコラージュを通じて作品を制作。2024年、塩竈フォトフェスティバル・ポートフォリオレビュー写真賞にて大賞を受賞。
Instagram:@miki_takahashiii

髙橋 実希 「あの庭の花/Specimens」
会期:2025年10月24日(金)-11月15日(土)
会場:LAG(LIVE ART GALLERY)
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-4-11 Daiwa神宮前ビル 1F
開館時間:13:00-19:00
休館日:日・月・祝日
観覧料:無料
Webサイト
Instagram:@lag_liveartgallery
Mail: infolag@daishinsha.jp

書籍情報
『あの庭の花』
著者:髙橋 実希
発売日:2025年10月24日(金)
本体価格:3,800円(税別)
仕様:薄上製A4 変型(220mm × 270mm)
寄稿:久後香純(美術史研究者)
デザイン:橋詰冬樹
編集:菊田樹子
翻訳:パメラ三木
印刷/製本:株式会社ライブアートブックス
発行:塩竈フォトフェスティバル
※会場にて販売しております。

TALK EVENT|トークイベント
登壇者:伊藤貴弘(東京都写真美術館学芸員)、髙橋実希
日時:11月8日(土) 15:00-16:00
会場:LAG(LIVE ART GALLERY) ACCESS
料金:無料
事前予約制:お申し込みはこちら
定員:40名

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